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現代語訳童蒙おしえ草 ひびのおしえ

現代語訳童蒙おしえ草 ひびのおしえ

福沢諭吉:著, 岩崎弘:訳・解説
B5変型判 352ページ 上製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-7664-1203-1(4-7664-1203-6) C8097
奥付の初版発行年月:2006年01月

内容紹介

明治5年、福沢諭吉は西洋の道徳的な物語を集めたイギリスの"Moral Class-book"という本を、『童蒙おしえ草』という題名で日本に紹介しました。「ひびのおしえ」は、福沢諭吉が38歳の時、自分の息子たちに毎日一つずつ、家庭での約束や決まり事を半紙に書いて与えたものです。 本書は、慶應義塾幼稚舎教諭の訳者が、今の子どもたちに、保護者の方や先生方といっしょに読んで、いっしょに考えてもらいたいと願って、わかりやすい現代の言葉づかいに直したものです。


岩崎 弘 (イワサキ ヒロシ)
1944年生まれ。慶應義塾幼稚舎教諭。
1969年明治学院大学経済学部卒業、白百合学園小学校教諭を経て、1974年慶應義塾幼稚舎教諭に就任。慶應義塾福澤研究センター所員、福澤諭吉協会会員。三田剣友会賛助会員、港区剣道連盟理事、全日本剣道連盟錬士六段。
主な著書に、『子どもの喜ぶ社会科クイズ&パズル&ゲーム』〈低学年〉〈中学年〉〈高学年〉〈社会科編〉(共著、黎明書房、1993年)、『百と二十五年の物語』(創立125年記念「私たちの幼稚舎」第1巻、共著、慶應義塾幼稚舎、1999年)、『福沢諭吉著 童蒙をしへ草 口語訳・解説』(慶應義塾初等教育シリーズ4、慶應義塾幼稚舎、1996年)。

目次

童蒙おしえ草 巻の一
第一章 生き物を大切に
(イ)少年たちとかえる(寓言[たとえ話])
(ロ)兄弟と小鳥の巣
(ハ)少年と顕微鏡
(ニ)刑務所のラ・テュードとねずみ
〔解説〕

第二章 家族を大切に
(イ)親を背負うねずみ
(ロ)親を大切にする若者(アナピアスとアンフィノムス)
(ハ)アレキサンダー大王と母
(ニ)フレデリック大王とその家来
(ホ)ポルトガルの兄と弟
〔解説〕

第三章 いろいろな人との交流
(イ)君主アルフォンソ
(ロ)主人の言葉
(ハ)お手伝いのメアリ
(ニ)プランクスの友情(ローマの古い大統領)
(ホ)主人を助けた従者
〔解説〕

第四章 働くこと
(イ)考えた遺言(寓言)
(ロ)ケレシンの魔法
(ハ)よく働く大工
(ニ)ベンジャミン・フランクリン
(ホ)貧しいリチャードの諺
(ヘ)暇にしていられない
(ト)暇すぎた人の話
〔解説〕

第五章 自分の子ことは自分でする
(イ)ヘラクレス神
(ロ)麦畑のひばり(寓言)
(ハ)貴族ロバート・アイネスの独立
(ニ)「行け」と「来い」との違い
〔解説〕

第六章 あわてないこと
(イ)考えの違う二人の婦人
(ロ)娘の機転
(ハ)火 薬
〔解説〕

童蒙おしえ草 巻の二
第七章 自分で考え自分で判断し実行すること
(イ)動くものは月か雲か
(ロ)インディアンの機転
(ハ)ねずみと卵
(ニ)遭難した水夫
(ホ)画家の助手の投げた皿
(へ)フランス人を捕らえた少年
〔解説〕

第八章 威張ったり、うぬぼれたりしないこと
(イ)仮着をしたカラス
(ロ)アイザック・ニュートンの人柄
〔解説〕

第九章 礼儀のこと
(イ)一杯の水
(ロ)イギリス人の親切
(ハ)フランス国王ルイ十四世の礼儀
〔解説〕

第十章 飲食こと
(イ)二匹の蜜蜂
(ロ)ルーイス・コーナロの発心
(ハ)ジャック・スィムキンの禁酒
(ニ)美味は粗食にあり
〔解説〕

第十一章 健康なこと
(イ)湿気深い家
(ロ)胃の病気を治す名高い医師
(ハ)若い男の風邪
〔解説〕

第十二章 自ら満足すること
(イ)黄金の卵を生むガチョウ(寓言)
(ロ)イギリスの宰相ダンダス
(ハ)御殿のねずみと田舎のねずみ
(ニ)貧院の婦人
(ホ)かえるの仲間に王様を(寓言)
〔解説〕

第十三章 お金を無駄に使わない
(イ)ありときりぎりす(寓言)
(ロ)英雄の倹約
(ハ)質素で倹約な家庭(ハンエルの文)
(ニ)ハーフ・ア・クラウンのお金の値うち
〔解説〕

童蒙おしえ草 巻の三
第十四章 思いやりのある心
(イ)ジョン・ハワードの収容所の改革
(ロ)騎兵隊長フィリップ・シドニの心
(ハ)市長ジョージ・ドラモンドの親切
(ニ)ポーランドの将軍コシューシコの馬
(ホ)ローマの皇帝ティトゥスの一日
(ト)日々つとめること
〔解説〕

第十五章 怒ったり、我慢したりすること
(イ)ギリシャの哲学者ソクラテスの忍耐
(ロ)気だてのよい人の話
(ハ)我慢でまとまった家族
(ニ)恨みを忘れてその罪を許した人
(ホ)海賊とラーティング
(へ)ウベルトの我慢
(ト)トービーおじさんとハエ
〔解説〕

第十六章 穏やかなこと
(イ)風と太陽と旅人と(寓言)
(ロ)ジョーゼフ・ホルトと囚人
(ハ)君主アルフォンソのやさしさ
〔解説〕

第十七章 自分の物と他人の物
(イ)つばめの巣を盗んだすずめ
(ロ)ミラノの門番の拾い物
(ハ)レナードの判断
(ニ)モーゼス・ロートシルト(ドイツの国際金融業者)
〔解説〕

第十八章 他人の名誉
(イ)ソクラテスを陥れたこと
(ロ)美人ヘレン・プライム
〔解説〕

童蒙おしえ草 巻の四
第十九章 自由と権利
(イ)フランスの「ジャックリーの一揆」
(ロ)トーマス・クラークソン(奴隷廃止論者)
〔解説〕

第二十章 仕事を誠実にすること
(イ)目の見えない人と盲導犬
(ロ)ジョージ・ワシントン(アメリカの初代大統領)
(ハ)裁判官ギャスコイン
(ニ)誠意のある選挙人
〔解説〕

第二十一章 お金の貸し借り
(イ)バレイスの君主ジョージ・ルーイスの倹約
(ロ)アメリカ商人デナムの返済
(ハ)貴族ウェルズリーの義理がたさ
〔解説〕

第二十二章 品 格
(イ)ジョージ・デイドの品格
〔解説〕

第二十三章 買物をするとき
(イ)正直な少年
(ロ)うそをついた商人
〔解説〕

第二十四章 約 束
(イ)ムーア人のしきたり
(ロ)フランス王ジャン二世の約束
〔解説〕

第二十五章 人の邪魔や悪戯
(イ)蜜蜂と黄蜂(寓言)
(ロ)象と洋服屋のいたずら
〔解説〕

第二十六章 うそや偽りのいけないこと
(イ)羊飼の少年が「狼」と叫んだこと
(ロ)正直とうそ(ロバートとフランク兄弟)
(ハ)アメリア・バーフォードのうそ
(ニ)ヘレン・ウォーカーの真実
〔解説〕

童蒙おしえ草 巻の五
第二十七章 心の広い人
(イ)マケドニアの君主フィリップ
(ロ)ウィリアム三世とゴドルフィン
(ハ)マダム・ヴィラサーフ
(ニ)若い画家三人
(ホ)やせ犬のわずらわしさ
(ヘ)ハバナの市長(キューバの港)
〔解説〕

第二十八章 勇気のある人
(イ)グレイス・ダーリング
(ロ)瓦職人の子トム
〔解説〕

第二十九章 わが国を大切にし、外国と仲よくすること
(イ)ギリシャの将軍テミストクレス
(ロ)フランスのカレーの義士
〔解説〕

ひびのおしえ 一編
おさだめ(七つの大切なこと)
本を読む
ひどいことをしない
子どもの独立
人の心の違い
心の障害
体と衣類を清潔に
勇気とは
ゴッド(神、創造主)の心
人間と動物との違い
桃太郎と鬼が島
心の怪我
数を知ること
一日の時(昔の時)
おだやかにすること
難しい仕事をする人、易しい仕事をする人
人のふりみて我がふりなおせ

ひびのおしえ 二編
おさだめ(六つの大切なこと)
天道さまのおきて
学問をすべし
日本の時と西洋の時
時 刻
矩尺とくじら尺
一歩、一畝、一反、一町
雪は白く、墨は黒い
社会のために役立つこと
色の白と黒


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