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入門講義 キリスト教と政治

入門講義 キリスト教と政治

四六判 292ページ 並製
定価:2,400円+税
ISBN978-4-7664-2183-5 C0014
奥付の初版発行年月:2015年03月 / 発売日:2015年03月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

▼権力との関係から見えてくる〈キリスト教精神史〉。

▼古代から中世、宗教改革の時代をへて現代へ。
キリスト教は、どのように世俗の権力(国家)から影響を受け、どのように影響を与えてきたのか?
「共同性」「終末意識」などをキーワードに語りおろした、キリスト教思想史の入門書。

著者プロフィール

田上 雅徳(タノウエ マサナル)

慶應義塾大学法学部教授。1963年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。専門分野:西欧政治思想史。
著書:『初期カルヴァンの政治思想』(新教出版社、1999年)、『ヨーロッパにおける政治思想史と精神史の交叉』(共著、慶應義塾大学出版会、2008年)、『紛争と和解の政治学』(共著、ナカニシヤ出版、2013年)、『岩波講座政治哲学1 主権と自由』(共著、岩波書店、2014年)、ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 第1部 政治思想テクストとしての旧・新約聖書
第1章 旧約聖書における「共同性」
 一 共同性というメッセージ / 二 旧約聖書における「啓示」 /
 三 聖書の王制批判 / 四 「契約」が律するもの

第2章 新約聖書における「終末意識」
 一 現世と相対化する「終末意識」 / 二 イスラエルの民におけるメ
 シア / 三 イエスの言動の政治思想的意味 / 四 初代教会の成立と
 使徒パウロ / 五 終末論的日常性を生きる思想

 第2部 古代地中海世界と教会
第3章 エウセビオス
 一 宗教共同体としてのキリスト教会 / 二 アレクサンドリア学派と
 「霊肉二元論」 / 三 ニケーア公会議と三位一体論争 / 四 三位一
 体とキリスト教神学 / 五 エウセビオスによる帝政の正当化 /
 六 エウセビオス批判と歴史理解

第4章 アウグスティヌス
 一 その生涯 / 二 教会を確立する教父 / 三 時間の客観主義 /
 四 政治思想のメタ理論――歴史哲学 / 五 罪の矯正装置としての
 政治 / 六 政治共同体と終末を目指す信仰共同体

 第3部 中世教会史と政治
第5章 キリスト教帝国としての中世西欧世界
 一 教皇ゲラシウス一世の書簡 / 二 ゲラシウス理論の意義 /
 三 フランク王国の台頭 / 四 「西ローマ帝国の再生」とその意味 /
 五 中世皇帝権の確立とその問題 / 六 帝国教会政策の意義と問題

第6章 グレゴリウス改革
 一 問題設定と戦術 / 二 叙任権闘争のはじまり /
 三 叙任権闘争の終結 ―― ヴォルムス協約とシャルトル学派の貢献 /
 四 叙任権闘争の内実 / 五 教会と国家の区別 /
 六 世俗権力への介入の正当化 / 七 封建制度の再整備へ /
 八 「霊の自由」と「教会の自由」

第7章 中世盛期
 一 「ポスト・グレゴリウス改革期」における一二世紀ルネサンス /
 二 フライジングのオットーとシトー派修道会の政治思想 /
 三 オットーの両剣論 / 四 オットーの歴史観 /
 五 「中世の夏」と思想の課題 / 六 トマス・アクィナスの思想、
 その概観 / 七 トマスの人間観と共同体観 / 八 二つの支配服
 従関係 / 九 トマスの国家観 / 一〇 トマスの政治思想をどう評
 価するか

第8章 中世後期
 一 フィリップ四世 対 ボニファティウス八世 / 二 ナショナルなる
 ものの台頭 / 三 アヴィニョン期の教皇と政治 / 四 パドゥアのマ
 ルシリウス / 五 中世の政治思想、その総括

 第4部 宗教改革と「終末意識」の再生
第9章  ルター
 一 ドイツの人文主義者とルターの登場 / 二 僧院のルターと『九
 五カ条の意見書』 / 三 福音主義=信仰義認説+聖書主義 /
 四 「宗教の非政治化」と「政治の非宗教化」 /五 ルターの思想と
 家父長主義 / 六 律法と福音 / 七 ルターの教会観

第10章 カルヴァン
 一 古典研究から「突然の回心」へ / 二 初期福音主義神学の問題 /
 三 「聖化」から「義認」へ / 四 「福音」から「律法」へ /
 五 自律的なプロテスタント教会の形成へ / 六 ユグノー戦争の思想
 的背景 / 七 「主権」への希求 / 八 宗教改革期における「終末意
 識」復興とその政治思想的帰結

 第5部 近現代の教会と国家
第11章 プロテスタンティズムと敬虔主義
 一 教派の「棲み分け」と教理の体系化 /
 二 ドイツ・プロテスタンティズムの歩みと敬虔主義 /
 三 シュライエルマッハーと「絶対依存の感情」 /
 四 カント哲学とキリスト教

第12章 現代ドイツにおける神学と政治
 一 ナチスに抵抗する神学者、カール・バルト / 二 「総力戦」と
 教会への批判 / 三 「バルメン宣言」 ―― ナチス・ドイツへの不
 服従 / 四 「キリスト論的集中」と後期バルト / 五 「終末意識」
 の再構築 / 六 「赤い神学者」と戦後世代

第13章 近代アングロ・サクソン世界と宗教共同体
 一 英国国教会の成立 / 二 ピューリタニズムとイングランドの政治
 思想 / 三 アメリカの政治文化における「離脱への傾向性」 /
 四 「道徳的共同体」としてのアメリカン・コミュニティ

第14章 現代アメリカ政治とキリスト教の新潮流
 一 ニーバーとモラリズムの相対化 / 二 罪をめぐる相対的視点 /
 三 ニーバーとベトナム戦争 / 四 アメリカ福音派と終末意識 /
 五 福音派の政治的目覚め / 六 宗教と政治的メッセージ ――
 むすびにかえて

 主要参考文献
 あとがき
 索 引


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