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憲法の優位

慶應義塾大学法学研究会叢書84
憲法の優位

A5判 384ページ 上製
定価:6,000円+税
ISBN978-4-7664-1997-9 C3032
奥付の初版発行年月:2012年11月 / 発売日:2012年11月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

ドイツ憲法学の主要問題に切り込む。
▼ドイツ立憲主義の確立期、基本法下における立憲主義の完成期、そしてグローバル化・ヨーロッパ化の中での国民国家の変容という3つの観点から、立憲主義研究の第一人者として知られるライナー・ヴァール教授の著作を編成。立憲主義の確立から将来像まで、その変容を骨太に描き出す! 気鋭の憲法学者小山剛教授が編成・監訳した注目の論文集。

▼憲法の優位を維持しつつ連邦憲法裁判所に抑制を求めるヴァール教授の見解は、ドイツはもとより、日本でも高い関心と共感が寄せられている。また、ヨーロッパ化、グローバル化の進むドイツにおいては、国民国家や憲法といった基本観念にまで変容が生じうるとし、公法発展の新しい段階としてその概要の分析・考察を行うヴァール教授の著作からは、今後グローバル化に直面していく日本の公法学は多くを学ぶことができる。

著者プロフィール

ライナー・ヴァール(Rainer Wahl)

1941年生まれ。1969年にハイデルベルク大学より法学博士号を、1976年にビーレフェルト大学より教授資格を授与されている。ボン大学教授を経て、1978年より2006年までフライブルク大学公法学講座教授。1998年~99年、ベルリン高等研究所(Wissenschaftskolleg in Berlin)研究員を兼務。1998年以降、日独憲法学シンポジウムをドイツ側代表者として定期的に主催。

小山 剛(コヤマ ゴウ)

慶應義塾大学法学部教授

上記内容は本書刊行時のものです。

【著者】

ライナー・ヴァール(Rainer Wahl)


【訳者】(掲載順)

小山 剛(監訳者)

(慶應義塾大学法学部教授)

斎藤 誠

(東京大学大学院法学政治学研究科教授)

上村 都

(新潟大学法学部准教授)

野呂 充

(大阪大学大学院高等司法研究科教授)

石塚壮太郎

(慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程)

柴田 憲司

(東洋大学法学部非常勤講師)

宮地 基

(明治学院大学法学部教授)

岡田 俊幸

(日本大学大学院法務研究科教授)

栗城 壽夫

(聖学院大学大学院特任教授・東亜大学大学院客員教授・大阪市立大学名誉教授・
上智大学名誉教授)

岩間 昭道

(法政大学大学院法務研究科教授)

石村 修

(専修大学大学院法務研究科教授)

玉蟲 由樹

(福岡大学法学部教授)

鈴木 秀美

(大阪大学大学院高等司法研究科教授)

三宅 雄彦

(埼玉大学経済学部教授)

目次

序 言

Ⅰ 公法の50年間の発展
 A. 現行公法史は何のためにあるのか?
 B. 50年代の公法建設期
  Ⅰ. 建設期における法のメルクマール
  Ⅱ. 法発展の第一段階における公法の構造メルクマール
 C. 建設期後の法発展―社会の変動および新しい国家任務への回答
  Ⅰ. 社会の変遷――新しい国家任務――法の複合的リアクション
  Ⅱ. 計画と、地域的計画に関する法
  Ⅲ. 環境保護と環境法
  Ⅳ. リスク
  Ⅴ. 民営化――規制緩和――迅速化
 D. ヨーロッパ化と国際化――基本法の下における公法の第二期
  Ⅰ. ヨーロッパ化という根本現象――自律的法秩序から一構成国
     の法秩序への変遷
  Ⅱ. 比較現象としての憲法化とヨーロッパ化
  Ⅲ. 国内法秩序の間および国内法秩序と共同体法秩序との間の
     相互作用
 E. 結語

Ⅱ 立憲国家の歴史的考察
 第1章 1866年までのドイツにおける立憲国家の発展
  Ⅰ. ドイツにおける立憲国家の成立
  Ⅱ. 1866年までの立憲君主制の発展の諸段階
 第2章 19世紀ドイツ立憲主義とワイマール時代における立憲国家性
  Ⅰ. 立憲国家化の限界としての立憲主義における二重の正当性原理
  Ⅱ. 立憲主義と憲法裁判権
  Ⅲ. 法律に対する憲法の優位
  Ⅳ. ワイマール共和国における憲法と憲法裁判権
  Ⅴ. 基本法の観点からみた立憲主義
 第3章 19世紀ドイツ立憲主義における基本権の法的効果と作用
  Ⅰ. 超憲法としてのフランス人権宣言
  Ⅱ. 政治的進路規定・目標規定としての、19世紀における基本権
  Ⅲ. 19世紀における基本権政策の種々の段階

Ⅲ 憲法の優位と憲法裁判権
 第1章 憲法の優位
  Ⅰ. 憲法の優位と憲法裁判権
  Ⅱ. 1933年以前のドイツと比較したアメリカモデル
  Ⅲ. 優位原理を有する憲法秩序と有しない憲法秩序
  Ⅳ. 別の憲法理解と優位の範囲
  Ⅴ. 部分憲法の理論による憲法の充塡
  Ⅵ. 憲法裁判権から帰結される諸問題
 第2章 憲法の優位と法律の独自性
  Ⅰ. 問題の設定
  Ⅱ. 基本法の法的効用と憲法の政治作用の問題
  Ⅲ. 憲法と法律との現実の関係に見られる様々な段階
  Ⅳ. 所有権を例にした個別の法分野における憲法の優位の有意性
  Ⅴ. 法律にとって憲法の優位から生じる次なる問題
  Ⅵ. 憲法と法律の関係に関する現下の議論
 第3章 憲法と家族法――やっかいな血縁関係
  Ⅰ. 憲法と家族法との関係における多様な状況
  Ⅱ. 立法および憲法判決の対象としての重要な家族法上の問題領域
  Ⅲ. 優位性
 第4章 ヨーロッパ化、国際化と連邦憲法裁判所
  Ⅰ. 憲法裁判権の発展
  Ⅱ. 憲法裁判権の状況の概観
  Ⅲ. ヨーロッパの文脈における連邦憲法裁判所
 第5章 国家の変遷――主権の装甲をこじ開ける
  Ⅰ. 多重レベルシステムとしての世界の法的構造
  Ⅱ. 閉じた国民国家という類型――明確な境界を持つ国家
  Ⅲ. 開かれた国家という現代の国家類型
  Ⅳ. 国家の外の領域に開くことに関する憲法諸条項の体系化
  Ⅴ. 国際機構の高権に関する開放条項
  Ⅵ. 国際機構への加盟
  Ⅶ. 国際法につき国家を開放すること
  Ⅷ. 国家・EU・国際レベルの全体状況

監訳者あとがき
初出一覧


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