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地域連関と政府の役割中国の経済成長

慶應義塾大学産業研究所叢書
中国の経済成長 地域連関と政府の役割

B7 258ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-0846-1(4-7664-0846-2) C3333
奥付の初版発行年月:2001年04月 / 発売日:2001年04月上旬

内容紹介

78年の改革・開放路線への転換後、98年までの20年間に年平均10%の経済成長を実現した中国の産業構造の変化を「中国産業連関表」「上海産業連関表」にもとづき分析。さらに、それを踏まえて21世紀の中国経済の行方を理論的・実証的に予測する。
2つの連関表を用いて中国経済を分析した実証研究は未開拓分野であり、現代中国経済研究の画期的な書。


王 在喆(おう ありよし)
1985年上海鉄道大学(現同済大学)電信工程系卒業。
1985年中国鉄道省・技士補佐。
1986年上海科学技術新聞社・記者。
1998年慶應義塾大学大学院経済学研究科後期博士課程単位取得退学。
1997年慶應義塾大学総合政策学部助手。
現在,慶應義塾大学総合政策学部客員助教授,博士(経済学)(慶應義塾大学)。
[主要業績]
「中国上海地域の産業構造変化の要因分析—1987年〜1995年上海接続産業連関表に基づく考察—」『高崎経済大学論集』40巻創立40周年記念号(1997年)。
「重点地域開発政策と中国の経済発展に関する産業連関分析—上海地域経済と域外経済の相互依存関係について—」『産業連関—イノベーション&I‐Oテクニーク—』8巻1号(1997年)。
「中国『工業統計表』の諸概念について」(共著)『経済統計研究』26巻4号(1999年)。

目次

第1章 現代中国経済成長の分析視点
 1 21世紀の中国経済をどうみるか
 2 地域格差の拡大をどうみるか
 3 成長過程における政府の役割をどうみるか
 4 本書の構成
 5 本書の実証研究について

第2章 日本の経験に基づく中国の工業化に関する理論考察
     ——経済体制の転換期における政府の役割について——
 1 成長過程における産業政策の役割:日本重化学工業化の経験
 2 成長過程における産業政策の役割:中国の重化学工業化
 3 『重点』政策と地域格差の拡大
 4 『重点』政策の経済効果
 補論 : 産業の長期費用曲線と市場の長期供給曲線

第3章 中国における産業政策について
     ——計画経済体制期から市場経済体制導入期における『重点』政策——
 1 1949年から1978年までの「重点産業開発政策」
 2 1978年から1995年までの「重点産業開発政策」
 3 「重点地域開発政策」の変化
 4 『重点』政策の変遷
 補論1 : 80年代における中国の価格改革
 補論2 : なぜ「計画外投資」が膨張したのか
       ——80年代から90年代にかけての中央と地方の「力関係」の変化について——

第4章 上海地域経済の構造的特徴
     ——1987年・1992年の産業連関表基本表に基づく概観——
 1 中国経済における上海地域経済
 2 1987年と1992年の上海産業連関表基本表
 3 上海経済における構造的特徴と構造的変化
 4 両年次間における上海産業構造の変化
 5 国外依存型へと変化する上海経済

第5章 「1987−90−92−95年上海接続産業連関表」の作成
 1 部門統合作業
 2 産業部門別価格デフレータの推進作業
 3 「1987−90−92−95年上海接続産業連関表」の作成

 補論 : 中国における価格指数の作成

第6章 上海地域の移出入・輸出入変化の要因分析
     ——産業構造変化の要因分解に基づく考察——
 1 上海地域における産業政策と産業構造の変化
 2 スカイラインチャートによる考察
 3 構造変化要因の分析モデル
 4 産業構造変化による移出入・輸出入変化についての要因分析
 5 上海の国内交易構造と国際貿易構造
 補論 : スカイラインチャートの作成について

第7章 上海地域経済と域外経済の相互依存関係
 1 計測モデルについての説明
 2 計測結果についての検討
 3 上海地域と域外の垂直分業


第8章 地域関連と政府の役割


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