大学出版部協会

 

ネット時代の社会関係資本形成と市民意識

叢書 21COE-CCC 多文化世界における市民意識の動態20
ネット時代の社会関係資本形成と市民意識

B7 208ページ 上製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-1362-5 C3336
奥付の初版発行年月:2007年03月 / 発売日:2007年03月上旬

内容紹介

デジタル・ネットワークが双方向的な融合空間を形成し、地域や社会活動、人々の行動や意識に影響を与えているネット時代の課題や今後の方向性を、社会関係資本という視座から明らかにする。


菅谷実(すがや みのる)
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所教授。学術博士。
1949年生まれ。国際基督教大学大学院後期博士課程修了。
主要業績に、『東アジアのメディア・コンテンツ流通』(叢書21COE-CCC第15巻、編著、慶應義塾大学出版会、2005年)、『映像コンテンツ産業論』(編著、丸善、2002年)、『放送メディアの経済学』(編著、中央経済社、2000年)、『アメリカのメディア産業政策』(中央経済社、1997年)など。

金山智子(かなやま ともこ)
慶應義塾大学メディア・コミュニケーション研究所助教授。博士(マス・コミュニケーション)。
1960年生まれ。オハイオ大学大学院コミュニケーション研究科博士課程修了。
主要業績に、『やさしいマスコミ入門——発信する市民への手引き』(共著、勁草書房、2005年)、『NPOのメディア戦略——悩みながら前進する米国NPOからのレッスン』(学文社、2005年)、『コミュニティ・メディア——コミュニティFMが地域をつなぐ』(編著、慶應義塾大学出版会、2007年)など。

宮田加久子(みやた かくこ)
明治学院大学社会学部教授。博士(社会心理学)。
1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程修了。
主要業績に、『きずなをつなぐメディア——ネット時代の社会関係資本』(第7回日本心理学会出版賞、第14回大川出版賞受賞、NTT出版、2005年)、『インターネットの社会心理学——社会関係資本の視点から見たインターネットの機能』(風間書房、2005年)、「ソーシャルネットワーキングのメディアとしてのインターネット——オンライン・コミュニティにおける社会関係資本の形成とその効果」『認知科学』Vol.11、No.3(2004年)など。

河井孝仁(かわい たかよし)
東海大学文学部広報メディア学科助教授。
1958年生まれ。名古屋大学大学院情報科学研究科博士後期課程単位取得満期退学。
主要業績に、『自治体モバイル戦略』(共著、信山社、2005年)、『コミュニティ』(共編著、日本経済評論社、2005年)、『公私領域のガバナンス』(共著、東海大学出版会、2006年)など。

辻村清行(つじむら きよゆき)
株式会社NTTドコモ プロダクト&サービス本部長。学術博士(東京工業大学)。
1950年生まれ。マサチューセッツ工科大学経営大学院修了。
主要業績に、「パーソナル・メディアによる情報流通量についての考察」『情報通信学会誌』77、vol.23、No.1(2005年)、「固定電話と携帯電話の代替・補完関係に関する計量分析」『情報通信学会誌』81、vol.24、No.2(2006年)など。

土屋大洋(つちや もとひろ)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科助教授。博士(政策・メディア)。
1970年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科後期博士課程修了。
主要業績に、『ネットワーク・パワー——情報時代の国際政治』(NTT出版、2007年)、『ネット・ポリティックス——9・11以降の世界の情報戦略』(電気通信普及財団第19回テレコム社会科学賞受賞、岩波書店、2003年)、『情報とグローバル・ガバナンス——インターネットから見た国家』(慶應義塾大学出版会、2001年)。など。

近藤勝則(こんどう まさのり)
総務省情報通信政策研究所調査研究部長。
1967年生まれ。London School of Economics修士課程修了。
主要業績に、“Making Process of International Public Policy: Internet Governance”(Working Paper, April 2005, Harvard University)、“Pay TV Market Analysis in Japan: Market Environment of CATV and DBS”(June 2006, International Telecommunication Society)、『続 中央省庁の政策決定過程』(中央大学出版会、2002年)など。

目次

巻頭言      安西祐一郎
刊行にあたって  小林 良彰
序        菅谷実・金山智子

序章 市民意識形成とデジタル・ネットワーク   菅谷  実
 Ⅰ 情報通信基盤の進化とメディア・コミュニケーション
 Ⅱ デジタル・ネットワーク
 Ⅲ 現実社会とネットワークの融合空間

第1章 インターネットを通じた社会関係資本形成とその帰結   宮田加久子
 はじめに
 Ⅰ ネット時代の社会関係資本
  1 社会関係資本とは何か
  2 2種類の社会関係資本
 Ⅱ インターネットを活用した社会関係資本の形成・補完過程 
  1 インターネット利用は社会的ネットワークを形成するのか
  2 インターネット利用と規範や信頼
  3 オンライン・コミュニティ内での信頼
 Ⅲ 社会関係資本活用の効果
  1 社会参加への効果
  2 オンライン・コミュニティによって異なる効果
 Ⅳ 社会関係資本の負の効果
  1 過度の同質化
  2 新しいデジタル・デバイドの始まり
 Ⅴ インターネット利用が拓く社会関係資本の豊かな社会に向けて
 おわりに

第2章 市民と行政との協働による地域情報化   金山 智子
 はじめに
 Ⅰ 市民社会における地域情報化
  1 市民活動と社会関係資本
  2 市民と自治体の協働
  3 協働による地域情報化
 Ⅱ 市民と行政の協働事例
  1 事例①——「KA・YELL(カ・エール)」(札幌市厚別区)
  2 事例②——子育て支援ホームページ「ぴっぴ」(静岡県浜松市)
 Ⅲ 考察
  1 参加者の意義
  2 異なる主体間の関係
  3 地域との関係
おわりに——地域情報化と社会関係資本

第3章 社会関係資本を築く地域情報デザイン    河井 孝仁
 Ⅰ 「地域」をとりまく課題
  1 地域とは何か
  2 関心をともにする集合の意義
  3 社会関係資本をめぐる地域課題
 Ⅱ 「地域情報デザイン」という発想
 Ⅲ eコミュニティしまだの情報デザイン
  1 単位——「コミュニティ・セル」という設定
  2 構造——共有ポータルとセル・ポータルによる二重性
  3 運営——連携の手法
  4 評価
 Ⅳ 地域ブログポータル「はまぞう」の情報デザイン
  1 単位——非制度的クラスターの存在 
  2 構造——互酬的な見守りのシステム 
  3 運営——信頼を築く
  4 評価
  5 展望される困難
 Ⅴ 社会関係資本を築く地域情報デザイン 
  1 関心をともにする集合を基礎とした設計
  2 情報共有の場による一覧化
  3 多様な方法による情報の連携
 Ⅵ 結論にかえて——地域を担う「人」を生成するデザイン

第4章 携帯電話の普及とコミュニティ形成   辻村 清行
 はじめに 
 Ⅰ パーソナル・メディアとしての携帯電話の特性
  1 携帯電話の情報流通量
  2 携帯電話のコミュニケーション機能
  3 携帯電話のWebサイト利用機能
 Ⅱ 携帯電話とコミュニティ
  1 情報通信技術とコミュニティ
  2 携帯コミュニケーション機能とコミュニティ
  3 携帯Web利用とコミュニティ
 Ⅲ 今後の課題
 おわりに

第5章 インターネット・コミュニティの変容
    ——社会関係資本と創造性資本による検証
   土屋 大洋
 はじめに
 Ⅰ 社会関係資本と創造性資本
  1 社会関係資本と創造性資本の論争
  2 創造的階層の逃走
  3 インターネット・コミュニティにおける変化
 Ⅱ IETFとRFCの国際化
  1 RFC成立数の推移
  2 RFCの国際化
  3 インターネット・コミュニティの拡散
 おわりに

第6章 公共政策の決定過程におけるCivil Societyの役割   近藤 勝則
 はじめに
 Ⅰ 国際場裏へのCivil Societyの登場
  1 パレスチナ難民支援の会議
  2 世界情報社会サミット
 Ⅱ 従来型の国際公共政策形成
  1 主権概念の誕生
  2 国際問題の処理の歴史
  3 国内との比較
  4 国内的意思決定体制に関する思想の国際公共政策決定過程への影響
  5 民主制再論
 Ⅲ 新しい潮流
  1 グローバリゼーションの進展
  2 インターネットの登場
 Ⅳ 新たな枠組みの形成
  1 国際公共政策における民主制の再構築
  2 事例——インターネット・ガバナンス
 Ⅴ 今後の展望


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