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法学概論

法学概論

A5判 204ページ 並製
定価:1,800円+税
ISBN978-4-7664-2216-0 C3032
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

「どのような学問分野に取り組む際にも、その第一歩として通過しなければならない関門がある。それは、各分野に特有かつ最小限の共通認識や基礎的事項への理解を掌中にすることであろう。つまり、そこで得た知見を最初の「道具」として、新たな学習への道筋が展開していくことは、「学ぶ」ことに際し、普く共通である。」(「はしがき」から)

本書は、法の世界に興味を有する入門者への「道しるべ」となるために、また多く「法学」と称せられた学科目を学ぶための一助になれば、という意図のもとに編まれた入門書。
法律学を学び、法律を理解するためには、何をすればよいのか。法律世界への実践的アプローチまで踏み込みながら、法律学における共通認識や基礎的事項を理解する。随所に基礎的事項や法制史的なコラムを折り込みながら読者を法の世界へと誘う。日本法制史の研究者の手により書き上げられた特色ある法学入門。

著者プロフィール

霞 信彦(カスミ ノブヒコ)

略歴:1951年生まれ。慶應義塾大学法学部教授。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻博士課程単位取得退学。法学博士(慶應義塾大学)。
主要著作:『明治初期刑事法の基礎的研究』(慶應義塾大学法学研究会叢書、1990年)、『日本法制史 資料集』(共編、慶應義塾大学出版会、2003 年)、『矩を踰えて 明治法制史断章』(慶應義塾大学出版会、2007年)、峯村光郎(田中実補訂)『改訂・法学(憲法を含む)』(霞信彦ほか改訂、慶應義塾大学通信教育部、2010年)、『法学講義ノート 第5版』(慶應義塾大学出版会、2013年)、『日本法制史Ⅱ―中世・近世・近代』(共著、慶應義塾大学通信教育部、2012年)、他。

原 禎嗣(ハラ ヨシツグ)

本書第2章Ⅲ・Ⅳ担当
略歴:1963年生まれ。山梨学院大学法学部教授。慶應義塾大学法学部講師。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻博士課程単位取得退学。法学修士(慶應義塾大学)。
主要著作:『入門 政治行政』(共著、公人の友社、2008年)、『日本法制史Ⅱ―中世・近世・近代』(共著、慶應義塾大学通信教育部、2012年)、「日本赤十字社戦中文書の基礎的研究―太平洋戦争中の俘虜救恤活動に関する史料紹介を兼ねて」山梨学院大学法学論集第60号(2008年)、「東京市鉄管詐欺事件にまつわるもう一つの詐欺事件について」山梨学院大学法学論集第68号(2011年)、他。

神野 潔(ジンノ キヨシ)

本書第2章Ⅰ・Ⅱ担当
略歴:1976年生まれ。東京理科大学理学部第一部准教授。慶應義塾大学法学部講師。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学。修士(法学)。
主要著作:『日本法制史Ⅱ―中世・近世・近代』(共著、慶應義塾大学通信教育部、2012年)、「鎌倉幕府の寄進安堵について」古文書研究第62号(2006年)、「穂積陳重と封建法―『法窓夜話』所収「準拠法」を手がかりに」民事研修第643号(2010年)、「成年被後見人の選挙権に関する、法史学的整理」司法法制部季報第134号(2013年)、他。

兒玉 圭司(コダマ ケイジ)

本書第2章Ⅴ・第3章Ⅰ担当
略歴:1977年生まれ。国立舞鶴工業高等専門学校人文科学部門准教授。慶應義塾大学通信教育部講師。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学。修士(法学)。
主要著作:『日本法制史Ⅱ―中世・近世・近代』(共著、慶應義塾大学通信教育部、2012年)、「明治初期における監獄制度の一転機―既決囚の発見」鈴木秀光ほか編『法の流通』(慈学社出版、2009年)所収、「明治前期の処遇にみる国事犯」堅田剛編『加害/被害』(国際書院、2013年)所収、「明治前期の監獄における規律の導入と展開」法制史研究第64号(2015年)、他。

三田 奈穂(ミタ ナホ)

略歴:1983年生まれ。成蹊大学法学部助教。慶應義塾大学看護医療学部講師。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学。修士(法学)。
主要著作:『日本法制史Ⅱ―中世・近世・近代』(共著、慶應義塾大学通信教育部、2012年)、「旧刑法数罪俱発条と治罪法第一三条但書」法学政治学論究第94号(2012年)、「特赦の観念と刑の執行の免除」司法法制部季報第136号(2014年)、「明治三十八年「刑ノ執行猶予ニ関スル法律」(法律第七〇号)について」成蹊法学第81号(2014年)、他。

髙田 久実(タカダ クミ)

本書第1章Ⅱ・第3章Ⅱ担当
略歴:1987年生まれ。中央学院大学法学部講師。慶應義塾大学通信教育部講師。慶應義塾大学大学院法学研究科公法学専攻後期博士課程単位取得退学。修士(法学)。
主要著作:「旧刑法における文章偽造罪の制定過程に対する一考察―行為に関する規定を中心として」法学政治学論究第96号(2013年)、「旧刑法における印章偽造罪の制定過程に関する一考察―法継受の実証的様相」法学政治学論究第99号(2013年)、他。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき

第1章 法律学を学ぶために―法律学学習への基礎知識

 Ⅰ 法律学に関する文献について
  1 基本文献
   (1) 法律学雑誌
   (2) 教科書・概説書
   (3) 法律学辞典
   (4) 研究書
   (5) 判例集
   (6) その他
     Column 溶け込み方式
  2 六 法
   (1) 六法という名称の由来
     Column 不平等条約
   (2) 「六法」(現行法法令集)の利用
     Column ポケットサイズの法令集
   (3) 六法典の概要

 Ⅱ 法令に関する基本事項
  1 法令の構造
   (1) 題 名
   (2) 目次・本則・附則
   (3) 条 文
   (4) 挿入と削除
  2 法と言葉
   (1) 条文の現代語化
   (2) 法の世界と言葉の世界
     Column 治罪法の施行にともなう判決文をめぐる取組み

第2章 法律を理解するために―法律学学習に向けての必須知識

 Ⅰ 法とは
  1 当為と存在
  2 法と道徳
   (1) 法の外面性と道徳の内面性
   (2) 強制力の有無
   (3) 法は最小限の道徳
     Column 刑法と道徳
  3 近代法思想史
   (1) 近代自然法論
   (2) イギリスにおける法実証主義
   (3) ドイツにおける法実証主義と自由法学

 Ⅱ 法源(法の存在形式)
  1 法源とは何か
  2 日本における成文法
   (1) 憲 法
   (2) 国の成文法 ―― 法律・命令・規則
   (3) 地方公共団体の成文法 ―― 条例・規則
   (4) 条 約
   (5) 法のピラミッド
  3 日本における不文法
   (1) 慣習法
    ケース① 入会集団の慣習と法の下の平等
   (2) 判例法
    ケース② 尊属殺重罰規定違憲判決
   (3) 条 理

 Ⅲ 法の種類
  1 分類の前提
   Column 六法以前
  2 公法・私法・社会法
   (1) 公法と私法
    Column 日本の前近代
   (2) 諸学説
   (3) 区分の実益
   (4) 社会法
   (5) 市民法と社会法
  3 普通法・特別法
   (1) 人を基準とする区分
   (2) 事項を基準とする区分
   (3) 場所を基準とする区分
  4 強行法・任意法
  5 実体法・手続法
  6 固有法・継受法
   Column フランス法直接継受の試み
  7 国際法・国内法

 Ⅳ 法の効力
  1 「法の効力」をめぐって
  2 法の形式的効力
   (1) 時に関する法の効力
     Column 法の公布と施行
     Column 法の終期と始期
     Column 生きている旧刑法
   (2) 人に関する法の効力
   (3) 場所に関する法の効力

 Ⅴ 法の解釈と適用
  1 法の解釈と適用
   (1) 法の解釈
   (2) 法の適用
  2 有権解釈と学理解釈
   (1) 立法解釈
   (2) 司法解釈
   (3) 行政解釈
  3 学理解釈
   (1) 文理解釈
   (2) 論理解釈
     Column 成年後見制度
  4 その他
   (1) 変更(補正)解釈
   (2) 準 用
   (3) 擬 制
  5 法解釈にあたって
   (1) 法解釈のよりどころ
   (2) 法的安定性と具体的妥当性

第3章 法律世界への実践的アプローチ

 Ⅰ わが国の司法制度をめぐって
  1 三権(立法権・行政権・司法権)分立とは
   (1) 三権分立の意義
   (2) わが国における三権分立
  2 黎明期のわが国司法制度から
   (1) 明治初期における組織の変遷
     Column 粟田口止刑事件
   (2) 司法省の設置と「司法職務定制」の制定
     Column 小野組転籍事件と明治5年司法省第46号達
   (3) 大審院の創設
   (4) 「治罪法」の制定に伴う制度変更
     Column 福島事件と玉乃世履
   (5) 裁判所官制
   (6) 裁判所構成法
     Column 大津(湖南)事件と児島惟謙

 Ⅱ 現行憲法下における司法権と裁判システム
  1 現行憲法下における司法権
   (1) 立法権との関係
   (2) 行政権との関係
   (3) 司法権の独立
     Column 特別裁判所をめぐって
  2 現行裁判システムについての基本理解
   (1) 訴訟の種類
     Column 自白と拷問
   (2) 三審制
     Column 伺・指令裁判体制と内訓条例
   (3) 裁判員制度
     Column 司法制度改革のゆくえ
   (4) 裁判所の種類とその役割
     Column 戦後の家族法改正について
   (5) 法曹三者 ―― 裁判官・検察官・弁護士
     Column 戦前における法曹一元運動と司法資格試験
     Column 戦前における検事の位置付け
     Column 出入筋と公事師・公事宿

参考文献一覧
事項索引・人名索引


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