国際比較調査の方法と解析
価格:7,700円 (消費税:700円)
ISBN978-4-7664-0956-7(4-7664-0956-6) C3036
奥付の初版発行年月:2003年05月 / 発売日:2003年05月上旬
近年、「価値観」というテーマが社会科学の諸領域で再び脚光を浴びている。
それに伴い、質問紙調査を中心とした人々の価値観の測定方法も進歩し、精緻化されつつある。
本書は、「家族・仕事・結婚」「ナショナル・アイデンティティ」「宗教」「ウェル・ビーイング」「科学・技術・環境」「日本語」などのアクチュアルなテーマを取り上げながら、国際比較調査の方法と解析について、近年の成果と今後の課題を提示します。
関西学院大学社会学部教授(法学博士)。
1972年慶應義塾大学大学院博士課程修了。専門領域は、社会学・社会調査論・コミュニケーション論。著書に『社会・世論調査のデータ解析』(慶應義塾大学出版会、1993年)、『国際イメージと広告』(日経広告研究所、1998年)、Faset Theory and Studies of Japanese Society, Bier'sche Verlagsanstalt, Bonn, 2001. など多数。
目次
第1部 国際比較調査の方法
1 国際比較調査の系譜・現状・課題
Ⅰ 価値観の研究の視座
——その測定の方法とリアリティをめぐって——
Ⅱ 質問紙法にもとづく国際比較調査の現状と課題
2 国際比較調査における測定の等価性の分析
——レスポンス・スケールを中心に——
Ⅲ 国際比較調査におけるレスポンス・スケールの等価性に関する研究(1)
Ⅳ 国際比較調査におけるレスポンス・スケールの等価性に関する研究(2)
第2部 国際比較調査のデータ解析
1 家庭・仕事・結婚
Ⅴ 家庭・仕事・結婚についての意識と行動の国際比較
——「ISSP国際比較調査」から——
2 ナショナル・アイデンティティ
Ⅵ ナショナル・アイデンティティの構造
——「ISSP国際比較調査」のデータ解析——
Ⅶ ナショナル・アイデンティティの国際比較
——探索的データ解析の試み——
3 宗 教
Ⅷ 家族と宗教——価値志向の視座からの理論的考察——
Ⅸ ドイツと日本における家族と宗教の国際比較(1)
——「ISSP宗教調査」のデータ解析——
Ⅹ ドイツと日本における家族と宗教の国際比較(2)
——「世界価値観調査(World Values Survey)」データの解析——
4 ウェル・ビーイング(Well-being)
ⅩⅠ Well-beingの構造の国際比較
——「世界価値観調査(World Values Survey)」データによる検 証——
5 科学・技術・環境
ⅩⅡ 中国における不安感・科学観・環境意識の諸相とその変化の方向
6 日 本 語
ⅩⅢ 外国における日本語——日本語の国際化を考える指標——
ⅩⅣ ポストモダンの価値観と言語意識
——母語・英語・日本語をめぐって——
ⅩⅤ ファセット・アプローチにもとづく調査票設計とデータ解析の試み
——「日本語観国際センサス」の事例——
ⅩⅥ 海外マス・メディア広告における日本語使用の実態と人びとの日本 の広告をめぐる意識
——「マーケティング論」と「文化論」の視座から——
付論 データ・アーカイヴ
ⅩⅦ 情報の収集・保管・活用——データ・アーカイヴ設立の意義——
ⅩⅧ ドイツ・ケルン大学セントラル・アーカイヴ(ZA)の歴史と発展