叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態43
ニュース報道と市民の対外国意識
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-7664-1469-1 C3336
奥付の初版発行年月:2008年01月 / 発売日:2008年01月上旬
ニュース報道が市民の対外国意識やアイデンティティの形成にどのような影響を及ぼしているのか、情報環境の「グローバル化」がもたらす問題とともに実証的に検証する。
【編者】
伊藤陽一(いとう よういち)
慶應義塾大学名誉教授
河野武司(こうの たけし)
慶應義塾大学法学部教授
【著者】
朱雅静(しゅ がせい)
ソフトバンクテレコム株式会社
金永旭(きむ よんうっく)
韓国言論財団メディア研究室室長
李洪千(り ほんちょん)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程在学中
奥野昌宏(おくの まさひろ)
成蹊大学文学部教授
石井健一(いしい けんいち)
筑波大学大学院システム情報工学研究科准教授(社会システム・マネジメント専攻)
小川(西秋)葉子(おがわ[にしあき] ようこ)
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所専任講師
高橋利枝(たかはし としえ)
立教大学社会学部メディア社会学科准教授
井上泰浩(いのうえ やすひろ)
広島市立大学国際学部・大学院国際学研究科教授
目次
巻頭言 安西祐一郎
刊行にあたって 小林良彰
序——ニュース報道と市民の対外国意識 伊藤陽一・河野武司
第1部 日本人の対外国態度の変化はどのように説明できるか
第1章 日本人の対中国態度と日本の新聞の中国報道 伊藤陽一・朱雅静
はじめに
Ⅰ 日本人の対中国態度の変動
Ⅱ 新聞の内容分析
Ⅲ 内容分析結果
Ⅳ 対中国態度の急悪化はいかに説明できるか
おわりに
第2章 小泉首相の靖国神社参拝に関する「空気」または「意見風土」の変動と日中関係 伊藤陽一
はじめに
Ⅰ 2003年から2005年までの3年間における日中関係
Ⅱ 新聞の内容分析
Ⅲ 結果
Ⅳ 首相の靖国神社参拝に対する「3極空気モデル」の適用
おわりに
第3章 テレビニュース番組における米国報道とその影響 河野武司
はじめに
Ⅰ 分析の方法
Ⅱ 仮説
Ⅲ 分析の結果
おわりに
第4章 テレビニュース番組における中国・韓国報道とその影響 河野武司
はじめに
Ⅰ 分析の方法
Ⅱ 信頼性についての検討
Ⅲ 仮説
Ⅳ 分析の結果
おわりに
第2部 日本、韓国、中国における相互報道と相互認識
第5章 韓国の新聞における日本・中国報道:1996-2005 金永旭
はじめに
Ⅰ 文献調査
Ⅱ 研究の課題と方法
Ⅲ 研究結果
おわりに
第6章 日本の新聞における韓国・中国報道:1996-2005 李洪千
はじめに
Ⅰ 調査の方法
Ⅱ 結果
おわりに
第7章 日韓の相互意識の実状とメディア 奥野昌宏
はじめに
Ⅰ 相互意識の実状
Ⅱ メディアの役割
おわりに——日韓両国の相互理解促進に向けてのメディアの役割
第8章 中国人の反日意識——中国ナショナリズムの社会心理学的分析 石井健一
はじめに
Ⅰ 反日は「上から」の影響か「下から」の自発的反応
Ⅱ 中国における対日意識の実態
Ⅲ 「愛国主義教育」仮説と「自然発生的世論」仮説の検討
Ⅳ 愛国心と自民族中心主義
Ⅴ 中国におけるメディアの影響力
おわりに
第3部 グローバル時代における市民意識と対外情報文化政策
第9章 日常生活としてのグローバル・コミュニケーション再考
ーグローバライゼーションと時間−空間の「リズム編成」をめぐる「第一基調」 小川(西秋)葉子
はじめに——時間−空間の再編成におけるグローバル・コミュニケーション
Ⅰ 問題の所在——グローバライゼーションとメディア・コミュニケーション研究
Ⅱ 自己の研究史における位置づけ——ミクロな認知研究をとりまくマクロな社会的環境
Ⅲ A. ギデンズによる「グローバライゼーション」の概念
Ⅳ グローバライゼーションのなかでの時間−空間の再編成とエスニック/ジェンダー・アイデンティティ——英米在住日本人主婦の日常生活とコミュニケーションのエスノグラフィックな調査研究の事例
Ⅴ 考察——グローバライゼーションとローカルなアイデンティティのベクトル
おわりに
第10章 グローバリゼーションと文化的アイデンティティ 高橋利枝
はじめに
Ⅰ 現代世界を捉える7つの概念
Ⅱ グローバリゼーションと自己創造
おわりに
第11章 パブリック・ディプロマシー、対外国意識、国際世論と外交政策 井上泰浩
はじめに
Ⅰ 国際世論と外交・国際関係
Ⅱ パブリック・ディプロマシー
Ⅲ 国際世論と外交力
おわりに
索引