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<ポスト戦後>としての一九八〇年代バブル文化論

バブル文化論 <ポスト戦後>としての一九八〇年代

原宏之:著
四六判 270ページ 上製
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-1286-4(4-7664-1286-9) C36
奥付の初版発行年月:2006年06月

内容紹介

一九八〇年代とはなんだったのか?
マスメディアに媒介されたオピニオンも、ファッションに媒介されたアイデンティティも、
他者の意識に媒介された自己意識も、等しくメディア時代の産物である。——
気鋭の著者が描く、八〇年代の生の感覚。

「一九八〇年代」を語る際に、いわゆるニューアカなどの「知のモード」の影響が過度に重視される傾向があるが、八〇年代の特異性は、むしろ、<戦後>を真に脱却しつつあったこの時代の混沌のエネルギーが抑圧から解放され花開いた《バブル文化》(ストリート文化、大衆文化)にこそ見出される。本書では、一九八四年〜八六年の間に、日本社会が《バブル文化》に移行するとのテーゼのもと、その前/後の政治・経済状況にも目を配り、いまだ語られずにいる「八〇年代」の特殊性を浮き彫りにする。


原 宏之(はら ひろゆき)
明治学院大学教養教育センター助教授
1969年生まれ。パリ第10大学人文学科群博士課程中退。学術修士。
日本学術振興会特別研究員(東京大学)・東洋大学等非常勤講師(2001-2002)を経て、明治学院大学専任講師(2002年)。2005年より現職。
専攻は、教養(表象メディア論・言語態分析)および比較思想史。
著書に『<新生>の風景』(冬弓舎)、訳書にジャック・デリダ/ベルナール・スティグレール『テレビのエコーグラフィー』(NTT出版)、『ミシェル・フーコー思考集成』(分担訳−筑摩書房)など。

目次

はじめに
序章 超越の消失——一九八〇年代の歴史的位相
第1章 原宿——「八〇年代」若者の祝祭空間
第2章 《バブル文化》の予兆——「八〇年代」若者の編成
第3章 「いまは、ココ!」の闘い——八〇年代の《中心と周縁》
第4章 《バブル文化》のしあわせ探し——「おたく」と「渋カジ」の分水嶺
第5章 ドラマの変貌——都市のBGM、街の語り
第6章 「楽しくなければ、テレビじゃない!」——とんねるずとフジテレビの時代
終章 抑圧からの解放——<戦後の終わり>としての八〇年代
 注釈
 あとがき
 八〇年代を知るためのキーワード
 一九八〇年代年表


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