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汽車とレコード

汽車とレコード

四六判 328ページ 上製
価格:3,080円 (消費税:280円)
ISBN978-4-7664-1756-2 C1021
奥付の初版発行年月:2010年07月 / 発売日:2010年07月上旬

内容紹介

歴史人口学者が綴る「旅」と「音楽」の風景。
▼歴史人口学を日本に築いた功績で、2009年度文化勲章を受章した著者による旅と音楽についてのエッセイ集。
▼第一部では幼少期から無類の「鉄道好き」「時刻表マニア」であった著者による経済史家ならではのSL「9600」と日本の経済成長を重ね合わせたエッセイを始め、司馬遼太郎『坂の上の雲』を時刻表マニア的視点から読み込む文章などが並ぶ。
▼第二部では、戦争末期、手廻し蓄音器で聞いたモーツァルトの思い出やヨーロッパの20世紀を代表するポピュラーソング“リリー・マルレーン”への偏愛と歴史的考察に満ちた文章などで、自身のレコード音楽半世紀を辿る。


速水 融(はやみ・あきら)

慶應義塾大学名誉教授

1929年生まれ。1950年慶應義塾大学経済学部卒業、日本常民文化研究所研究員を経て1953年慶應義塾大学経済学部助手、同助教授、教授を歴任。経済学博士。1989年国際日本文化研究センター教授、1995年麗澤大学教授、2005年に定年退職。国際日本文化研究センター名誉教授、麗澤大学名誉教授。日本学士院会員。フランス人文・社会科学学士院準会員。2009年に文化勲章を受章。専攻は経済史・歴史人口学。
著書に『近世農村の歴史人口学的研究——信州諏訪地方の宗門改帳分析』(東洋経済新報社、1973年)、『近世濃尾地方の人口・経済・社会』(創文社、 1992年)、『歴史人口学で見た日本』(文春新書、2001年)、『江戸時代の歴史人口学研究ーー新しい近世日本像』(藤原書店、2009年)、『近世初期の検地と農民』(知泉書館、2009年)ほか多数。

目次

第一部 私の阿房列車紀行
  贋作 阿房列車
   乗り換え乗り換え九州行き その一 出発まで
   乗り換え乗り換え九州行き その二 電笛一声新宿を
   乗り換え乗り換え九州行き その三 目の前を「出雲」が
   乗り換え乗り換え九州行き その四 明るい山陰の海
   乗り換え乗り換え九州行き その五 いざ九州へ
   中近東一人旅 その一 レイクテイスティング
   中近東一人旅 その二 レイクテイスティング(続き)
   中近東一人旅 その三 ベイルート行き国際列車
   中近東一人旅 その四 ピラミッドとアレキサンドリア
   中近東一人旅 その五 ピラミッドとアレキサンドリア(続き)
   各駅停車の客車の窓から

  東京発シンガポール行特別阿房列車(斎藤茂太氏との対談)

  三人閑談「時刻表」(小松芳喬、服部謙太郎両氏と)

  蒸気機関車9600は死なず
    ——日本の経済発展を体現した“老兵”の生涯——

  通いつめて五年半——私の新幹線物語

  『坂の上の雲』の謎
   その一 山下大佐は佐世保まで何時間で着いたかのか
   その二 秋山真之の乗った列車

第二部 わがレコード音楽半世紀
  モーツァルトとの出会い 

  モーツァルト愛好家の統計的観察

  わがレコード音楽半世紀
   序曲 レコードとの出会い
   嵐のあとの喜びと苦難
   展開部 LP登場
   フェルマータ
   入院先のモーツァルト
   アンダンテ 春の宵
   スケルツォ リリー・マルレーン
   アレグロ——CD登場
   メニュエット——LDの音楽
   アダージオ——一番長く聴いた演奏家
   フィナーレ——「第九」の季節

  リリー・マルレーンに憑かれて——戦争・歌・人間—— 

  生きているリリー・マルレーン

  鬱期の“リリー・マルレーン”号

  あとがき
  初出一覧


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