大学出版部協会

 

アメリカと東アジア

現代東アジアと日本6
アメリカと東アジア

B7 304ページ 上製
価格:3,740円 (消費税:340円)
ISBN978-4-7664-1046-4(4-7664-1046-7) C3031
奥付の初版発行年月:2004年08月 / 発売日:2004年08月上旬

内容紹介

冷戦後アメリカの東アジア関与の意味と方向性を多面的に理解する。
アメリカのアジア政策の動態を、政策方針の歴史的な積み重ねと、国内要素が与える影響を意識しつつ、明らかにする。


ロナルド・H・スペクター(Ronald H. Spector)
米国 ジョージ・ワシントン大学教授
1943年生まれ。イェール大学歴史学博士。慶應義塾大学法学部特別招聘教授(2000—01年)。
主要著作に、After Tet: The Bloodiest Year in Vetnam (1993), Eagle Against the Sun: The American War with Japan (1985), At War at Sea: Sailors and Naval Combat in the Twentieth Century (2002) など。

久保文明(くぼ・ふみあき)
東京大学大学院法学政治学研究科教授、慶應義塾大学法学部客員教授
1956年生まれ。東京大学法学部卒業(法学博士)。
主要著作に、『現代アメリカ政治と公共利益—環境保護をめぐる政治過程—』(東京大学出版会、1997年)、『国際社会研究Ⅰ 現代アメリカの政治』(共著、放送大学教育振興会、2002年)、『G.W. ブッシュ政権とアメリカの保守勢力—共和党の分析—』(編著、(財)日本国際問題研究所、2003年)など。

西川吉光(にしかわ・よしみつ)
東洋大学国際地域学部教授
1955年生まれ。大阪大学大学院法学研究科博士後期課程修了(法学博士)。
主要著作に、『国際政治と軍事力』(北樹出版、1989年)、『ヘゲモニーの国際関係史』(晃洋書房、1995年)、『現代国際関係史Ⅰ〜Ⅳ』(晃洋書房、1995年〜2002年)など。

ジェームズ・プリスタップ(James Przystup)
米国 国防大学国家戦略研究所(INSS)上級研究員
1943年生まれ。シカゴ大学歴史学博士。慶應義塾大学法学部訪問研究員(1972—75年)。
主要著作に、Between Diplomacy and Deterrence: Strategies for U.S.-Relations with China (co-editor, 1997), """"Asia's Transition Diplomacy"""" (co-author), Survival (Autumn, 1999), INSS Special Report, The U.S.-ROK Alliance Building a Mature Partnership, Military Transformation: Enhancing Capabilities and Commitment (INSS, 2004) など。

小笠原高雪(おがさわら・たかゆき)
山梨学院大学法学部教授
1961年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。
主要著作に、『東アジア地域主義と日本外交』(共著、日本国際問題研究所、2003年)、『アジア政治経済論』(共著、NTT出版、2001年)、『現代アメリカ外交の転換過程』(共著、南窓社、1999年)など。

赤木完爾(あかぎ・かんじ)
慶應義塾大学法学部教授
1953年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了(法学博士)。
主要著作に、『ヴェトナム戦争の起源』(慶應通信、1991年)、『第二次世界大戦の政治と戦略』(慶應義塾大学出版会、1997年)、『朝鮮戦争—休戦50周年の検証・半島の内と外から—』(編著、慶應義塾大学出版会、2003年)、など。

湯浅成大(ゆあさ・しげひろ)
東京女子大学現代文化学部教授
1957年生まれ。東京大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学。
主要著作に、「アメリカ議会の動向とアメリカの対中国政策の方向性」『日米関係と日本』(日本国際問題研究所、2002年)、「キューバミサイル危機—冷戦とデタントの交錯点—」岩波講座『世界歴史』26(岩波書店、1999年)、「冷戦初期アメリカの中国政策における台湾」(『国際政治』第118号、1998年5月)など。

神保謙(じんぼ・けん)
日本国際フォーラム研究主幹
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。
主要著作に、『ミサイル防衛—新しい国際安全保障の構図—』(森本敏編、国際問題研究所、2002年)、『アジア太平洋の多国間安全保障』(共著、日本国際問題研究所、2003年)、""""Emerging Feature of Multilateral Security in Asia-Pasific: From 'Double-Track' to 'Multi-Layered' Mecanism,"""" Global Economic Review, Vol. 32, No. 3, 2003. など。

上坂昇(こうさか・のぼる)
桜美林大学国際学部教授
1942年生まれ。東京外国語大学卒業。
主要著作に、『キング牧師とマルコムX』(講談社現代新書、1994年)、『現代アメリカの保守勢力—政治を動かす宗教右翼たち—』(ヨルダン社、1984年)、『増補 アメリカ黒人のジレンマ—「逆差別」という新しい人種関係—』(明石書店、1992年)など。

新田紀子(にった・のりこ)
外務省北米局北米第二課課長補佐
1956年生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業、スタンフォード大学政治学(A.M.)。
主要著作に、「思いやりのある保守主義—その政策的・政治的意味—」久保文明編『G・W・ブッシュ政権とアメリカの保守勢力』((財)日本国際問題研究所、2003年)、「実験国家・アメリカの不安」(『This is 読売』1996年10月号)、「米国の独立検察官制度—その成立と展開—」(『議会政治研究』第35号、1995年9月)、「変化の信託を担うクリントン氏」(『外交フォーラム』第51号、1992年12月)など。

張済国(チャン・ジェイクック)
韓国 東西大学国際関係学部教授
1964年生まれ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程単位取得退学(法学博士)。
主要著作に、「北朝鮮における結核治療支援」『アジアの経済発展と環境保全(第4巻)』(日本学術振興会未来開拓学術研究推進事業)(慶應義塾大学出版会、2002年)、「核開発疑惑をめぐる米国の北朝鮮政策の変容:グローバル政策と国別政策」(『法学政治学論究』第40号、1999年3月)、「米国の「拡大関与」戦略と米朝第三段階会談の前提条件:北朝鮮外交の展開過程を中心に」(『法学政治学論究』第41号、1999年6月)など。

泉川泰博(いずみかわ・やすひろ)
宮崎国際大学比較文化学部助教授
1967年生まれ。ジョージタウン大学政治学部博士(国際関係論)。
主要著作に、United We Stand, Divided They Fall: Use of Coercion and Rewards as Alliance Balancing Strategy (dissertation: Georgetown University, 2002);「第二次台湾海峡危機の再検証:二超大国の狭間の中国外交」(『国際政治』第134号、2004年予定); """"Strategic Innovation or Strategic Nonsense?"""" Evaluating the Bush National Security Strategy,"""" Japanese Journal of American Studies, No. 15 (June 2004) など。

目次

総 論 久保文明・赤木完爾

第1部 アメリカの東アジア関与の諸相

第1章 アメリカのアジア関与の原型
ロナルド・H・スペクター
はじめに 
一 国共内戦の再燃 
二 中国「喪失」とその影響 
三 インドシナ関与の始まり 
四 朝鮮戦争の勃発と中国の介入 
五 朝鮮戦争の影響  
おわりに  

第2章 国内政治の変容と外交政策
——とくに東アジアとの関連で 久保文明
はじめに
一 ベトナムからレーガンまで
1 ベトナム戦争とその後
(1) ベトナム以前
(2) ベトナム戦争と民主党の変化
(3) ニクソン路線のその後
2 レーガン主義
(1) レーガン主義者
(2) レーガン外交と中国
(3) レーガン外交と「ベトナムの教訓」その1
3 「ネオコン」登場
(1) ジャクソン上院議員
(2)「ネオコン」とレーガン
4 「ベトナムの教訓」その2——軍
(1) ワインバーガー・ドクトリン
(2) 湾岸戦争の遺産
二 「冷戦の勝利」とG.H.W. ブッシュの挫折
1 G.H.W. ブッシュの外交
(1) G.H.W. ブッシュの脱レーガン戦略
(2) 天安門の衝撃
(3) ブッシュ対ギングリッチ——その1
2 中道路線の破綻
(1) ブッシュ対ギングリッチ——その2
(2) G.H.W. ブッシュの挫折
三 政党の変容と外交
1 政党政治と外交政策
(1) 政党政治の構造的変容
(2) 外交政策への影響
(3) 共和党保守派の外交政策
2 外交と道徳
(1) 宗教保守派の共和党への浸透
(2) 外交への関与
(3) 左右の共闘
3 対アジア外交との関係で
(1) イデオロギーと政党対立
(2) 対中政策をめぐる対立——共和党の場合
(3) 対中政策をめぐる対立——民主党の場合
(4) 対中政策をめぐるジレンマ
(5) 対日政策の場合
4 世論の動向
(1) 冷戦終結と孤立主義的傾向
(2) 世論の「誤読」
(3) 転機としてのベトナム戦争
おわりに——「イラクの教訓」と2004年大統領選挙
1 9.11テロ事件の衝撃
2 並走する二つの選挙戦

第3章 冷戦後の日米安全保障関係
西川吉光
一 冷戦後の日米関係  
1 冷戦の終焉とアメリカの東アジア戦略  
2 湾岸戦争と日米同盟の試練  
3 経済重視のクリントン政権  
4 日米安保形骸化の懸念  
5 ナイ・イニシアティブと日米安保共同宣言  
6 沖縄米軍基地問題  
7 新ガイドラインと周辺事態法の整備  
8 ブッシュ政権とテロ対策特措法、自衛隊のイラク派遣  
二 アメリカにおけるアジア・太平洋地域の重要性と日本の価値  
三 日米中三国関係の中での日米安保  
四 日米同盟関係が抱える問題点  
1 理念の共有  
2 日米安保の双務性  
五 アメリカの持つ二面性  
六 好まれる同盟国から頼られる同盟国へ  

第4章 日米同盟の強化
ジェームズ・プリスタップ
はじめに  
一 国際的力学 1990年—2001年  
二 日本の対外環境の変化—「砂漠の盾作戦」から「イラク自由作戦」へ  
三 国内の変化  
四 将来のビジョン:2003年—2013年  
1 4年毎の国防計画見直し(QDR)  
2 国家安全保障戦略(NSS)  
五 日米同盟—ワシントンの視点  
六 朝鮮半島  
七 中国  
おわりに  

第5章 アメリカの東南アジア政策
——米越関係の回顧と展望 小笠原高雪
はじめに 
一 関係正常化の2つの段階  
1 外交関係の正常化  
2 アメリカ側の転換要因  
3 通商協定締結交渉  
二 東南アジアの安全保障と米越関係  
1 ベトナムの地政学的位置  
2 東南アジア政策における伝統  
3 米越軍事協力の模索  
三 軍事協力に対する制約要因  
おわりに  

第6章 東アジアにおける安全保障秩序の展望
——アメリカの視角 赤木完爾
はじめに  
一 力の現実と諸国家の多様性  
二 東アジア安全保障秩序構想の諸相  
1 ハブ・アンド・スポーク型の覇権秩序  
2 多極勢力均衡  
3 二極勢力均衡  
4 多元的安全保障共同体  
おわりに—9.11とその後—  

第2部 中国と朝鮮半島

第7章 冷戦終結後の米中関係
湯浅成大
はじめに  
一 ニクソンからレーガンまで  
二 模索するブッシュ・シニア政権  
1 天安門事件とアメリカ  
2 ブッシュ・シニアの迷走  
三 クリントンのエンゲージメント政策  
1 人権か貿易か  
2 エンゲージメント政策の展開  
四 台湾危機とアメリカ  
1 李登輝の訪米  
2 台湾総統選挙とミサイル実験  
五 建設的戦略パートナーシップからPNTRへ  
1 建設的戦略パートナーシップ  
2 共和党多数議会の反撃  
(1) 最恵国待遇更新をめぐる対立  
(2) 人工衛星とスパイ疑惑  
(3) コックス・レポート  
3 通常通商関係恒久的付与(PNTR)への道  
(1) 中国WTO加盟へ  
(2) 下院のPNTR反対派  
六 ブッシュ政権の2トラック・アプローチ  
1 中国は戦略的ライバル  
2 実務的実現主義  
3 2トラックの実際  
七 中国は脅威か  
1 中国「封じ込め」の論理  
2 台湾への武力行使はありうるか  
おわりに  

第8章 ミサイル防衛と東アジア
——「新しい枠組み」下での米中戦略関係の展望 神保 謙
はじめに 米国のミサイル防衛計画と「新しい枠組み」  
一 ブッシュ政権のミサイル防衛政策  
1 「新しい枠組み」演説と米国のミサイル防衛計画  
(1)「新しい枠組み」演説  
(2) ミサイル防衛計画の推移  
2 「新しい枠組み」構想と日米同盟  
二 ミサイル防衛と米中戦略関係の展望  
1 米中関係の新しい文脈  
2 中国の核・ミサイル開発の経緯  
3 中国の核ドクトリン——「不確実性」によって保たれる最小限抑止  
4 「最小限抑止」の確実性確保から「限定抑止」へ?  
5 米国における中国核開発に対する認識・対中国核運用計画——米中「暗黙の戦略的安定」の原型?  
三 米中戦略関係の将来像をめぐる諸論  
1 共通の前提  
2 米中の戦略抑止に関する議論の差異  
3 米国がとり得べき政策についての差異  
おわりに 米中核関係のダイナミズムに関する今後の展望  

第9章 宗教団体、人権団体、労働組合と中国
上坂 昇
はじめに  
一 近年の米中関係  
1 アメリカの中国観  
2 米中政府間の積極的な交渉  
二 信教の自由を要求するアメリカの宗教界  
1 中国の宗教事情  
2 アメリカの宗教団体から見た中国  
三 人権団体の見る中国  
1 アメリカの人権外交  
2 人権は国益に優先するという主張  
3 中国側の反論  
四 中国のWTO加盟とアメリカの労働組合  
1 中国のWTO加盟の背景  
2 労働組合と産業界の立場  
おわりに  

第10章 保守系シンクタンクの対中姿勢
——2000年選挙に向けた提言から9.11後まで 新田紀子
はじめに  
一 政策立案決定過程における保守系シンクタンクの役割  
1 利益団体としてのシンクタンク  
2 保守系シンクタンクと中国  
二 対中政策全般  
1 民主化の強調:アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)  
2 強固な軍事プレゼンスの維持と経済関係の推進:ヘリテージ財団  
3 中国の核戦力・台湾への武力行使への対抗:PNAC  
4 「普通の大国」としての中国、バランサーとしての米国:ケート研究所  
5 非保守系シンクタンクの見方の一例:ブルッキングス研究所(ブルッキングス)  
三 危機管理(EP-3衝突事件)と台湾問題  
1 米中軍用機接触事件(EP-3事件)  
2 台湾——武器売却、ブッシュ発言——  
四 9.11後の米中関係  
1 9.11後  
2 経済問題  
3 北朝鮮の核開発問題  
4 台湾における住民投票  
おわりに  

第11章 冷戦後の朝鮮半島
——外交政策の動態 張 済国
はじめに  
一 クリントン政権の対外政策基調と朝鮮半島問題  
1 安全保障政策基調との整合性  
(1) クリントン政権の対外認識 
(2) 対外政策の基調 
(3) 北朝鮮問題:変化した対外政策との整合性  
二 核開発疑惑をめぐる米国の北朝鮮政策の変容  
1 クリントン政権の誕生と北朝鮮のNPT脱退宣言  
2 米朝直接会談の受容と対話の質的変化  
(1) 米朝共同声明に表れた非核議題  
(2) 米朝第2段階会談における核以外の問題の深化  
3 牽引要因としての金泳三政権  
4 対北朝鮮「拡大関与」政策の兆し  
三 金大中政権の登場と米国の朝鮮半島政策  
1 金大中政権の「太陽政策」  
2 南北首脳会談  
四 ブッシュ政権の北朝鮮政策の性格と展望  
1 9.11以前の北朝鮮政策:一般対外政策としての北朝鮮政策  
2 2001年6月の対北朝鮮対話再開提言の意味  
3 9.11以後の安全保障観の変化と深化する北朝鮮政策の一般政策化  
おわりに  

第12章 冷戦後の朝鮮半島
——安全保障ジレンマ理論の視角 泉川泰博
はじめに  
一 理論的枠組み  
二 ポスト冷戦期におけるアメリカの朝鮮半島政策の変遷  
1 北朝鮮の核開発危機とアメリカ外交  
(1) 北朝鮮外交の活発化とアメリカの反応:関与政策から強硬策への漂流  
(2) 北朝鮮の瀬戸際外交と米朝交渉  
(3) 関与政策への反発と南北の板ばさみに悩むアメリカ  
2 金大中の登場からペリー報告へ  
(1) 枠組み合意存続の危機  
(2) ペリー報告と日米韓連携の重要性の再認識  
3 ブッシュ大統領の登場  
(1) ブッシュ政権の強硬政策  
(2)「悪の枢軸」演説と米朝・米韓関係の悪化  
おわりに  

執筆者紹介 


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