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 修道制の刷新と西洋中世社会十二世紀宗教改革

十二世紀宗教改革 修道制の刷新と西洋中世社会

A5判 712ページ 上製
定価:9,000円+税
ISBN978-4-7664-2134-7 C3022
奥付の初版発行年月:2014年06月 / 発売日:2014年06月上旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

中世宗教学の金字塔
『ベネディクトゥス戒律』 への回帰、
その西欧修道理念に基づく生活への回帰に、
十二世紀宗教改革の真の姿を見る。

「宗教改革」 とはかつて、十六世紀初頭におけるローマ・カトリックの 「腐敗」 に対して異論や批判を唱えるプロテスタント思想家とそれに同調する人々によるキリスト教内の新宗派確立の動きを指していた。しかし、こうしたプロテスタント諸勢力の登場により、キリスト教は救われ、ヨーロッパもまた初期近代世界へと移行したとする旧説は撤回されねばならない。プロテスタント諸派やそれを受け入れた諸国家が改革を進めていたのと同様に、同時期にカトリック側も改革を進め、ギリシャ正教会でも本山のコンスタンティノープルがオスマン帝国の手に陥落するという大事件を受けて大きな変化を経験することになった。宗教改革にとってルターの登場が一つの契機となったことは確かだが、改革運動は、それぞれのセクトのなかで進展していたのである。

本書 『十二世紀宗教改革』 も、本質的にこうした近年の十六世紀宗教改革の捉え方と同じ方向性を持つ。つまり、一般に流布しているシトー会による刷新のみに焦点を当てるのではなく、いずれもその淵源をたどれば、修道生活の成立以来流布していたさまざまな規定をもとに六世紀にモンテ・カッシーノ修道院で成立した 『ベネディクトゥス戒律』 の読み直しへと辿り着く、「黒い修道士」 たちの 「内部からの」 制度的また精神的改革をさして 『十二世紀宗教改革』 のメインテーマへと帰着するのである。

『ベネディクトゥス戒律』 への回帰、その西欧修道理念に基づく生活への回帰に、十二世紀宗教改革の真の姿を見る中世宗教学の金字塔。

著者プロフィール

ジャイルズ・コンスタブル(Giles Constable)

プリンストン高等研究所名誉教授
1929年ロンドン生。PhD(ハーヴァード大学)。アイオワ大学教授、ハーヴァード大学教授、同付属ダンバートン・オークス研究所所長、プリンストン高等研究所教授を歴任。アメリカ中世学会やアメリカ哲学協会のフェローに加え、フランスの碑文文芸学士院、イタリアのリンチェイ国立学士院、ドイツのバイエルン学士院、イギリス学士院外国人会員などもつとめる、名実ともに中世宗教史の泰斗である。著作に Monastic Tithes from their Origins to the Twelfth Century (Cambridge, 1964), The Letters of Peter the Venerable, 2 vols.(Cambridge, Mass, 1967), Renaissance and Renewal in the Twelfth Century, ed. with Robert Benson (Cambridge, Mass, 1982), Three Studies in Medieval Religious and Social Thought (Cambridge, 1995), The Reformation of the Twelfth Century (Cambridge, 1996), Crusaders and Crusading in the Twelfth Century (Farnham, 2008) 他。

高山 博(タカヤマ ヒロシ)

東京大学大学院人文社会系研究科教授
1956年福岡県生。東京大学文学部、同大学院人文社会系研究科を経て、米国エール大学大学院博士課程修了。PhD(エール大学)。一橋大学経済学部助教授を経て、1993年、東京大学文学部助教授、2004年、同大学院教授。著作に The Administration of the Norman Kingdom of Sicily (Leiden, 1993)、『中世地中海世界とシチリア王国』(東京大学出版会、1993年、サントリー学芸賞)、『神秘の中世王国』(東京大学出版会、1995年)、『中世シチリア王国』(講談社、1999年)、『知とグローバル化』(勁草書房、2003年)、『ヨーロッパとイスラーム世界』(山川出版社、2007年)、『地中海世界の歴史 古代から近世』(本村凌二と共著、放送大学教育振興会、2009年)他。

小澤 実(オザワ ミノル)

立教大学文学部准教授
1973年愛媛県生。東京大学大学院人文社会系研究科単位取得退学。著作に、『辺境のダイナミズム』(薩摩秀登・林邦夫と共著、岩波書店、2009年)、『イタリア古寺巡礼 シチリア→ナポリ』(金沢百枝と共著、新潮社、2012年)、『知のミクロコスモス』(ヒロ・ヒライと共編、中央公論新社、2014年)他。

図師 宣忠(ズシ ノブタダ)

近畿大学文芸学部専任講師
1975年兵庫県生。京都大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(京都大学)。論文に、「中世都市の描き方――南フランスにおける都市の表象とアイデンティティ」白幡洋三郎他編『都市歴史博覧 都市文化のなりたち・しくみ・たのしみ』(笠間書院、2011年)、「13世紀都市トゥールーズにおける「異端」の抑圧と文書利用」『史林』95-1(2012年)他。

橋川 裕之(ハシカワ ヒロユキ)

静岡県立大学国際関係学部講師
1974年広島県生。京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(京都大学)。論文に、「初期オスマン社会に生きるギリシャ人」森原隆編『ヨーロッパ・「共生」の政治文化史』(成文堂、2013年)、「プロコピオス『秘史』――翻訳と註(1)」『早稲田大学高等研究所紀要』(村田光司との共訳、5号、2013年)他。

村上 司樹(ムラカミ モトキ)

摂南大学、滋賀県立大学非常勤講師
1973年愛媛県生。東京都立大学大学院人文科学研究科修了。博士(東京都立大学)。論文に、「11世紀前半カタルーニャ地方における修道院の「危機」とその所領政策」『史学雑誌』113-6(2004年)、 'La formación de relaciones individuales en torno al monasterio de Sant Cugat del Vallès en la sociedad local hacia el año mil', in M. Isabel del Val Valdivieso et al. (ed.), Castilla y el mundo feudal. Homenaje al profesor Julio Valdeón, vol. I , Valladolid, 2009他。

上記内容は本書刊行時のものです。

[著者]
ジャイルズ・コンスタブル(Giles Constable)
プリンストン高等研究所名誉教授

[監訳者]
高山博(たかやま ひろし)
東京大学大学院人文社会系研究科教授

[訳者]
小澤実(おざわ みのる)
立教大学文学部准教授

図師宣忠(ずし のぶただ)
近畿大学文芸学部専任講師

橋川裕之(はしかわ ひろゆき)
静岡県立大学国際関係学部講師

村上司樹(むらかみ もとき)
摂南大学、滋賀県立大学非常勤講師

目次

 日本語版刊行に際して  ジャイルズ・コンスタブル
 序文
 監訳者序文  高山 博
 省略記号一覧
 凡例

第1章 導 入
第2章 さまざまな改革者
第3章 改革の類型とその条件
第4章 改革のレトリック
第5章 改革の現実1 共同体内の変動
第6章 改革の現実2 修道活動と世俗社会
第7章 改革の霊性
第8章 十二世紀社会のなかで

 訳者解説 十二世紀変革論の現在  小澤 実

 註
 研究文献目録
 教皇文書索引
 聖書章句索引
 事項索引


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