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音楽の開かれた地平へ人生の半ば

人生の半ば 音楽の開かれた地平へ

B7 514ページ 上製
価格:4,400円 (消費税:400円)
ISBN978-4-7664-0778-5(4-7664-0778-4) C0073
奥付の初版発行年月:1999年11月 / 発売日:1999年11月上旬

内容紹介

音楽は自らのコスモロジーの反映である。
真の前衛的態度で、常に自身を音楽の地平に賭け続ける、湯浅譲二の豊穣なるコスモロジー。

国際的に活躍する作曲家、湯浅譲二待望のエッセイ集。一貫した前衛的態度で、音楽の地平を切り開いてきた、その半世紀近い創作活動の背景にある思想、人生観を一冊に凝縮。読者を豊かな音楽世界へと誘う。


1929年、福島県郡山市生まれ。高校時代から独学で作曲をはじめ、慶應義塾大学医学部進学コース在学中より音楽活動に興味を覚え、1952年、武満徹、鈴木博義、園田高弘らの芸術家グループ「実験工房」に参加、ピアノ曲「二つのパストラール」でデビュー。以来、オーケストラ、室内楽、合唱、劇場用音楽、インター・メディア、電子音楽、コンピュータ音楽など、幅広い作曲分野で活躍、国内外より多数の委嘱を受けている。
かたわら、1981年〜94年、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)教授をはじめ、音楽教育・研究の場で後進の指導にも当たってきた。現在、UCSD名誉教授、日本大学芸術学部客員教授、東京音楽大学客員教授。
ベルリン音楽祭審査員特別賞、イタリア賞・大賞、サン・マルコ金獅子賞、尾高賞、芸術祭大賞、飛騨古川音楽大賞、京都音楽賞・大賞、サントリー音楽賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、日本芸術院賞・恩寵賞ほか、受賞多数。

目次

はしがき

Ⅰ 二十一世紀への眼差
二十一世紀を前に「真の前衛」を考え直す
コスモロジー—音楽にいま問われるもの

Ⅱ 原風景
広大さ、みちのくの一つのプロフィール
前衛音楽故郷へかえる
作曲家のコスモロジー(対談 武田明倫、湯浅譲二)
ことばのパフォーマンス—水

Ⅲ 実験工房
実験工房と瀧口修造
実験工房とメシアン—五〇年代からいまへ
実験工房のこと、そして若い作曲家への提言
 —新しい音楽の世界を切り拓いたエネルギー(対談 河野保雄、湯浅譲二)

Ⅳ 海外演奏記
ギリシャの空・パリの寺院
デルフィのための儀式—真夜中の太陽
「シーンズ・フロム・バショー」初演まで

Ⅴ 人
批判的武満論
〝遮られない休息〟を—追悼 武満徹
官能美生んだ豊穣な想像力—アルチザンとしての武満徹
谷川俊太郎と音楽
寿夫さんのこと
ケージと<籠>あるいは<檻>
一音成仏(対談 尾高忠明、湯浅譲二)

Ⅵ 音楽教育
未来をつくる総合音楽大学
遠い 《音学》 より身近な 《音》 を—現代音楽の教材化を考える
声をめぐっての授業
日米共通の閉鎖性—現代音楽教育の最先端から

Ⅶ 音楽とは何か
枠—現代音楽のフィールド
記号と私—視座の転回としての記号論
現代音楽の精神構造について
芸術におけるこころ
音響エネルギー運動体としての音楽
音楽・情報・コンピュータ
現代音楽と能
音楽のコスモロジーとテクノロジー
音楽と無意識—一作曲家のコスモロジーから

Ⅷ コスモロジーの反映として
音響としての声(聞き手=柿沼敏江)
劇場 この非劇場的なもの—エンヴァイラメンタル・メディアとして
時間性と私—作曲の現場から
芭蕉の音楽性—音響的メタ・メッセージ
日本の心と現代音楽

Ⅸ 自作品解説
内触覚的宇宙/プロジェクション・トポロジク/相即相入/ホワイト・ノイズによるイコン ほか全31作品

湯浅譲二 年譜・作品表


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