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明治留守政府

明治留守政府

四六判 212ページ 並製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-1706-7 C21
奥付の初版発行年月:2010年01月

内容紹介

近代日本の知られざる跳躍期を探る。
▼岩倉使節団派遣中の、いわゆる留守政府(1871−73年)の実態を明らかにする。
▼明治四年十一月、廃藩置県後の不安定な政情のなか、岩倉使節団は横浜を出航。岩倉具視、木戸孝允、大久保利通ら要人を欠いた政府は、国内外に次々と起こる難題に直面しつつも、急進的に近代化政策を推し進めてゆく。三条実美、西郷隆盛、大隈重信、井上馨、江藤新平——いずれ劣らぬ個性の持ち主たちの立ち回りと人間像にも着目、「行政主導国家」の原型が築かれ、日本の新しい針路が定まってゆく過程を力強く描写する。


笠原英彦(かさはら ひでひこ)
慶應義塾大学法学部教授、法学博士。
昭和31年生まれ。昭和60年、慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。
主要業績に、『歴代天皇総覧—皇位はどう継承されたか—』(中公新書、平成13年)、『女帝誕生—危機に立つ皇位継承—』(新潮社、平成15年)、『大久保利通』(吉川弘文館、平成17年)、『明治天皇—苦悩する「理想的君主」—』(中公新書、平成18年)、『象徴天皇制と皇位継承』(ちくま新書、平成20年)など多数。

目次

はじめに

第一章 岩倉使節の出発と留守政府の発足
 岩倉使節団の成立
 「十二箇条の約定」
 紆余曲折した渡航の準備
 岩倉らの最終調整

第二章 制度改革論争から太政官三院制へ
 様々な制度設計の競合
 政体改革と人事体制
 廃藩置県と政府改革
 新体制の特色
 新体制の修正を拒んだ木戸
 廃藩政権の政策課題

第三章 留守政府の始動
 留守政府の陣容
 早くも独走する各省
 大大蔵省の活動
 大蔵省の苦悩と改革

第四章 予算ぶんどり合戦
 井上財政と文部省予算
 司法省の予算編成
 工部省の予算編成
 大蔵省の対応

第五章 留守政府の外交
 台湾問題の発生と琉球藩の設置
 副島外交の展開
 副島外交の意義
 マリア・ルス号事件の発生
 外務省「委任」と神奈川県裁判所
 仲裁裁判への道のり

第六章 太政官三院制の変容
 太政官三院制の形成
 太政官三院制の構造
 明治六年の太政官制潤飾
 太政官制潤飾の矛盾とその影響
 旧大蔵省首脳の正院改革

終 章 終盤を迎えた留守政府

附 論 太政官三院制に関する覚書
 一 はじめに
 二 太政官三院制の背景
 三 大蔵省問題
 四 太政官三院制の矛盾
 五 結びにかえて

主要参考文献・史料一覧


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