目次

序章　研究の目的と意義
（一）　「専門家重視政策」とその政策過程
（二）　一九九〇年代以降の変容
（三）　研究の意義
（四）　本書の構成

第一部　分析アプローチ

第一章　専門家の自律性と医療政策過程

第一節　専門家の自律性とその条件
（一）　医療における専門家とその自律性
（二）　自律性を支える条件
（三）　自律性に対する介入
第二節　医療政策過程分析へ
（一）　政策過程分析へ
（二）　政策過程分析の要点
第三節　医療政策過程の変容と現代アメリカ政治
（一）　現代アメリカにおける政策過程の変容
（二）　利益団体政治の変容
（三）　本書の分析対象の位置づけ

第二章　「専門家重視政策」とその政策過程
第一節　従来までの医学研究政策過程と科学者の自律性
（一）　医学研究大国へ
（二）　科学者の医学研究活動上の自律性の尊重
（三）　政策過程の特質
（四）　科学者コミュニティと政治
第二節　従来までの医療保険政策過程と医師の自律性
（一）　国民皆医療保険制度の不在
（二）　医師の診療活動上の自律性の尊重
（三）　政策過程の特質
（四）　アメリカ医師会と政治

第三章　医療政策過程の変容とその背景要因
第一節　医学研究政策過程の変容
（一）　利益団体政治の変容
（二）　新たな政治的争点の出現と対立の激化
第二節　医療保険政策過程の変容
（一）　利益団体政治の変容
（二）　新たな政治的争点の出現と対立の激化

第二部　医学研究政策

第四章　　医学研究の優先順位決定問題をめぐる対立
第一節　エイズ・乳癌患者団体の政治活動の活発化と問題の政治的争点化
（一） エイズ患者団体の政治活動の活発化
（二）　乳癌患者団体の政治活動の活発化
（三）　一九九三年国立衛生研究所再授権法の成立
第二節　科学者コミュニティの懸念と問題の重要性の増大
（一）　パーキンソン病患者団体の政治活動の活発化
（二）　ユーダル法の成立
（三）　医学研究の優先順位決定問題の重要性の増大
第三節　医学研究の優先順位決定システムの改革
（一）　公聴会の開催
（二）　医療研究所の報告書
（三）　国立衛生研究所の改革

第五章　生命倫理問題をめぐる対立
第一節　胎児組織研究問題
（一）　問題の政治的争点化
（二）　科学者コミュニティの支持と法案の可決
（三）　プロ・ライフ派団体の反対とクリントン政権誕生による変化
第二節　ヒト胚・胚性幹細胞研究問題
（一）　問題の政治的争点化
（二）　研究規制の緩和と科学者コミュニティの支持
（三）　プロ・ライフ派団体の反対とブッシュ大統領の決定
第三節　クローン研究規制問題
（一）　問題の政治的争点化
（二） 　科学者コミュニティとプロ・ライフ派団体の対立
（三）　ブッシュ大統領の演説と対立のさらなる激化

第三部　医療保険政策

第六章　供給者運営組織問題をめぐる対立
第一節　メディケア・マネジドケアと新たな対立の激化
（一）　メディケア・マネジドケアの促進
（二）アメリカ医師会の懸念と供給者運営組織の促進
（三）　民間医療保険団体の反対と対立の激化
第二節　両団体間対立の激化と法案の不成立
（一）　共和党によるメディケア改革と民間医療保険団体
（二）　供給者運営組織問題をめぐる両団体の主張と共和党
（三）　両団体間対立の激化と法案の不成立
第三節　財政均衡法の成立とその後
（一）　メディケア改革の本格化
（二）　　両団体間対立の激化と財政均衡法の成立
（三）　その後の展開

第七章　「患者の権利」の保障問題をめぐる対立
第一節　問題の政治的争点化
（一）　マネジドケアの問題点
（二）　「患者の権利」保障問題の政治的争点化
（三）　アメリカ医師会と民間医療保険団体・企業団体の対立
第二節　審議の開始と各団体の対応
（一）　諮問委員会の設置と各団体の活動開始
（二）　民主党の法案提出とアメリカ医師会の支持
（三）　民間医療保険団体・企業団体の反対と審議の難航
第三節　両団体間対立の激化と法案の不成立
（一）　上下院での法案可決
（二）　両団体の活動活発化と法案の不成立
（三）　二〇〇一年以降の展開

第八章　医師の団体交渉問題をめぐる対立
第一節　問題の政治的争点化
（一）　医師の団体交渉をめぐる問題
（二）　アメリカ医師会内の動向
（三）　団体交渉への流れ
第二節　団体交渉権確立の動きと民間医療保険団体・企業団体の反発
（一） 勤務医による労働交渉組織と開業医の団体交渉権確立へ
（二） 民間医療保険団体・企業団体の反対
（三）　法案の審議
第三節　両団体間対立の激化と法案の不成立
（一） アメリカ医師会の積極姿勢と民間医療保険団体・企業団体の反対
（二） 法案の不成立
（三） その後の展開

終章　概括と展望
（一）　概括
（二）　展望
（三）　直面している課題

あとがき
主要参考文献
索引