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 確信犯罪人の刑事責任能力論・処分論を中心にして人格障害犯罪者に対する刑事制裁論

慶應義塾大学法学研究会叢書78
人格障害犯罪者に対する刑事制裁論 確信犯罪人の刑事責任能力論・処分論を中心にして

A5判 364ページ 上製
定価:6,200円+税
ISBN978-4-7664-1740-1 C3032
奥付の初版発行年月:2010年05月 / 発売日:2010年05月中旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学法学研究会
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在庫あり

内容紹介

確信犯罪人の刑事責任能力と刑事制裁論を中心に。
▼「人は、何故、理不尽に人を殺すのか」。確信犯罪人に対する「社会治療」による社会復帰の可能性を探究する。
▼被害者の応報感情への配慮と、治療による社会復帰可能性の重視。この相克を克服する現在の刑事政策論の問題について、人間の尊厳維持のために死刑廃止論を前提に論究。

著者プロフィール

加藤久雄(カトウヒサオ)

1942 年生(名古屋)
大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得中退。法学博士。
国際比較刑事政策研究所所長、弁護士。元慶應義塾大学法学部教授、ミュンヘン大学客員教授。
日本犯罪学会国際担当理事、日本精神保健政策学会理事。
専門は、国際比較刑事政策、国際比較医事刑法、少年法、犯罪学。
著書に、『犯罪学25講』(共著・1973年・慶應通信)、『治療・改善処分の研究』(1981年・慶應通信)、『犯罪者処遇の理論と実践』(1984年・慶應通信)、『刑事政策学入門』(1991年・立花書房)、『組織犯罪の研究—マフィア、ラ・コーザ・ノストラ、暴力団の比較研究』(1992年・成文堂)、『暴力団』(岩波ブックレットNo.323・1993年・岩波書店)、『ボーダーレス時代の刑事政策』(1999年・改訂版・有斐閣)、『人格障害犯罪者と社会治療』(2002年・成文堂)、『ポストゲノム社会における医事刑法入門』(2005年・新訂(補正)版・東京法令出版)他。

上記内容は本書刊行時のものです。

加藤久雄(かとう ひさお)

1942 年生(名古屋)

大阪大学大学院法学研究科博士課程単位取得中退。法学博士。

国際比較刑事政策研究所所長、弁護士。元慶應義塾大学法学部教授、ミュンヘン大学客員教授。
日本犯罪学会国際担当理事、日本精神保健政策学会理事。

専門は、国際比較刑事政策、国際比較医事刑法、少年法、犯罪学。

著書に、『犯罪学25講』(共著・1973年・慶應通信)、『治療・改善処分の研究』(1981年・慶應通信)、『犯罪者処遇の理論と実践』(1984年・慶應通信)、『刑事政策学入門』(1991年・立花書房)、『組織犯罪の研究—マフィア、ラ・コーザ・ノストラ、暴力団の比較研究』(1992年・成文堂)、『暴力団』(岩波ブックレットNo.323・1993年・岩波書店)、『ボーダーレス時代の刑事政策』(1999年・改訂版・有斐閣)、『人格障害犯罪者と社会治療』(2002年・成文堂)、『ポストゲノム社会における医事刑法入門』(2005年・新訂(補正)版・東京法令出版)他。

目次

まえがき

序論 ボーダーレス社会における犯罪現象とその刑事制裁システム
  [1] 問題の所在
  [2] 刑事政策の二極化について—ボーダレス社会の刑事政策の方向性
  [3] 刑事政策の二極化と刑事制裁制度の在り方
  [4] 反処遇思想(医療モデルの克服)と新しい犯罪者処遇モデルの誕生
  [5] ドイツにおけるボーダーレス型犯罪に対する刑事政策
  [6] 結びにかえて

第1編 人格障害犯罪者に対する刑事制裁制度について
—特に、人格障害(精神病質)犯罪者の刑事責任能力と刑事制裁二元制について

第1章 人格障害犯罪者の刑事責任能力—責任主義の危機について
 第1節 責任主義の危機と刑事制裁二元制論について—触法精神障害者の刑事法上の処遇制度を中心にして
  [1] 問題の所在—責任主義の危機の克服と刑事処分制度の導入に向けて
  [2] 責任主義の危機回避と二元制導入論の展開
  [3] 結びにかえて
 第2節 刑事責任能力論における基本問題
  [1] 問題の所在
  [2] 刑事責任能力論における基本問題
  [3] 部分的責任能力と限定責任能力
  [4] 責任能力判断と鑑定医の役割
  [5] 責任無能力と刑事(治療)処分
  [6] 結びにかえて
 第3節 人格障害犯罪者の刑事責任能力とその処遇
  [1] 問題の所在—「医療観察法」は「人格障害」犯罪者を対象としていない
  [2] わが国の刑法における「責任能力」規定と「人格障害者」
  [3] ドイツ刑法における責任無能力規定と人格障害(精神病質)者
  [4] ドイツにおける精神病院収容処分の運用の実態とその問題点
  [5] 連邦裁判所の「事後的『保安監置』」収容処分の合憲判断について
  [6] ドイツにおける人格障害犯罪者による凶悪「性」犯罪の多発と社会治療処遇の復活—被害者の応報感情の鎮静策として
 第4節 オランダの「人格障害犯罪者」に対する刑事政策の現状と課題—メスダフ・クリニック(社会治療(TBS)施設)の管見
  [1] オランダの「人格障害犯罪者」に対する刑事政策
  [2] メスダフ・クリニック(社会治療(TBS)施設)管見
  [3] 結びにかえて

第2章 ポストゲノム社会の『高度に危険な人格障害犯罪者』に対する刑事政策
—医療観察法から刑事治療処分へ
 第1節 精神障害犯罪者の人権保護—リーガル・モデルとメディカル・モデルの調和をめざして
  [1] 問題の所在—精神保健福祉法の発達史に見る「触法精神障害者の人権」
  [2] 触法精神障害者の人権の保護—精神科治療とインフォームド・コンセント
  [3] 措置入院の法的性格とは何か—患者の人権確保は可能か
  [4] 措置入院の代替としての「刑事治療処分」の導入に伴う問題点
  [5] 結びにかえて—リーガル・モデルとメディカル・モデルの調和をめざして
 第2節 刑事政策学から見た『心神喪失者等医療観察法』の法的性格と責任主義の危機
  [1] 問題の所在—医療観察法の運用実態と責任主義の危機の拡大
  [2] 医療観察法の法的性格と責任主義の相克
  [3] 医療観察法の運用における検察官・裁判官・鑑定人の役割
  [4] 裁判員制度と司法精神科医の役割と課題
  [5] 結びにかえて—司法精神医学会による「専門認定医制度」の導入の必要性
 第3節 刑事施設の精神障害受刑者の処遇について
  [1] 問題の所在—人格障害受刑者に対する矯正施設内「社会治療処遇」システムの導入
  [2] 矯正施設における精神障害のある受刑者の現状
  [3] 北九州医療刑務所における精神障害受刑者の処遇の現状
  [4] 結びにかえて

第2編 確信犯罪人に対する刑事制裁制度について
—特に、死刑制度廃止後のテロリスト・暴力団員・大量殺人犯に対する「社会治療」モデルについて

第1章 確信犯罪人の処遇に関する比較刑事政策論
 第1節 「確信犯」的テロリストに対する刑事政策的対応を中心にして
  [1] 問題の所在
  [2] 9・11テロ事件後の「テロリズム」概念の変遷
  [3] 9・11テロ事件以後のテロ組織と「マフィア」型犯罪組織の癒着の具体例の検討
  [4] ドイツにおける1990年東西ドイツ統合までの「テロ事件」の特徴とその原因—ドイツ赤軍派の終焉とユーロ・マフィアの登場
  [5] 結びにかえて
 第2節 欧米における確信犯罪人による大量・連続殺人事件を中心にして
  [1] 問題の提起—大量殺人と連続殺人の定義の相違
  [2] 内外における大量・連続殺人事件の歴史的概観

第2章 死刑制度廃止後の確信犯罪人に対する刑事制裁制度
 第1節 「確信的犯罪人」の処遇に関する刑事政策的対応
  [1] 問題の所在
  [2] 政治的確信犯人の処遇—「社会治療」処遇モデルの導入
  [3] 暴力的・狂信的確信犯罪人に対する刑事政策的対応
 第2節 死刑の代替刑について
  [1] ポストゲノム時代の「無期自由刑」のあり方について
  [2] わが国における「死刑存廃論」の現状とその刑事政策的問題点
  [3] 最近の死刑判決抑制傾向
 第3節 ドイツにおける「死刑」に代わる「無期自由刑」から学ぶもの
  [1] ドイツにおける「死刑」廃止から「終身自由刑」そして「無期自由刑」への変遷過程
  [2] ドイツ連邦憲法裁判所が「無期(終身)自由刑」を違憲とした理由
  [3] ドイツにおける第20次刑法変更法の成立
  [4] 死刑に代わる「特別無期自由刑」と「特別保護観察制度」の導入について
 第4節 結びにかえて—「裁判員裁判」制度は死刑存置の「免罪符」になるか

あとがき
初出一覧
参考文献一覧
事項・人名索引


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