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 ― 回想と書評井筒俊彦とイスラーム

井筒俊彦とイスラーム ― 回想と書評

四六判 464ページ 上製
定価:5,000円+税
ISBN978-4-7664-1969-6 C3010
奥付の初版発行年月:2012年10月 / 発売日:2012年10月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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内容紹介

イスラーム研究家・井筒俊彦の足跡を辿る。

▼井筒俊彦(1914~93)のキャリアの初期から晩年までを、イスラーム学徒・教育者としての側面から回顧し、戦前戦中から彼が亡くなる1990年代にいたるまでの、国内外の研究者との交流や組織とのかかわりを掘り起こす5本のインタビューを掲載。あわせて、その著作を、主に戦後イスラーム研究史の観点から紹介する。

▼偉大な思想家としての側面だけではなく、普段着の井筒俊彦にまで肉薄する、アーカイヴの試み。

著者プロフィール

坂本 勉(サカモト ツトム)

慶應義塾大学名誉教授。
1945年生まれ。1975年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。
『イスラーム巡礼』(岩波書店、2000年)、『ペルシア絨毯の道』(山川出版社、2003年)、『トルコ民族の世界史』(慶應義塾大学出版会、2006年)、『日中戦争とイスラーム』(編、慶應義塾大学出版会、2008年)、など。

松原 秀一(マツバラ ヒデイチ)

慶應義塾大学名誉教授、フランス国立ポワティエ大学名誉博士、レジオンドヌール勲章(シュヴァリエ)受勲。
1930年生まれ。1954年、慶應義塾大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。
『ことばの背景――単語から見たフランス文化史』(白水社、1974年)、『中世の説話――東と西の出会い』(東京書籍、1979年)、『西洋の落語――ファブリオーの世界』(東京書籍、1988年)、『異教としてのキリスト教』(平凡社、1990年)、など。

上記内容は本書刊行時のものです。

【編者】

坂本 勉(さかもと つとむ)

慶應義塾大学名誉教授。


松原 秀一(まつばら ひでいち)

慶應義塾大学名誉教授、フランス国立ポワティエ大学名誉博士、レジオンドヌール勲章(シュヴァリエ)受勲。


【執筆者】(掲載順)

黒田 壽郎(くろだ としお)

国際大学名誉教授。

1933年生まれ。1967年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程東洋史専攻単位取得退学。

『イスラームの反体制――ハワーリジュ派の世界観』(未来社、1991年)、『イスラームの構造』(書肆心水、2004年),ムハンマド・アッ=タバータバーイー『現代イスラーム哲学――ヒクマ存在論とは何か』(訳、書肆心水、2010年。2012年イラン・イスラーム共和国優秀翻訳賞)、ワーエル・B・ハッラーク『イスラーム法理論の歴史――スンニー派法学入門』(訳、書肆心水、2010年)、など。


湯川 武(ゆかわ たけし)

慶應義塾大学名誉教授、早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員。

1941年生まれ。カイロ・アメリカ大学大学院アラブ研究科、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退。

イブン・タイミーヤ『イスラーム政治論――シャリーアによる政治』(中田考と共訳、日本サウディアラビア協会、1991年)、『イスラーム国家の理念と現実』(編著、栄光教育研究所、1995年)、アル=マーワルディー『統治の諸規則(改訳改訂)』(訳、慶應義塾大学出版会、2006年)、『イスラーム社会における知識の伝達』(山川出版社、2009年)、など。


岩見 隆(いわみ たかし)

元慶應義塾大学言語文化研究所非常勤講師。

1940年生まれ。1978年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程中退。

『日本国ペルシア語文献所在総目録』(東洋文庫、井谷鋼造、志茂碩敏、関喜房、八尾師誠との共編、第1・2巻、紀伊国屋書店、1983年)、『井筒俊彦文庫目録 アラビア語・ペルシア語図書の部』(編、慶應義塾図書館、2003年)、など。


高田 康一(たかだ こういち)

慶應義塾大学非常勤講師。

1963年生まれ。1996年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。

「歴史家としてのタバリー」(『イスラム世界』47号、1996年)、イブン・イスハーク『預言者ムハンマド伝』(後藤明・医王秀行・高野太輔と共訳、1-4巻、岩波書店、2010-2012年)、など。


尾崎 貴久子(おざき きくこ)

防衛大学校総合教育学群外国語教育室准教授、博士(学術)。

1969年生まれ。1996年、東京外国語大学大学院地域文化研究科博士後期課程修了。

「元代の日用類書『居家必用事類』にみえる回回食品」(『東洋学報』第88巻第3号、2006年)、「中世ヨーロッパの料理書にみられるアラビア語名食品」(『防衛大学校紀要(人文科学編)』第100号、2010年)、「イスラームの医と食」(『東洋学術研究』第51巻第1号、2012年)、など。


松本 耿郎(まつもと あきろう)

聖トマス大学特任教授。

1944年生まれ。1972年、早稲田大学大学院文学研究科西洋哲学博士課程単位取得退学。

「後期イスラーム哲学とスコラ哲学」(『岩波講座 東洋思想』第3巻、イスラーム思想1、1989年)、『イスラーム政治神学――ワラーヤとウィラーヤ』(未来社、1993年)、『Consciousness and Reality:Studies in memory of Toshihiko Izutsu』(共著、岩波書店、1998年)、『ペルシャ存在-性論集』(ビブリオ書店、2002年)、など。


野元 晋(のもと しん)

慶應義塾大学言語文化研究所教授、Ph.D.

1961年生まれ。2000年、マギル大学(カナダ・モントリオール)大学院博士課程修了(Ph.D.)。

“Early Ismā⁽īlī Thought on Prophecy According to the Kitāb al-Islāh by Abū Hātim al-Rāzī(d.ca.322/934-5)” (Ph.D.dissertation,McGill University,Montréal,1999)、『哲学の歴史』第3巻(神との対話[中世]、共著、責任編集:中川純男、中央公論新社、2008年)、“An Early Ismā⁽īlī-Shī⁽ī Thought on the Messianic Figure (the Qā⁾im) according to al-Rāzī(d.ca.322/933-4),”Orient(欧文版)44(2009):pp.19-39など。


ヘルマン・ランドルト(Hermann LANDOLT)

マギル大学名誉教授・イスマーイール派研究所(英国・ロンドン)上級研究員、Ph.D.

1935年生まれ。バーゼル大学(スイス)大学院修了(Ph.D.)。

Correspondence spirituelle échangée entre Nûroddîn Esfarâyenî (ob.717/1317) et son disciple ‘Alâ 'oddowleh Semnânî (ob.736/1336) , Texte persan publié avec une introduction.Tehran:Départment d'iranologie de l'institut franco-iranien/Paris:Adrien-Maisonneuve,1972 (テクスト校訂と研究) ,Nûroddîn Esfarâyenî, Le Révélateur des mystères-Kâshif al-Asrâr , Text persan publié avec deux annexes,traduction et étude préliminaire.Lagrasse:Verdier,1986( テクスト校訂、翻訳と研究),Recherches en spiritualité iranienne:Recueil d'articles.Tehran:Presse universitaires d'Iran/Institut français de recherche en Iran,2005(単行書)、など。


鈴木 孝夫(すずき たかお)

慶應義塾大学名誉教授。

1926年生まれ。1950年、慶應義塾大学文学部英文学専攻卒業。

『ことばと文化』(岩波書店、1973年)、『閉された言語・日本語の世界』(新潮選書、1975年)、『人にはどれだけの物が必要か』(飛鳥新社、1994年)、『鈴木孝夫著作集』(全8巻、岩波書店、1999-2000年)、など。


大河原 知樹(おおかわら ともき)

東北大学大学院国際文化研究科准教授、博士(史学)。

1966年生まれ。2000年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学。

「イスラーム法廷と法廷史料」(林佳世子・桝屋友子編『記録と表象―史料が語るイスラーム世界』(東京大学出版会、2005年)、「歴史人口学で見たシリアの都市社会――ダマスカスの結婚性向の計量分析」(『東洋史研究』65-4、2007年)、『オスマン民法典(メジェッレ)研究序説』(共編著、人間文化研究機構(NIHU)プログラム イスラーム地域研究東洋文庫拠点、2011年)、「オスマン帝国の税制近代化と資産税――19世紀前半のダマスカスの事例」(鈴木薫編『オスマン帝国史の諸相』山川出版社、2012年)、など。


後藤 明(ごとう あきら)

東京大学名誉教授。

1941年生まれ。1967年、東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。

『ムハンマドとアラブ』(東京新聞出版局、1980年)、『メッカ』(中央公論社、1991年)、『イスラーム歴史物語』(講談社、2001年)、イブン・イスハーク『預言者ムハンマド伝』(医王秀行・高田康一・高野太輔と共訳、1-4巻、岩波書店、2010-2012年)、など。


大川 玲子(おおかわ れいこ)

明治学院大学国際学部准教授、博士(文学)。

1971年生まれ。2003年、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程修了。

『聖典「クルアーン」の思想――イスラームの世界観』(講談社現代新書、2004年)、『図説コーランの世界――写本の歴史と美のすべて』(河出書房新社、2005年)、M・クック『コーラン』(訳、岩波書店、2005年)、『イスラームにおける運命と啓示――クルアーン解釈書に見られる「天の書」概念をめぐって』(晃洋書房、2009年)、など。


牧野 信也(まきの しんや)

東京外国語大学名誉教授、文学博士。

1930年生まれ。1960年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程修了。

『創造と終末』(新泉社、1972年)、『ハディース イスラーム伝承集成』(訳、上・中・下巻、中央公論社、1993-1994年。2001年に中公文庫全6巻として再刊)、『イスラームの原点』(中央公論社、1996年)、『イスラームの根源をさぐる』(中央公論新社、2005年)、など。


長谷部 史彦(はせべ ふみひこ)

慶應義塾大学文学部教授。

1962年生まれ。1991年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。

『岩波講座世界歴史10イスラーム世界の発展』(共著、岩波書店、1999年)、『新版世界各国史8西アジア史1アラブ』(共著、山川出版社、2002年)、『中世環地中海圏都市の救貧』(編著、慶應義塾大学出版会、2004年)、『比較史のアジア――所有・契約・市場・公正』(共著、東京大学出版会、2004年)、『ナイル・デルタの環境と文明Ⅰ』(編著、早稲田大学イスラーム地域研究機構、2012年)、など。


塩尻 和子(しおじり かずこ)

東京国際大学特命教授、国際交流研究所・所長、筑波大学名誉教授、博士(文学、東京大学)。

1944年生まれ。1989年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。

『リビアを知るための60章』(明石書店、2006年)、『イスラームを学ぼう』(秋山書店、2007年)、『イスラームの人間観・世界観』(筑波大学出版会、2008年)、「初期イスラーム思想における理性主義的人間観と宗教倫理」(竹下政孝・山内志朗編『イスラーム哲学とキリスト教中世(Ⅱ 実践哲学)』、岩波書店、2012年)など。


鎌田 繁(かまだ しげる)

東京大学東洋文化研究所教授。

1951年生まれ。1982年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。

「幸福と哲学者の営み――モッラー・サドラーの実体運動論の意味」(『東洋文化』87、東京大学東洋文化研究所、2007年)、“System of Knowledge in Islam and its Transformation,” ISHRAQ-Yearbook of Islamic Philosophy , Russian Academy of Sciences Institute of Philosophy & Iranian Institute of Philosophy,No.1(2010)、「シーア派神秘思想とスーフィズム――その連続性とクルアーンの役割」(小林春夫他編『イスラームにおける知の構造と変容』早稲田大学イスラーム地域研究機構、2011年)、「解題」(井筒俊彦『アラビア哲学――回教哲学』慶應義塾大学出版会、2011年)、など。


藤井 守男(ふじい もりお)

東京外国語大学教授、修士(文学)。

1954年生まれ。1981年、東京外国語大学大学院修士課程修了。

アッタール『イスラーム神秘主義聖者列伝』(訳、国書刊行会、1998年)、「聖霊の安らぎ Rawḥ al-arwāḥ に見る神秘主義 Taşawwuf の諸相」(『オリエント』2003年)、「ペルシア語タフスィール『神秘の開示』に見る神秘主義的表象世界」(『東洋文化』87、東京大学東洋文化研究所、2007年)、など。


谷 寿美(たに すみ)

慶應義塾大学文学部教授、博士(文学)。

1953年生まれ。1983年、慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。

『ソロヴィヨフの哲学――ロシアの精神風土をめぐって』(理想社、1990年)、「非分離の精神――近代ロシアの宗教的予感」(末木文美士・中島隆博編『非・西洋の視座』大明堂、2001年)、「“ソフィア”の理念とロシア・ソフィオロジー」(荻野弘之編『続・神秘の前に立つ人間――キリスト教東方の霊性を拓くⅡ』新世社、2010年)、「ロシアにおけるキリスト教的霊性」(鶴岡賀雄他編『スピリチュアリティの宗教史』上巻、LITHON、2010年)、など。


市川 裕(いちかわ ひろし)

東京大学大学院人文社会系研究科教授。

1953年生まれ。1986年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。

「タルムード期のユダヤ思想」(『岩波講座東洋思想 ユダヤ思想1』1988年)、『バビロニアタルムード マッコート篇』(翻訳監修・解説、三貴、1996年)、『ユダヤ教の精神構造』(東京大学出版会、2004年)、『ユダヤ教の歴史』(山川出版社、2009年)、など。


若松 英輔(わかまつ えいすけ)

批評家、(株)シナジーカンパニージャパン代表取締役。

1968年生まれ。1992年、慶應義塾大学文学部仏文科卒業。

「越知保夫とその時代」(第14回三田文学新人賞受賞)、『井筒俊彦――叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会、2011年)、『神秘の夜の旅』(トランスビュー、2011年)、『魂にふれる――大震災と、生きている死者』(トランスビュー、2012年)、『内村鑑三を読む』(岩波書店、2012年)、など。

目次

序――イスラーム学事始めの頃の井筒俊彦  坂本勉

 第1部 回想の井筒俊彦

多元的文化への偏見のない関心――井筒俊彦を引き継ぐために  
 黒田壽郎(インタビュアー:湯川武)
鎌倉、軽井沢、テヘラン  
 岩見隆(インタビュアー:高田康一+尾崎貴久子)
共生の思想を模索する  
 松本耿郎(インタビュアー:野元晋)
井筒俊彦の知を求める旅――モントリオール、エラノス会議、そしてテヘラン  
 ヘルマン・ランドルト(インタビュアー・翻訳:野元晋)
井筒俊彦の本質直観  
 鈴木孝夫(インタビュアー:松原秀一)

 第2部 私の一冊

『アラビア語入門』――「井筒言語学」の曙光   
 大河原知樹
『イスラーム生誕』――ムハンマド伝をめぐって  
 後藤明
『コーラン』と『コーランを読む』――コトバの深奥へ   
 大川玲子
『意味の構造』――意味論的分析によるクルアーン読解   
 牧野信也
『イスラーム文化』――雄弁な啓蒙と呑み込まれた言葉   
 長谷部史彦
『イスラーム思想史』――沙漠の思想か共生の思想か   
 塩尻和子
『イスラーム哲学の原像』――神秘主義と哲学の融合、そして「東洋」をめぐって   
 野元晋
『存在認識の道』――井筒東洋哲学を支えるもの   
 鎌田繁
『ルーミー語録』――その意義をめぐって   
 藤井守男
『ロシア的人間』――全一的双面性の洞見者   
 谷寿美
『超越のことば』――自我滅却の哲学のゆくえ   
 市川裕
『神秘哲学』と『意識と本質』――二つの主著   
 若松英輔

あとがき(松原秀一)
編者・執筆者紹介


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