雇用・利子・収益率とジェラール曲線
価格:2,200円 (消費税:200円)
ISBN978-4-7664-0973-4(4-7664-0973-6) C3033
奥付の初版発行年月:2003年08月 / 発売日:2003年08月上旬
本書で紹介する「ジェラール曲線」分析は、雇用、実質利子率、および収益率の関係を表すものであり、企業のリストラや海外進出とそれによる産業の空洞化、失業の増大、さらには政府・日銀の進める構造改革や金融政策など、日本経済の当面する諸問題を一つのフレームワークで説明してくれる。
また、そこから導かれる政策的議論は、フランスを対象としたものであるが、デフレからの脱却を模索する日本にも当てはまるものであり、とくに公的部門についての指摘は、きわめて示唆に富んでいる。
<著 者>
ジャン=ピエール・ジェラール(Jean-Pierre Gerard)
元フランス中央銀行金融政策委員会委員、Club des N°1 Mondiaux Francais a l’Exportation会長。
<訳者紹介>
石橋 春男(いしばし はるお)
大東文化大学環境創造学部教授。主要業績に『現代経済学』(成文堂)、『レオン・ワルラス』(翻訳、多賀出版)、『貨幣数量説の黄金時代』(共訳、同文舘)、『マクロ経済と金融[入門編]』(共著、慶應義塾大学出版会)ほか。
関谷喜三郎(せきや きさぶろう)
日本大学商学部教授。主要業績に『ケインズとケインジアンのマクロ経済学』(共訳、日本経済評論社)、『経済・金融・経営のための数学入門』(共訳、成文堂)、『マクロ経済と金融[入門編]』(共著、慶應義塾大学出版会)、『初心者のための経済学』(共著、創土社)ほか。
栗田 善吉(くりた ぜんきち)
(財)運輸調査局調査研究センター主任研究員、大東文化大学非常勤講師。主要業績に『最適規制−公共料金入門−』(共訳、文眞堂)『貨幣数量説の黄金時代』(共訳、同文舘)ほか。
目次
プロローグ
序 文
第1章 経営者の行動、実質利子率、および収益率
1 収益率と実質利子率
1 収益率と企業経営
2 長期実質利子率
2 企業の経営者たちはどのように行動するのか
第2章 雇用と収益率の理論的関係
1 収益率—雇用曲線の作図
2 曲線の形状
3 理論の構築
4 曲線の意味
1 収益率と株式収益
2 企業の相対的な位置
第3章 理論の検討
1 曲線の形状
1 過去の曲線の形状
2 曲線の変化
2 実質利子率
1 長期実質利子率の上昇
3 公的部門の収益率と曲線の形状
第4章 雇用、金融問題、および財政
1 雇用、収益率、および金融政策
1 一九八二年における長期実質利子率上昇の帰結
2 平価切下げ政策の分析
(1)C1およびr1の状況
(2)C1とr2の相対的な状況
(3)相対的状況は曲線C2と実質利子率r1によって定義される
3 資産価値とインフレーションの調整
2 雇用政策と収益率—雇用曲線
1 最低賃金幅の縮小と未熟練労働者支援計画
2 勤務時間の短縮とワーク・シェアリング
3 雇用と公共支出との関係
(1)低収益率企業活動の国有化阻止
(2)有益な公共事業支出の選択
(3)国家支出の削減
(4)企業資産の増加
第5章 経済構造への影響
1 ドイツ型資本主義対イギリス・アメリカ型資本主義、
問題は金利なのか
2 実質利子率の上昇はイギリス・アメリカ型資本主義の
利点である
訳者あとがき