叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態33
現代日本における政治参加意識の構造と変動
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-1459-2 C3331
奥付の初版発行年月:2008年01月 / 発売日:2008年01月上旬
大規模な世論調査のデータを用いて、日本人の政治参加の形態を明らかにし、1970-90年代と2000年代の政治参加の質的転換を実証的に検証する。
三船毅(みふね つよし)
愛知学泉大学コミュニティ政策学部准教授
1998年慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。博士(法学)。
日本学術振興会特別研究員(DC2)、慶應義塾大学非常勤講師、愛知大学非常勤講師などを経て、現職。専攻は、政治過程論。
主要著作に、「投票参加の低下——90年代における衆議院選挙投票率低下の分析——」日本政治学会[編]『年報政治学2005』第1号(2005年)、「日本における社会参加と住民意識」小林良彰[編]『地方自治体をめぐる市民意識の動態』慶應義塾大学出版会(2005年)、「投票参加理論におけるコスト——ダウンズモデルにおける投票コストと組織・動員——」日本選挙学会[編]『選挙学会紀要』第9号(2007年)など。
目次
巻頭言 安西祐一郎
刊行にあたって 小林良彰
序章
Ⅰ 本研究の問題意識の基底
Ⅱ 政治参加の現代的役割
Ⅲ 政治参加構造——参加の統合的視座
Ⅳ 新しい参加形態
Ⅴ 先行研究の問題点
Ⅵ 研究の目的と意義
Ⅶ 本書の構成
Ⅷ 本書で用いるデータの紹介
第1部 民主主義と政治参加
第1章 政治参加の理論と定義
Ⅰ 政治参加の論理
Ⅱ 多元的民主主義理論とエリート民主主義理論
Ⅲ 参加民主主義理論と市民社会論・討議民主主義
Ⅳ 政治参加の定義
Ⅴ 政治参加の類型化
Ⅵ まとめ
第2章 政治参加の実証研究
Ⅰ はじめに
Ⅱ 政治参加における実証研究
Ⅲ 政治参加の変動
Ⅳ まとめ
第2部 政治参加の構造と変動
第3章 政治参加の形態
Ⅰ はじめに——現代日本の政治参加
Ⅱ 投票参加
Ⅲ 選挙活動
Ⅳ 個別的接触
Ⅴ 市民・住民運動
Ⅵ 新しい参加形態——NPO・NGO・ボランティア
Ⅶ 住民投票
Ⅷ まとめ
第4章 政治参加の多次元的構造
Ⅰ はじめに
Ⅱ 政治参加のモード
Ⅲ 検証的因子分析による分析
Ⅳ 参加モードの背後に存在する外生的潜在変数としての〈政治参加〉
Ⅴ まとめ
第5章 政治参加構造の規定要因と変動
Ⅰ 政治参加構造
Ⅱ 政治参加構造を分析する視座
Ⅲ POSAによる構造析出
Ⅳ 社会的属性からみたPOSAの構造
Ⅴ 政治意識からみたPOSAの構造
Ⅵ 参加構造の規定要因
Ⅶ まとめ
第6章 55年体制以降における政治参加構造の変動——イデオロギー変容による構造変動
Ⅰ はじめに
Ⅱ 政治参加をとりまくイデオロギーの変容
Ⅲ 新たな参加形態の析出——ボランタリー・セクターへの参加
Ⅳ 新たな参加のイデオロギー
Ⅴ 参加の対立軸の変遷
Ⅵ 政治参加構造の変容
Ⅶ おわりに
第7章 ボランタリー・セクターへの参加——市民社会構築と新しい政治文化
Ⅰ はじめに
Ⅱ ボランタリー・セクターの2つの側面
Ⅲ 分析枠組み
Ⅳ 政治参加としてのボランティア、NPO活動——対抗関係からコラボレーションへ
Ⅴ ボランタリズムによる新しい政治文化
Ⅵ ボランタリズムによる新しい政治文化の創造
Ⅶ おわりに
終章 結論
Ⅰ 本研究の論点
Ⅱ 本研究における新しい知見
Ⅲ 本研究の問題点
Ⅳ 政治参加研究における課題
Ⅴ 展望
参考文献
あとがき
索引