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 地質時代の炭素循環地球温暖化シミュレーション

地球温暖化シミュレーション 地質時代の炭素循環

A5判 184ページ 上製
定価:3,200円+税
ISBN978-4-7664-2202-3 C3044
奥付の初版発行年月:2015年03月 / 発売日:2015年03月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

▼地球の気候変動をコンピュータで「予測」できるか

・炭素循環に着目したシミュレーション手法とは?
・新生代(過去6500万年)に気候が変動した原因は?
・従来の研究(プロキシ)との整合性は?
・これからの地球温暖化予測にどこまで迫れるか?

 CO2(二酸化炭素)濃度の上昇による「地球温暖化」は,現代の環境問題として扱われることが多いが,「地球温暖化」という現象は現代特有のものではない。化石分析などの実地研究によると,地球はその長い歴史において,CO2濃度の増減による温暖化と寒冷化を繰り返してきたことがわかっている。これを,コンピュータシミュレーションによって推定(再現)する手法が登場してきた。その有力なものとして,地球上の炭素の移行プロセスに注目した「炭素循環モデル」がある。
 本書では,この炭素循環モデルを使って,「新生代」(過去約6500万年)の気候変動を大胆に復元する方法を解説する。シミュレーションの基本的な考え方,計算方法,気候変動とCO2濃度の関係などがわかりやすく書かれている。
 本書で紹介する炭素循環モデルは,一般的な地球温暖化予測モデルとは一風異なっている。大陸や海底の堆積物などの炭素循環が考慮され,普遍的な気候変動を再現することができる。シミュレーションの結果は,これまでの結果と符合することもあれば,従来の仮説に新たな一石を投じることもある。

著者プロフィール

柏木 洋彦(カシワギ ヒロヒコ)

1975年生まれ。慶應義塾大学理工学部応用化学科卒業,同大学院理工学研究科開放環境科学専攻後期博士課程修了,中央大学法科大学院修了。現在は一色国際特許業務法人に勤務。博士(工学),法務博士(専門職)。

鹿園 直建(シカゾノ ナオタツ)

1946年生まれ。東京大学理学部地学科卒業,同大学院理学系研究科地質学博士課程修了。慶應義塾大学名誉教授。2004~2006年資源地質学会会長。2014年4月逝去。著書に,『地球学入門』(慶應義塾大学出版会,2006年),『地球システム環境化学』(東京大学出版会,2010年),『地球惑星システム科学入門』(東京大学出版会,2009年)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

第1章 グローバル炭素循環とは
 1.1 風化作用
 1.2 火成作用-変成作用
 1.3 植物の光合成および有機物の埋没
 1.4 有機炭素の酸化的風化
 1.5 風化フィードバック
 1.6 本章のまとめ

第2章 グローバル炭素循環モデル
 2.1 ボックスモデル
 2.2 BLAGモデル
  2.2.1 システムとマスバランス
  2.2.2 フラックス
  2.2.3 現代値および定数
  2.2.4 解法
  2.2.5 計算結果
 2.3 GEOCARBモデル
  2.3.1 システムとマスバランス
  2.3.2 フラックスおよびパラメータ
  2.3.3 解法および計算結果
 2.4 炭素循環とストロンチウムのマスバランスを結合したモデル
 2.5 本章のまとめ

第3章 プロキシによる古気候の推定
 3.1 大気CO2濃度の推定
  3.1.1 植物プランクトンの炭素同位体比に基づく推定
  3.1.2 土壌炭酸塩の炭素同位体比に基づく推定
  3.1.3 植物の気孔密度に基づく推定
  3.1.4 海成炭酸塩中のホウ素同位体比に基づく推定
  3.1.5 海洋における炭酸塩の飽和度を利用した推定
  3.1.6 海底堆積物中のセリウムに基づく推定
 3.2 海水温の推定
  3.2.1 酸素同位体比に基づく推定
  3.2.2 Mg/Ca比に基づく推定
  3.2.3 Sr/Ca比に基づく推定
 3.3 陸上気温の推定
  3.3.1 葉縁解析
  3.3.2 共生法
 3.4 本章のまとめ

第4章 新生代の気候変動
 4.1 新生代の気候変動の概要
 4.2 短期的な気候変動
  4.2.1 暁新世/始新世境界
  4.2.2 始新世/漸新世境界
  4.2.3 漸新世/中新世境界
  4.2.4 前期中新世
  4.2.5 中期中新世
 4.3 本章のまとめ

第5章 新生代の気候変動を復元する地球化学モデル
 5.1 グローバル炭素循環モデル
  5.1.1 リザーバーとマスバランス
  5.1.2 フラックス
  5.1.3 現代値
  5.1.4 解法および計算結果
 5.2 炭素循環と海水Sr同位体比変動の結合モデル
  5.2.1 海水Sr同位体比とマスバランス
  5.2.2 定数とパラメータ
  5.2.3 解法および計算結果
 5.3 本章のまとめ

第6章 新生代の大気CO2濃度と気候変動
 6.1 大気CO2濃度の変動
 6.2 大気CO2濃度と気候変動との関係
 6.3 グローバル炭素循環モデルの問題点
  6.3.1 古地理学的問題
  6.3.2 新生代の寒冷化と気候フィードバックの変化
 6.4 本章のまとめ

参考文献
おわりに
索引


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