大学出版部協会

 

コミュニケーションの支援と授業づくり

肢体不自由教育シリーズ2
コミュニケーションの支援と授業づくり

B7 240ページ 並製
価格:2,420円 (消費税:220円)
ISBN978-4-7664-1410-3 C2037
奥付の初版発行年月:2008年08月 / 発売日:2008年08月上旬

内容紹介

好評の肢体不自由教育に携わる方のためのシリーズ、待望の第2巻、第3巻刊行!
 [全巻完結]

 肢体不自由教育での授業づくりでは、子どもと教員、子ども同士でのやりとりなど、コミュニケーションの進展をいかに図るかが基本となります。本書では、肢体不自由教育におけるコミュニケーションの考え方とその工夫を分かりやすく紹介し、さらに日々の授業改善に役立つ理論と実践について具体的に迫りました。

<本書の特徴> 
・ 肢体不自由教育での授業のポイントと指導のエッセンスを網羅
・ 日々の授業の質を高めるために、優れた事例を豊富に紹介
・ コミュニケーションの支援機器やツールなど分かりやすい説明
・ 重度・重複の障害のある子どもの授業に役立つ教材・教具の工夫を紹介


【監修】
日本肢体不自由教育研究会
Japanese Association of Education for Children with Physical Disabilities

1969(昭和44)年、肢体不自由教育の専門性向上をめざし、教員・研究者が発起人となり結成された。日本肢体不自由児協会の協力を得て、翌年から機関誌「肢体不自由教育」を編集し、年5回発行。1977年より毎年夏期に、研究大会を開催。1991年より、毎年「肢体不自由教育」誌掲載の優秀実践報告を選考し、執筆者に金賞を授賞。機関誌、研究大会、講習会などを通して、日本の肢体不自由教育の普及・発展と、教員の専門性向上をリードしている。2002年、特定非営利活動法人となり、現在に至る。

【執筆者】(*は編著者)
阿部美穂子(あべ みほこ)  富山大学人間発達科学部准教授
飯野 順子(いいの じゅんこ)  東京学芸大学講師、元村山特別支援学校長
石田 宏代(いしだ ひろよ)  北里大学医療衛生学部准教授
泉  慎一(いずみ しんいち)  東京都あきる野学園教諭
一木  薫(いちき かおる)  福岡教育大学特別支援教育講座助教
小川 孝治(おがわ こうじ)  千葉県立長生特別支援学校教諭
小滝 義浩(おだき よしひろ)  東京都立高島特別支援学校主幹教諭
吉瀬 正則(きちせ まさのり)  東京都立田無特別支援学校長
鯨岡  峻(くじらおか たかし)  中京大学心理学部教授
佐藤  学(さとう まなぶ)  社会福祉法人ユートピアの会「ジョイフルパークユートピア」施設長
澤井ひとみ(さわい ひとみ) 富山県立にいかわ養護学校教諭
角  文喜(すみ ふみよし)  国分寺おもちゃ病院院長、前小平特別支援学校教諭
副枝 厚子(そえだ あつこ)  福岡県立福岡養護学校教諭
知念 洋美(ちねん ひろみ)  千葉県千葉リハビリテーションセンター リハビリテーション療法部 言語聴覚科長
*徳永 豊(とくなが ゆたか) 福岡大学人文学部教育・臨床心理学科教授
友永 光幸(ともなが みつゆき)  長崎県立長崎養護学校教諭
中條 真一(なかじょう しんいち)  長野県寿台養護学校教諭
*早坂方志(はやさか まさし) 青山学院大学文学部教育学科教授
藤川 雅人(ふじかわ まさひと)  青森県立七戸養護学校教諭
古山  勝(ふるやま まさる)  千葉県立銚子特別支援学校教諭
保坂 俊行(ほさか としゆき)  山梨県立甲府支援学校教諭
美舩 俊介(みふね しゅんすけ)  鳥取県立米子養護学校教諭
三室 秀雄(みむろ ひでお)  東京都中部学校経営支援センター支所学校経営支援担当副参事
吉川 知夫(よしかわ ともお)  東京都立城南特別支援学校教諭
*渡邉 章(わたなべ あきら)  植草学園大学発達教育学部教授

目次

第1章 肢体不自由教育におけるコミュニケーションの支援
第1節 コミュニケーションの指導・支援の基本的枠組み
   1 肢体不自由のある子どもの教育的ニーズ
   2 AACの考え方と様々な表現手段
   3 コミュニケーションの指導・支援と授業づくり
   4 授業の展開とコミュニケーションの指導・支援
   5 家庭と学校との連携
   6 系統性のあるコミュニケーションの指導・支援

第2節 表出から表現へ——関係の中で変わる子どもの表現活動
   1 生きた身体に内在する表出する力
   2 周囲他者の応答によって変化する子どもの表出や反応
   3 子どもの「思い」を受けとめることが対応の基本
   4 「いや」と「違う」という表現
   5 指差し表現の現れ
   6 周囲他者の活動を取り込むかたちでの表現活動
   7 乳児期の表現活動の集大成としてのことば

第3節 ことばの発達と評価
   1 ことばの発達を支える機能
   2 ことばの発達
   3 評価

第4節 肢体不自由児の言語
   1 言語・コミュニケーション発達の評価の視点
   2 評価と支援の実際

第5節 AACの基礎と実際
   1 AACとは何か
   2 コミュニケーション手段の実際
   3 パソコンを用いたコミュニケーション

第2章 より良い授業づくりをめざして
第1節 授業改善につながる授業計画・展開・評価
   1 肢体不自由教育における授業とは
   2 各教科等の指導計画
   3 授業のための計画(指導案)
   4 授業の評価とその改善
   5 より良い授業をめざして

第2節 学校を元気にする授業研究のこつ
   1 楽しく授業をつくるために
   2 授業を考えるにあたって、広い視点と高い理念を
   3 授業研究のこつ・その1:PLANの段階
   4 授業研究のこつ・その2:DOの段階①
   5 授業研究のこつ・その3:DOの段階②
   6 授業研究のこつ・その4:SEEの段階
   7 授業は、子どもへのプレゼンテーション

第3節 身につけたい教科の基礎・基本と評価
   1 肢体不自由教育における教科の基礎・基本
   2 適切な実態把握
   3 目標設定と指導計画の作成
   4 評価方法の確立

第4節 教材・教具の基本:意義と活用
   1 教材・教具の開発・活用の基本的考え方
   2 「つかむ、はなす」教材のあり方
   3 初期の系統的弁別学習の指導事例
   4 コミュニケーションとしての教材・教具を用いた学習

第5節 自立活動の実践と教師の専門性
   1 学びと自立活動
   2 暮らしと自立活動
   3 子どもの内面と自立活動

第3章 障害に応じた授業の実践
第1節 重複障害児へのAACアプローチによるコミュニケーション指導
   1 事例の概要
   2 指導の経過
   3 指導のまとめとポイント

第2節 「自立活動の時間の指導」と「自立活動の指導」を密接に関連づけた指導
     ——QOLの向上をめざして
   1 指導計画作成にあたって
   2 題材名は「見・手・指・マ・シュ〜」
   3 実生活で使えてこそ意味のある授業
   4 指導の実際
   5 理学療法士等との連携
   6 全面的な支援から「自分で食べる」楽しみへ

第3節 重複障害児の自立に向けたアシスティブテクノロジーの活用
   1 特別支援教育とアシスティブテクノロジー
   2 アシスティブテクノロジーの活用
   3 一人一人に合った自立のスタイル

第4節 高等部訪問教育における卒業後を見通した取り組み
   1 個別の指導計画の作成
   2 指導方針の決定
   3 教育課程と指導目標
   4 指導の経過
   5 卒業後の生活につながる指導

第5節 自己の内面を見つめる文芸活動(作文)の取り組み
   1 自己の内面を見つめる
   2 個別の事例:A君の場合
   3 個別の事例:Bさんの場合
   4 個別の事例:Cさんの場合
   5 文芸活動と生徒の成長

第6節 個別の指導計画に基づく授業づくり——指導計画による授業間の連携
   1 個別の指導計画の作成
   2 授業づくりのポイント
   3 指導事例
   4 まとめと今後の課題

第7節 「自分から勉強を進める子ども」を育てるために——学習計画表を活用した国語科の指導
   1 学習計画表を取り入れた理由
   2 学習計画表の形式
   3 単元展開の実際
   4 「学習計画表」の作成への児童の参画
   5 「学習計画表」を活用する上でのポイント
   6 学習進度を確保できた理由


Coffee Break
   AAC/コミュニケーション支援ボード/Q


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