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ジェネラティビティ・クライシスをめぐって〈次世代を育む心〉の危機

G-SEC eyes
〈次世代を育む心〉の危機 ジェネラティビティ・クライシスをめぐって

B7 182ページ 並製
価格:1,980円 (消費税:180円)
ISBN978-4-7664-1059-4(4-7664-1059-9) C0336
奥付の初版発行年月:2004年04月 / 発売日:2004年04月上旬

内容紹介

ジェネラティビティ・クライシス(<次世代を育む心>の危機)をキー概念として「ひきこもり」「児童虐待」「中高年のうつ病」といった現代社会の代表的な精神病理を、慶應義塾大学病院の現役の臨床医師が易しく解説。社会構造と心理構造との関連性を押さえつつ、その克服法を模索する。「モラトリアム」「パラサイト・シングル」「ネグレクト」といったトピックに関するコラム15編も収録し、メンタルヘルスの入門書としても最適。



小此木啓吾(おこのぎけいご)
慶應義塾大学医学部卒
慶應義塾大学医学部精神神経科助教授、慶應義塾大学環境情報学部教授を経て、
東京国際大学人間社会学部教授、慶應義塾大学客員教授。
専門は、精神医学、精神分析学。
主な著書
『現代精神分析の基礎理論』(弘文堂、1985)
『フロイト−その自我の軌跡』(NHK出版、1973)
『モラトリアム人間の時代』(中央公論社、1978)
『精神分析のすすめ−わが国におけるその成り立ちと展望』(創元社、2003)、他多数。
平成15年9月21日没

濱田庸子(はまだようこ) 
慶應義塾大学医学部卒
慶應義塾大学医学部精神神経科助手、聖徳大学保健センター助教授を経て、
現在、慶應義塾大学環境情報学部助教授、同大学医学部精神神経科兼担助教授。
専門は、精神医学、乳幼児精神保健、学校精神保健。
主な著書
『乳幼児精神医学の方法論』(岩崎学術出版社、1994、共著)
『早期関係性障害−乳幼児期の成り立ちとその変遷を考える』(訳書、岩崎学術出版社、2003、共訳)

山田康(やまだやすし)
東京医科歯科大学医学部卒
井の頭病院勤務を経て、現在、慶應義塾大学医学部精神神経科助手。
専門は、児童思春期精神医学、摂食障害、臓器移植のメンタルヘルス

目次


はじめに 濱田庸子

第1章 ジェネラティビティ・クライシス(generativity crisis):次世代を生み育てる心の危機とは? 濱田庸子
Introduction
1 少子高齢化社会
2 ジェネラティビティ・クライシス
3 アイデンティティ(identity)の確立
4 心理・社会的モラトリアム
5 「父親」のいない社会
6 社会構造の変化と心理構造の変化

 Column 1 日本はモラトリアム社会?
 Column 2 欧米と日本のモラトリアム意識の違いは?
 Column 3 「団塊の世代」とベトナム戦争
 Column 4 「一人っ子」「鍵っ子」と母子密着

第2章 思春期・青年期の心の危機:ひきこもり 濱田庸子
Introduction
1 思春期・青年期の発達課題
2 思春期・青年期の心の危機
3 社会的ひきこもり
4 社会的ひきこもりの多様性
5 ひきこもりの精神病理
6 ひきこもりへの対応

 Column 5 パラサイト・シングル

第3章 家庭における心の危機:児童虐待を中心に 濱田庸子
Introduction
1 児童虐待とは何か?
2 児童虐待の現状
3 虐待された子どもはどうなるのか?
4 児童虐待のメカニズム
5 児童虐待の予防に向けて

 Column 6 父親による児童虐待
 Column 7 児童虐待が増える理由
 Column 8 母性のコンステレーションは意識的な過程か 
 Column 9 ネグレクトする母親の心理
 Column 10 虐待してしまう母親にどう対応すべきか
 Column 11 父親の役割
第4章 社会の変化と中高年の心の危機(1) 山田康
Introduction
1 中高年世代にみられる精神障害
2 精神医学の流れ
3 中高年の気分障害
4 「うつ病」以外の精神障害
5 心の危機を克服するために

Column 12 治療薬の効果
 Column 13 産業医

第5章 社会の変化と中高年の心の危機(2) 小此木啓吾
Introduction
1 アイデンティティとは何か?
2 ライフサイクルと心の危機
3 ジェネラティビティ・クライシス

 Column 14 「上昇停止症候群」をいかに克服するか
Column 15 女性における「上昇停止症候群」


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