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宋代民事法の世界

宋代民事法の世界

A5判 416ページ 上製
定価:8,000円+税
ISBN978-4-7664-2160-6 C3022
奥付の初版発行年月:2014年08月 / 発売日:2014年08月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

▼司法の性格を解明する、最新の研究成果
中国・宋代(960-1279)における司法の性格はどのようなものだったのか。本書は、人々の慣習や気風などの民事訴訟に影響を及ぼす要素を、江西地域の実態に則して手堅い実証で解き明かし、経済社会と訴訟とのかかわりを様々な角度から検討する。さらに、研究史を網羅してそれらを批判的に検討。宗族、文学研究などの内外における研究動向を踏まえつつ、ユーラシア的スケールから唐宋変革論への新たな視座を提供する。

著者プロフィール

青木 敦(アオキ アツシ)

青山学院大学文学部教授、博士(文学)。
1964年東京生まれ。1994年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。東京大学東洋文化研究所助手、岡山大学文学部専任講師、同助教授、大阪大学大学院文学研究科助教授、同准教授を経て、2010年より現職。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

凡例

第一章 宋朝と長江中下流域
 緒言
 第一節 宋朝の統治領域
 第二節 江西の法文化
 第三節 宋朝の法令準拠主義と新法の含意
 本書のねらい

第二章 珥筆の民
 緒言
 第一節 近年の健訟論
 第二節 宋代江西の健訟
 (1) 訟学
 (2) 健訟イメージの変化
 第三節 健訟イメージの経済的背景
 (1) 社会の訴訟状況
 (2) 江西の判語に見る法律判断
 (3) 人口動態の概観
 第四節 江西の士風・民風・学風
 小結

第三章 『清明集』名公と法利用
 緒言
 第一節 判決者による差異
 第二節 偏差の背景
 小結

第四章 宋代民事法事例一 ―― 抵当関係法
 緒言
 第一節 宋代における抵当慣行
 第二節 抵当関連法律条文
 第三節 「農田勅」と宋朝の姿勢の変化
 第四節 関連する判語
 結語
 付録

第五章 宋代民事法事例二 ―― 土地典売法
 緒言
 第一節 判語に頻見される法条
 第二節 法利用の具体的検討
 (1) 「二〇年規定」
 (2) 親族・鄰地先買権
 (3) 「准折禁止規定」
 小結

第六章 宋代民事法事例三 ―― 女子分法
 緒言
 第一節 論争史
 第二節 現実慣習と法の関係
 第三節 女子の股分
 小結
 付記 関連する若干の論点

第七章 宋代法令拾遺試論一 ―― 南宋判語所見条文
 緒言
 第一節 判語所引法律の分類
 第二節 判語所引法律条文一覧
 第三節 既知の法典との比較
 (1) 『慶元条法事類』との関係
 (2) 判語法の由来
 小結

第八章 宋代法令拾遺試論二 ―― 特定地方の法
 緒言
 第一節 地方法の位置づけ
 第二節 地方における法の利用とその法典化
 (1) 靖康の変後の法源収集
 (2) 南宋中期の状況
 (3) 地方の慣習と法
 第三節 女子分法再論 ―― 民間慣習の法への浸透
 小結

第九章 闘う民政官
 緒言
 第一節 文明と野蛮
 第二節 「敵対者」の視点
 第三節 南宋初期反乱勢力概観
 第四節 扶寇の事例
 第五節 官位の利用
 小結

第一〇章 江西における文明の領域
 緒言
 第一節 宋元代撫州の経済景況と名族
 (1) 撫州概観
 (2) 撫州の名族と楽氏
 第二節 宜黄楽氏の軌跡
 (1) 宋初
 (2) 南宋中期
 (3) 南宋末期『清明集』所載事例
 (4) 南宋末期『黄氏日抄』所載事例
 第三節 王朝の財政政策と修譜・収族
 小結

第一一章 宋朝の定位一 ―― 開発と社会変化
 緒言
 第一節 ハートウェルによる人口動態の概観
 第二節 土地稀少化の理論的系譜
 (1) 趙岡の農業経営論
 (2) 「ニーダムの難題」と高人口土地比率
 (3) 近代化阻害に関するグローバル・ヒストリーからのアプローチ
 第三節 長江中~上流域の地主佃戸問題
 第四節 正規税制の変化への諸理解
 小結

第一二章 宋朝の定位二 ―― 近世論と唐宋変革論
 緒言
 第一節 ユーラシアの近世・中国の近世
 (1) アジアにおける「近世」
 (2) 中国の「先進性」
 (3) 脱西欧・脱中国
 第二節 唐宋変革論の思想史的背景
 (1) 文化中国
 (2) 地理中国
 第三節 南北支那論
 第四節 唐宋変革論再考
 おわりに

 あとがき
 参考文献

 索引


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