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 草の根保守運動の実証研究〈癒し〉のナショナリズム

〈癒し〉のナショナリズム 草の根保守運動の実証研究

四六判 232ページ 上製
定価:1,800円+税
ISBN978-4-7664-0999-4(4-7664-0999-X) C1030
奥付の初版発行年月:2003年05月

内容紹介

「新しい歴史教科書をつくる会」とは何だったのか。
—〈日本〉という居場所をもとめて「つくる会」につどう人々—
「新しい歴史教科書をつくる会」を一事例に、保守系ナショナリズム運動の草の根的活動を担う、自称〈普通の市民〉たちのメンタリティを実証的に分析。人々の心の闇のひろがりによる共同性の喪失を浮き彫りにし、現代日本のナショナリズムの行方を問う。


小熊英二(おぐま・えいじ)
1962年生まれ。1987年東京大学農学部卒業。出版社勤務を経て、1998年東京大学教養学部総合文化研究科国際社会科学専攻大学院博士課程修了。現在、慶應義塾大学総合政策学部教員。

著書:『単一民族神話の起源』(新曜社、1995年)、『<日本人>の境界』(新曜社、1998年)、『インド日記』(新曜社、2000年)、『<民主>と<愛国>』(新曜社、2002年)、『ナショナリティの脱構築』(共著、柏書房、1996年)、『知のモラル』(共著、東京大学出版会、1996年)、『世紀転換期の国際秩序と国民文化の形成』(共著、柏書房、1999年)、『言語帝国主義とは何か』(共著、藤原書店、2000年)、『異文化理解の倫理にむけて』(共著、名古屋大学出版会、2000年)、『近代日本の他者像と自画像』(共著、柏書房、2001年)、『ネイションの軌跡』(共著、新世社、2001年)、A Genealogy of 'Japanese' Self-images(Trans Pacific Press, Melbourne, 2002)。


上野陽子(うえの・ようこ)
1978年生まれ。2002年慶應義塾大学総合政策学部卒業。
現在、金融機関勤務。

目次

序文 小熊英二

第一章 「左」を忌避するポピュリズム     小熊英二
—現代ナショナリズムの構造とゆらぎ

「下からのナショナリズム」運動/「価値観の揺らぎ」からの脱出/無定形から「保守」へ/天皇の位置/「保守の言葉」に回収される揺らぎ

第二章 「新しい公民教科書」を読む     小熊英二
—その戦後批判を点検する

個人主義だけがエゴイズムか/「防衛義務」の安直な強調/「国体論」との類似/マルクス主義の市民観にも似ている/戦後思想への無理解/強烈な欧米コンプレックス

第三章 <普通>の市民たちによる「つくる会」のエスノグラフィー    上野陽子
—新しい歴史教科書をつくる会神奈川県支部有志団体「史の会」をモデルに



問いの設定/先行研究の批判的検討/『歴史認識と授業改革』/『文化ナショナリズム の社会学』/研究対象・研究方法

1「史の会」のエスノグラフィー
 「史の会」の風景/沿革/組織構成/運営方法
2「史の会」を支える三タイプの参加者たち
  I サイレント保守市民/インタビュー:サイレント保守市民/ 
  II 市民運動推進派/インタビュー:市民運動推進派/ 
  III 戦中派/インタビュー:戦中派/各タイプ間の温度差/
    新しい「保守」と昔ながらの「保守」/運動支持派と運動推進派/
    「つくる会」本部への批判(運動論・組織論)/「弱気な日本」を    嘆く声—「史の会」の最大公約数
3 <普通>の市民たちの限界
  個人主義的な保守市民たち/教科書問題ブームのその後/普通の市民   たちによる草の根保守運動とは
  資料編

第四章 不安なウヨクたちの「市民運動」     小熊英二

「市民運動」との類似性/参加者たちの思想傾向/「普通」の意味するところ/「史の会」の構成/今後の展望

あとがき 上野陽子


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