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 パラフィクションの誕生あなたは今、この文章を読んでいる。

あなたは今、この文章を読んでいる。 パラフィクションの誕生

四六判 296ページ 並製
定価:2,000円+税
ISBN978-4-7664-2162-0 C0098
奥付の初版発行年月:2014年09月 / 発売日:2014年09月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

円城塔、伊藤計劃、筒井康隆、辻原登、舞城王太郎、ジョン・バース、コルタサル、ジーン・ウルフ――
メタフィクションの臨界点を突破する、2010年代のための衝撃のフィクション論。
 「フィクション」の「虚構性」を意識的に描き出そうとする、「メタフィクション」は、ゼロ年代に入り、ゲームとアニメ、インターネットの進化と連動しながら、あらゆるジャンルで著しい勃興を遂げた。しかし、世に氾濫する過剰な「メタ」は、或る重大な問題をはらんでいたのである。すなわち、フィクションが複雑化・階層化されるにつれ、物語の外部で操作する「作者」の絶対性は強化される、というパラドックスである。

 ところがゼロ年代後半から、「メタ」の限界を乗り越えるべく構想された作品群が登場しはじめる。それらのテクストには、「読者」に「読む」という能動的行為を要求するプログラムが内包されていた。
 本書では、そのプログラムを「近傍の/両側の/以外の/準じる/寄生する」という意味をもつ「パラ」を冠するフィクションとして名づけ、提言する。「読者」つまり「あなた」が読むたびに新たに生成されるフィクション、それが「パラフィクション」である。

著者プロフィール

佐々木 敦(ササキ アツシ)

1964年名古屋市生まれ。批評家、早稲田大学文学学術院教授、音楽レーベルHEADZ主宰。20年以上にわたり、音楽、文学、映画、演劇などの批評活動を行なう。著書に『即興の解体/懐胎』(青土社、2011年)、『未知との遭遇』(筑摩書房、2011年)、『批評時空間』(新潮社、2012年)、『シチュエーションズ』(文藝春秋、2013年)、『「4分33秒」論』(Pヴァイン、2014年)、『ex-music〈L〉ポスト・ロックの系譜』、『ex-music〈R〉テクノロジーと音楽』(共にアルテス、2014年)など多数。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

プロローグ
   パラフィクションとは何か?
   「道化師の蝶」の選評をめぐって
   メタフィクションの「問題」
   メタリアル・フィクション再考

第1部 メタフィクションを超えて?
 1 「メタフィクション」とは何か?
   メタフィクションの定義いろいろ
   自意識のフィクションと、その外部
   メタフィクションの左旋回
   由良君美のメタフィクション論
 2 『虚人たち』再読
   虚構内存在とは誰か?
   平岡正明の『虚人たち』論
   渡部直己の『虚人たち』論
   『虚人たち』から『脱走と追跡のサンバ』へ
 3 辻原登の「虚人」たち
   人称と視点
   作者たちのレイヤー
   「虚構内人物」の「自覚」とは何か?
   遊動亭円木は虚構内人物である
 4 マリー=ロール・ライアンの(メタ)フィクション論
   「……ということにしましょう」
   AW―TAW―TRW
   虚構内存在としての作者と読者
 5 ジョン・バースから竹本健治へ
   「虚構内虚構」の幾つかのパターン
   ジョン・バースの「枠組物語」
   メタフィクションとしての『匣の中の失楽』
 6 「ゲーム的リアリズム」再考
   『九十九十九』の分裂?
   「現実」を肯定する?
   メタフィクションとしての「イキルキス」&「ビッチマグネット」
   「日本的メタフィクション」の起源?
 7 「メタフィクション」の何が問題なのか?
   『虚構内存在』の「虚構内存在」
   「作者」から「読者」へ

第2部 パラフィクションに向かって
 8 「あなたは読者である」
   二つの掌篇
   二人称小説とは何か?
   「爪と目」は二人称小説か?
 9 パラフィクションとは何か?
   「読者」の創出
   他者言及機関としての小説
   README
10 書く者と書かれる者/読む者と読まれる者
   「屍者」の帝国へ/から
   「わたし」の物語
11 パラフィクションとしての『屍者の帝国』
   ヒズ・ボーイ・フライデー
   フライデーとは誰か?
12 日本・現代・SF
   「雪風」的な世界
   「言葉使い師」の憂鬱

エピローグ
   あとがき
   参照文献
   作品名索引
   人名索引


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