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17世紀 1603年―1688年

オックスフォード ブリテン諸島の歴史第7巻
17世紀 1603年―1688年

A5判 452ページ 上製
定価:6,800円+税
ISBN978-4-7664-1647-3 C3322
奥付の初版発行年月:2015年04月 / 発売日:2015年04月下旬
発行:慶應義塾大学出版会  
発売:慶應義塾大学出版会
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在庫あり

内容紹介

▼流転する「短い17世紀」

イングランド・アイルランド・スコットランドの三国からなる複合君主国に対する希望と失望。混乱の渦にありながら形成されていくブリテン式の「国家形成」とは。そのプロセスとそこで花開いた文化の諸相を細緻に描く。

本書第7巻は、スコットランドの国王ジェームズ六世が、イングランド王国・アイルランド王国・ウェールズ公領の長として即位した1603年から、名誉革命がおこる1688年までの85年間を扱う。世紀の半ばに勃発する内戦、国王の処刑、王政復古、そして名誉革命 ――。このように万華鏡のごとく変転する時代を、私たちはどのように理解すればよいのか。

最新の研究方法とその成果から明らかにされる17世紀ブリテンの「国家」形成のプロセスとその統治。
イギリス史、ヨーロッパ近現代史を学ぶ読者に必携の書である。

著者プロフィール

ジェニー・ウァーモールド(Jenny Wormald)

エディンバラ大学名誉研究員。元オックスフォード大学セント・ヒルダズ・カレッジ歴史学フェロー。ウァーモールドの初期の研究は、中世末から近世のスコットランド史であったが、より広い「ブリテン史」の領域を対象とするようになってからもスコットランド史への関心を持続している。もっとも、ブリテン史が何を意味するのか、彼女は把握しがたいと考えている。主要業績は ‘James Ⅵ and Ⅰ: Two Kings or One?’, History, 68 (1983) ; Mary Queen of Scots: a Study in Failure (George Philip, 1988); Lords and Men in Scotland: Bonds of Manrent, 1442-1603 (John Donald, 1985).近年では Scotland: A History (Oxford University Press, 2005)の編著者(「17世紀」の章を担当)および The Oxford Handbook of Modern Scottish History (Oxford University Press, 2012)の共編者である。

鶴島 博和(ツルシマ ヒロカズ)

FSA, FRHistS 熊本大学教授
主要業績 (ed.), Nations in Medieval Britain (Donington, 2010) “The Moneyers of Kent in the Long Eleventh Century”, in David Roffe (ed.), The English and Their Legacy 900-1200, Essays in Honour of Ann Williams (Boydell, Woodbridge, 2012).

西川 杉子(ニシカワ スギコ)

東京大学大学院総合文化研究科准教授
主要業績 単著『ヴァルド派の谷へ ―― 近代ヨーロッパを生きぬいた異端者たち』(山川出版社、2003年)、『近代イギリスの歴史』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)、The Huguenots: France, Exile and Diaspora (共著、Sussex Academic Press, 2013).

上記内容は本書刊行時のものです。

【原著監修】
ポール・ラングフォード(Paul Langford)
オックスフォード大学リンカーン・カレッジ校長。

【監修者】
ジェニー・ウァーモールド(Jenny Wormald) [序論、結論]
エディンバラ大学名誉研究員。元オックスフォード大学セント・ヒルダズ・カレッジ歴史学フェロー。

【著者一覧】
キース・ブラウン(Keith Brown) [第一章]
マンチェスター大学教授・人文科学学部長。ブラウンの研究関心は近世スコットランドの貴族とスコットランド議会史であり、この関連の書物を幅広く公刊している。主要著書は、Noble Society in Scotland: Wealth, Family and Culture from Reformation to Revolution (Edinburgh University Press, 2000) ; Noble Power in Scotland from the Reformation to the Revolution (Edinburgh University Press, 2011)など。セント・アンドルーズ大学在職時に同大学のスコットランド議会プロジェクトを完成させた。このプロジェクトに関しては次のサイトを参照のこと。The Records of the Parliaments of Scotland to 1707 (RPS) at http://www.rps.ac.uk/ (University of St Andrews, 2007-2011).これは、最古の法が現存する1235年からイングランドとの合同の年1707年までのスコットランド議会について、議事録も含めて、完全に検索可能なデータベースである。

ジョン・マカーフィティ(John Mccafferty) [第二章]
ダブリン大学ユニヴァーシティ・カレッジ准教授。また、ダブリン大学ユニヴァーシティ・カレッジとアイルランド・フランシスコ会の共同機関、ミヒェル・オ・クレアリ・アイルランド歴史・文明研究所所長である。マカーフィティは本来、教会史家であり、その関心は中世後期と近世のアイルランドに向けられている。主要著作にThe Reconstruction of the Church of Ireland: Bishop Bramhall and the Laudian Reforms 1633-1641 (Cambridge University Press, 2007)があり、またアラン・フォードとともに The Origins of Sectarianism in Early Modern Ireland (Cambridge University Press, 2005)を刊行した。

ジョン・モリル(John Morrill) [第三章]
英国学士院会員。ケンブリッジ大学元教授。17世紀「ブリテン革命」についての著書、編著、論文は夥しい数にのぼる。とくに、イングランド、アイルランド、スコットランド三国王の関係性に早くから着目し、多くの研究者に影響を与え続けている。現在はオリヴァー・クロムエルの史料編纂事業に取り組んでいる。代表的著書は Revolt in the Provinces: The People of England and the Tragedies of War 1630-1648 (2nd edition, Longman, 1999); The Nature of the English Revolution (Longman, 1993); Oliver Cromwell (Oxford University Press, 2007)など。

トビー・バーナード(Toby Barnard) [第四章]
英国学士院会員、ロイヤル・アイルランド・アカデミー名誉会員、オックスフォード大学ハートフォード・カレッジ名誉フェロー。主要業績は、ジェーン・フェンロンと共に編集した The Dukes of Ormonde, 1610-1745 (Woodbridge, 2000)の他、Cromwellian Ireland: English Government and Reform in Ireland, 1649-1660 (Clarendon Press, 2000); A new Anatomy of Ireland: The Irish Protestants, 1649-1770 (Yale University Press, 2003); Making the Grand Figure: Lives and Possessions in Ireland 1641-1770 (Yale University Press, 2004) ; Irish Protestant Ascents and Descents, 1641-1770 (Four Courts Press, 2004); Improving Ireland?: Projectors, Prophets and Profiteers, 1641-1786 (Four Courts Press, 2008); A Guide to the Sources for Irish Material Culture: 1500-1900 (Four Courts Press, 2009)など。

J. A. シャープ(J. A. Sharpe) [第五章]
ヨーク大学歴史学部教授。シャープは犯罪と処罰の歴史について、幅広く著作があるが、近年は、近世イングランドにおける魔術についても著述している。主要業績は、Crime in Seventeenth-Century England (Cambridge University Press/Past and Present Publications, 1983); Instruments of Darkness: Witchcraft in England 1550-1750 (Hamish Hamilton, 1996: Penguin, 1997); Early Modern England: A Social History, 1550-1760 (Edward Arnold, 1987: 2nd edn., 1997)など。彼は現在、近世マン島の法システムと近世イングランドの対人暴力の歴史について研究調査をおこなっている。

クレア・マクマナス(Clare McManus) [第六章]
ローハンプトン大学英文学・文芸創作学科教授(近世の文学と演劇)。主要業績は、Women on the Renaissance Stage: Anna of Denmark and Female Masquing in the Stuart Court, 1590-1619 (Manchester University Press, 2002); (ed.), Women and Culture at the Courts of the Stuart Queens (Palgrave Macmillan, 2003); (ed.), John Fletcher, The Island Princess (Arden Early Modern Drama, 2013); Burnett, Reconceiving the Renaissance: A Critical Reader (Oxford University Press, 2005)などがある。

【日本語版監修】
鶴島博和(つるしま ひろかず)
FSA, FRHistS 熊本大学教授

【監訳者】
西川杉子(にしかわ すぎこ)[序論、結論]
東京大学大学院総合文化研究科准教授

【訳者一覧】
富田理恵(とみた りえ)[第一章、第二章]
東海学院大学人間関係学部准教授
主要業績 単著『世界歴史の旅 スコットランド』(山川出版社、2002年)『イギリス史研究入門』(共著、山川出版社、2010年)、『近代イギリスの歴史』(共著、ミネルヴァ書房、2011年)。

北村紗衣(きたむら さえ)[第一章、第六章]
武蔵大学人文学部英語英米文化学科専任講師
主要業績 「J・M・クッツェー作『夷狄を待ちながら』における月経の表現」『英文学研究支部統合号(関東英文学研究)』3: 149-167(2011)、Queer Crossings: Theories, Bodies, Texts (共著、Mimesis, 2012).

稲垣春樹(いながき はるき)[第二章、第五章、結論]
PhD student, King's College London
主要業績 「帝国と宣教 ―― 19世紀イギリス帝国史における宗教の復権」『史学雑誌』121-6(2012年)、Moving Around: People, Things and Practices in Consumer Culture (共著、Forum for History of Consumer Culture, 2015).

那須 敬(なす けい)[第三章、第四章]
国際基督教大学教養学部(歴史学デパートメント)上級准教授
主要業績 『複合国家イギリスの宗教と社会』(共著、ミネルヴァ書房、2012年)、『ユーラシア諸宗教の関係史論』(共著、勉誠出版、2010年)、『イギリス文化史』(共著、昭和堂、2010年)。

矢島宏紀(やじま ひろき)[第三章]
東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程
主要業績 “The Most Reactionary Loyalist? Jonathan Boucher in Revolutionary Chesapeake” 『アメリカ太平洋研究』、第12号(2012年)。

佐藤清隆(さとう きよたか)[第五章]
明治大学文学部(史学地理学科)教授
主要業績 『結びあうかたち ―― ソシアビリテ論の射程』(共著、山川出版社、1995年)、『巨大都市ロンドンの勃興』(共著、刀水書房、1999年)、スーザン・W・ハル著『女は男に従うもの? ―― 近世イギリス女性の日常生活』(共訳、刀水書房、2003年)。

【協力】
勝田俊輔(かつた しゅんすけ)
東京大学大学院人文社会系研究科准教授

目次

日本語版に寄せて(ポール・ラングフォード)
監修者序文(ポール・ラングフォード)
日本語版監修者序文(鶴島博和)
凡例
図版・地図・系図一覧
君主の表記について / ステュアート家の表記について / 暦について / 本書で取りあげられた図書について

序 論(ジェニー・ウァーモールド)

第一章 ブリテンの君主国とその統治、一六〇三~一六三七年
(キース・M・ブラウン)
 王国継承の問題 / ブリテンの合同 / 外交政策 / 宮廷 / 議会 /
 財政 / 地方統治 / 結論

第二章 三王国における教会と信仰、一六〇三~一六四一年
(ジョン・マカーフィティ)
 ジェームズ一世 = 六世と三王国の宗教 / ローマ・カトリックの臣民
 と教皇という反キリスト / 厳密化する国教信従、一六二五~一六三
 七年 / 称揚される主教制 / 契約 / 本章で言及された人物一覧

第三章 聖者と兵士の支配 ―― ブリテン諸島における宗教戦争、一六三八~一六六〇年(ジョン・モリル)
 序 / ブリテン式の玉突き現象 / 一六三七~一六四三年 / 出版物にお
 けるさまざまな戦争 / 国制をめぐるさまざまな戦争 / さまざまな軍
 事的戦争 / 戦争のさまざまな展開 / 国王弑逆とイングランド = ア
 イルランド共和国の建国 / 国王弑逆への共和主義的反応 / 革命の結
 果 / 結論

第四章 復古か刷新か ―― 王政復古期のブリテン
(トビー・バーナード)
 三つの王国、一人の国王 / 赦しと復讐 / 人物、政策、原理 / 教
 会 / 議会 / 地方 ―― 理想と理念 / ローマ・カトリック王 / 王
 権 ―― 表象と実体

第五章 経済と社会(J・A・シャープ )
 人口と生存 / 社会構造 / 都市部 / 商業と製造業 / 変化するエリ
 ートの生活様式 / 社会問題と無秩序 / 生活の質

第六章 「オラだの国はなんだべな」 ―― 一七世紀ブリテン諸島の諸文化(クレア・マクマナス)
 一七世紀初頭 ―― ステュアート群島の諸文化 / 戦争とその後 ――
 一六四二年から六〇年までの文化とアイデンティティ / 王政復古 ――
 民、文化、アイデンティティ / 結論 ―― 評価と受容 / 作家および本
 章で言及されたその他の人物一覧

結 論(ジェニー・ウァーモールド)
 史学史上の戦争 ―― イングラン ド/ 宗教、そしてスコットランド人
 とアイルランド人 / 次なる嵐の前の静けさなのか / 一七世紀に愉し
 みはあったのか / 一七世紀は説明され得たのか

 訳注
 文献案内
 年表
 地図
 系図
 索引


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