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グローバル・セキュリティ入門

G-SEC eyes
グローバル・セキュリティ入門

B7 192ページ 並製
価格:1,650円 (消費税:150円)
ISBN978-4-7664-1037-2(4-7664-1037-8) C0331
奥付の初版発行年月:2005年05月 / 発売日:2005年05月上旬

内容紹介

国際的テロ、感染症、通貨金融危機、環境・エネルギー問題・・・。科学技術の発展は、テレビの向こう側にあった現象を私たちの身近な危機へと変えた。今日の私たちが直面している危機は、連鎖反応をしながら姿を変え、地理的・時間的な距離の概念を大きく超えて急速に伝播する。この「新たな危機」を理解するための「グローバル・セキュリティ」という考え方をわかりやすく紹介する知的で楽しい入門書。


薬師寺泰蔵
内閣府総合科学技術会議議員。慶應義塾大学客員教授。

竹内勤
慶應義塾大学医学部教授

福井弘道
慶應義塾大学総合政策学部教授

小林良彰
慶應義塾大学法学部教授

赤林英夫
慶應義塾大学経済学部助教授

目次

第1部 グローバル・セキュリティ入門のためのガイダンス

第一章 「新しい危機」の登場  薬師寺 泰蔵

グローバル・セキュリティとは何か/新しいリスク社会の到来/現代的リスク問題の特徴/構造的危機問題の例——キューバ危機/非構造的な危機の特徴/非構造的危機としての環境問題/異なるレベルの社会/「システム」としての社会/「フラクタル社会」の考え/リスク・パワーとカウンター・パワー/新しいリスク研究プロジェクトの必要性

第二章 G-SECマインド   薬師寺 泰蔵

G-SECマインドとは何か/ケテリス・パリブスの誤謬/動いているものを表現する——データの動的な可視化/既存科学の「翻訳」への挑戦/「翻訳」——新しいメガネを使うことで、見えなかったものが見えるようになる/「構造」ではなく、パターンを探す/政策科学の「第三ステージ」に向けて/非構造的危機解決のための人材養成の必要性/「専攻モジュール」と「政策エディティング」/G-SECセンターの必要性

第2部 G-SEC探訪

 第三章 グローバル・イシューとしての感染症   竹内 勤

一 デンバーサミット  
二 先進国と開発途上国の比較   
  マラリア/WHOの挑戦/マラリア流行のきっかけ  
三 日本の経験     日本の経験の意味  
四 日本の取組み     自立した人材の育成  
五 今後の展開

第四章 空間情報と危機管理政策   福井 弘道

一 ジオ・インフォマティックスと空間情報社会
 地域情報力/ジオ・インフォマティックス・プログラム/ジオ・イン  フォマティックスで見る世界/総合政策科学としてのリスク研究の枠組み

二 「九・一一」以降の危機管理
  「九・一一」の際の対応/ホームランド・セキュリティ/カリフォル    ニア州の事例/マルチハザード・マッピング・イニシアチブ/Ge    oNODE/オープンGISコンソーシアム
  
三 リスク対応型社会
  リスク・コミュニケーション/リスク・コミュニケーションへの取組み  /総合リスク情報マネジメント・システムの構築/岐阜県ふるさと地理  情報センター/日本の空間情報管理——統合型GIS/人材養成/デジ  タル・アース

第五章 地方自治体と民主主義の変容   小林 良彰  

一 何が危機なのか
  長期的な危機/民主主義の危機  
二 なぜ地域を見るのか
  先行指標としての自治体/地域で何が起きているのか  
三 時代の変化  
  市民の参加/地方分権一括法  
四 ニュー・パブリック・マネージメント
  行政の「顧客満足」/エンパワーメント/新しい政治文化
  /自治体とNP 
五 調査と分析
  調査の概要/調査の結果/分析の枠組み/市長のNPMに対する認知態  度と社会・経済環境/NPM型政策の採用とエンパワーメント  
六 結論と提言
 市民へのエンパワーメントとしての住民投票/意識の改革

 第六章 出稼ぎ労働と所得リスク   赤林 英夫
 
一 はじめに
  出稼ぎ労働とは/出稼ぎをめぐる疑問/農村社会のリスク  
二 グローバル化と人的資源のセーフティネット
  グローバル化がもたらすもの/家族の経済理論  
三 家計の抱えるリスクと出稼ぎの意味
  所得リスク、健康リスク、社会リスク/家計のリスク対応/出稼ぎ労働  の意味  
四 南アフリカ共和国における移動労働
  アパルトヘイト/「内なるグローバル化」としてのアパルトヘイト廃止 五 利用データと推計方法
  コンディショナル・ロジット・モデル/民主化と人口移動  
六 出稼ぎ労働の実証分析
  出稼ぎの発生頻度/出稼ぎの動機  
七 出稼ぎはリスク回避行動か
  分析結果の解釈/地域の雇用創出  
八 今後の課題
  出稼ぎ労働者の属性/労働移動による技術移転/今後の課題


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