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―メディアを目指す人たちへ報道人の作法

報道人の作法 ―メディアを目指す人たちへ

四六判 304ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-2108-8 C0036
奥付の初版発行年月:2014年02月 / 発売日:2014年02月下旬

内容紹介

▼メディア志望者・若手ジャーナリスト必読!!

新聞・テレビで数々の報道現場を歩んできた著者が、取材活動の基本から具体的注意事項、報道倫理までを伝授。
〈現場でしか学べない取材手法や経験則〉、〈報道史に残る過去の不祥事・失敗例〉を紹介。
報道に携わるなら必ず知っておきたい作法と技術をまとめた1冊。

著者プロフィール

伊藤 友治(イトウ ユウジ)

株式会社TBSラジオ&コミュニケーションズ取締役編集主幹

1953年(昭和28年)福島県郡山市生まれ。早稲田大学第一政治経済学部政治学科卒業。
株式会社毎日新聞社入社。浦和支局、東京本社編集局外信部を経て、1987年秋からアフリカ特派員(ジンバブエ・ハラレ支局長)、中東移動特派員として湾岸危機・戦争の報道に従事。
1992年1月TBS入社。報道局外信部、プノンペン支局長、外信デスク、ロンドン(欧州総局)支局長、外信部副部長、社長秘書役を経て2000年6月から2005年5月まで外信部長。その他、編成考査局審査部長、コンプライアンス室長、編成考査局長、2011年6月から現職。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はじめに

序 章 報道人を目指す人たちへ
  一.記者として / 二.元「一・五流」記者の思い /
  三.報道人を目指す人たちに三つの助言

第一章 報道人の作法
 Ⅰ.報道と取材
  一.報道とは真実という円に内接の多角形を描くこと /
  二.円(真実)に近い多角形を描くことの難しさ
 Ⅱ.報道人の心構え
  一.職業倫理 / 二.危険と隣り合わせの仕事 /
  三.礼儀作法

第二章 取材の作法
 Ⅰ.取材とは
  一.正確さの追求 / 二.付加価値を高める /
  三.得たものを取捨選択する
 Ⅱ.取材の基本的な作法
  一.主題探し / 二.取材の準備 / 三.取材の申し込みと交渉 /
  四.取材の当日 / 五.取材から報道まで / 六.報道を終えて
 Ⅲ.インタビュー取材の作法
  一.インタビューの狙いと目的 / 二.取材の申し込みと準備 /
  三.実際の取材 / 四.まとめの作業=取捨選択と順番の決定 /
  五.報道を終えて
 Ⅳ.インタビュー記事について考える
  一.2本の記事 / 二.インタビュー記事に学ぶことの大切さ

第三章 「駆け出し」報道人の作法
 Ⅰ.まずは「駆け出し」から
  一.駆け出し方の違い=全国紙型と民法キー局型 /
  二.駆け出し時代の大切さ
 Ⅱ.必須科目とも言える3分野の取材
  一.警察取材と事件報道 / 二.スポーツ取材 / 三.街ダネ取材
 Ⅲ.多様な取材・報道の作法
  一.「発生もの」の取材 / 二.事例から学ぶ取材

第四章 新聞とテレビ、取材・報道作法の違い
 Ⅰ.テレビ報道大先輩の言葉
  一.「テレビの記者は新聞記者より大変だよ」 /
  二.大先輩が意味したこと /
  三.カンボジアで学んだこと /
  四.顔や体もニュースの一部(構成要素)
 Ⅱ.テレビ報道の取材、その位置付け
  一.番組中心の報道に変貌 / 二.卸問屋と店舗の関係 /
  三.漁師と板前の関係 / 四.増える板前と不足する漁師

第五章 報道人の文章作法
 Ⅰ.報道の文章
  一.取材が第一 /
  二.記事・原稿の執筆、それは取材の内容を反芻すること
 Ⅱ.報道における「良い文章」とは
  一.日本語として正しい文章 / 二.短くてわかり易い文章 /
  三.紋切り型の言い回しや慣用句を避ける /
  四.〝 〟(チョンチョンかっこ)は使わない /
  五.氾濫する外来語(カタカナ用語) /
  六.レッテル貼りの危うさ /
  七.言葉選びの大切さ /
  八.声に出して読んでみる
 Ⅲ.演習=実際のニュース原稿を検証する

第六章 不適切な取材・報道をしないための作法――過去の事例に学ぶ
 Ⅰ.報道人の職業倫理
  一.情報を管理する責任 / 二.取材源の明示 /
  三.取材源の秘匿 / 四.盗作・剽窃
 Ⅱ.取材現場でのモラル
  一.現場での違反行為 / 二.状況にふさわしい取材方法 /
  三.取材か救助か
 Ⅲ.政治権力(政治家)との向き合い
 Ⅳ.捜査当局との関係
  一.報道活動と通報 / 二.警察など捜査機関からの協力要請
 Ⅴ.取材先との関係
  一.取材謝礼 /
  二.取材先からの接待、個人的な特典や贈物の受理、便宜供与など
 Ⅵ.取材とプライバシー・肖像権
  一.名誉毀損 / 二.プライバシーの侵害 / 三.肖像権の侵害
 Ⅶ.少年の取材
  一.少年事件における容疑者の実名、写真等の匿名報道 /
  二.児童や中学生のインタビュー
 Ⅷ.事故や事件の取材
  一.被害者・遺族らの取材 /
  二.容疑者・当事者の近親者への取材 /
  三.容疑者、あるいは容疑者になり得る人物の取材 /
  四.容疑者、あるいは容疑者になり得る人物のインタビュー
 Ⅸ.犯罪の取材
  一.同行・密着取材 / 二.違法行為の取材と通報 /
  三.違法行為を伴う取材
 Ⅹ.映像や写真の撮影
  一.街頭での撮影 / 二.公共の場所での撮影 / 三.建物の撮影
 Ⅺ.隠し撮り(隠し録り)
  一.隠しカメラ・隠しマイク / 二.逮捕前の隠し撮り /
  三.電話録音・聴き取り取材の無断録音 / 四.無線録音 /
  五.インターフォン取材

第七章 報道される側の痛み
 Ⅰ.報道被害
  一.被害の重大性 / 二.被害回復の難しさ /
  三.「報道する側」に求められる真摯な対応 /
  四.報道被害を出さないために
 Ⅱ.疋田報告書『ある事件記事の間違い』
  一.朝日新聞編集委員の問題提起 / 二.事実関係と問題点の指摘 /
  三.記事と公判記録の食い違い /
  四.疋田報告書の提言(事件報道を変える手がかり)/
  五.「疋田報告書」を読んで――私の体験 /
  六.「疋田報告書」は今の事件報道に活かされているか? /
  七.新聞記者、疋田桂一郎さんから学ぶこと

第八章 誤報と虚報
 Ⅰ.読売「iPS心筋移植、初の臨床応用」記事について
  一.問題記事の顚末 / 二.問われるべきは、記者の取材力
 Ⅱ.共同通信による誤報の影響
  一.配信記事と、メディアの使用責任 /
  二.新聞紙面を画面で紹介するテレビ局の責任
 Ⅲ.写真の取り違えについて
  一.事件・事故の関係者の名前と顔写真の大切さ /
  二.100%の確証がない写真を使用 /
  三.写真を手に入れることの難しさ /
  四.映像の取り違え――民放局テレビ報道の危うさ
 Ⅳ.誤報の事例から読み取る教訓
  一.『バンキシャ!』問題 / 二.週刊新潮の誤報問題 /
  三.週刊新潮の検証記事について
 Ⅴ.取材者の人間力
  一.大切な眼力と嗅覚力 / 二.眼力と嗅覚力を磨くための手立て
 Ⅵ.取材力に磨きをかけるための作法
  一.心掛けるべき四カ条 / 二.餅は餅屋
 Ⅶ.虚偽報道(虚報、捏造報道)

第九章 報道不信とメディア不信
 Ⅰ.報道活動に向けられる厳しい目
 Ⅱ.「報道の自由」と「報道されない自由」
  一.取材、報道の忌避 / 二.報道の掲げる理念と姿勢 /
  三.メディアの「報道理念」、「あるべき論」に反発する声 /
  四.「報道理念」「役割」の堅持か、「生活者目線」か? /
  五.問われるべきはメディア側の対応


 主な参考文献・資料


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