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日本における西洋医学の先駆者たち

日本における西洋医学の先駆者たち

B7 400ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-7664-0723-5(4-7664-0723-7) C1021
奥付の初版発行年月:1998年11月 / 発売日:1998年11月上旬

内容紹介

医学が西洋文明の窓だった。

鎖国下の長崎出島にやってきたシーボルト、明治初期に日本の近代医学確立に尽くしたベルツら西洋人医師たちと、彼らから学んだ日本人医師たちの生涯と活躍を、米国人医学者がまとめた近世・近代医学史。


著者略歴
ジョン・Z・バワース(John Z. Bowers)
1913年生まれ。アメリカの医学博士。医学教育の世界的権威者。1962年から2年間日本に滞在、京都大学客員教授。1993年死去。

訳者略歴
金久卓也(かねひさ たくや)
1914年生まれ。1938年九州帝国大学医学部卒。同大学医学部第一内科助教授を経て、1959年より鹿児島大学医学部第一内科教授。現在、鹿児島大学名誉教授。著書『コーネル・メディカル・インデックス』(共著、三京房、1972)ほか多数。

鹿島友義(かしま ともよし)
1937年生まれ。1963年鹿児島大学医学部卒、1968年同大学院医学研究科修了。鹿児島大学医学部第一内科助教授、鹿児島大学医療技術短期大学部部長、国立療養所霧島病院院長などを経て、2000年より国立病院九州循環器病センター院長。著書『心臓病学』(共著、南江堂、1991)ほか多数。

目次

はじめに

I 封建日本における西洋医学の先駆者たち



第一章 蘭学以前の医学
1 日本固有の医学
2 中国医学の影響
3 ポルトガル、スペインの医師たち

第二章 初期の出島
1 出島の生活
2 出島の医師と日本人通詞たち
3 ウィレム・テン・ライネ
4 エンゲルベルト・ケンペル

第三章 西洋医学の導入
1 鎖国政策の変化
2 解剖の歴史
3 「解体新書」の刊行
4 トゥーンベリ

第四章 西洋医学の開花
1 大槻玄沢とその弟子たち
2 蘭和辞典の出版
3 フォン・シーボルト—日本を愛し続けた生涯
  来日まで
  出島のシーボルト
  江戸参府旅行
  幽閉、そして国外追放へ
4 シーボルトの弟子たち
5 追放後のシーボルト

第五章 西洋医学の隆興
1 蘭学の興隆
2 緒方洪庵と適塾
3 シーボルトの再来日への執念
4 シーボルト再び日本へ

第六章 西洋医学の公的採用—ポンペの業績
1 来日まで
2 長崎の医学校と病院の創設
3 帰国
4 西洋医学の公的採用
5 結語

II 近代日本における西洋医学の先駆者たち



第一章 歴史的背景—江戸時代における西洋医学の影響
1 徳川幕府の支配体制
2 西洋医学の影響—出島の蘭館医たち
3 蘭学の興隆

第二章 種痘の普及と日本の医療の西洋への紹介
1 江戸時代末期の生活と医療—モーニケの報告
2 天然痘の流行と種痘の普及

第三章 工業技術教育と本格的医学教育の整備
1 ブルークの工業技術教育
2 本格的西洋医学教育(長崎医学校)—ポンペと松本良順
3 ボードゥインとハラマタ

第四章 イギリス医学の影響—ウィリスの貢献
1 日本の開国と英国の進出
2 英国公使館医ウィリス、戦陣医療で活躍
3 医学書の責任者に
4 ドイツ医学の採用とフルベッキ
5 鹿児島医学校へ

第五章 ドイツ医学の採用
1 ベルリン大学医学部とその教育陣
2 ドイツの進出とお雇い外国人
3 ドイツ式医学教育の開始—ミュラーとホフマン
  開成所のミュラーとホフマン
  カリキュラムと学生の生活
  ドイツ東亜科学・民俗学協会の創設
4 シュルツェとヴェルニヒ

第六章 医学教育(帝国大学医学部)の充実—ベルツを中心に
1 ベルツの生い立ちと日本での生活
2 その他の新任教授
3 細菌学の進歩と緒方・北里の確執
4 ベルツの活動
5 聖路加国際病院—スクリバとトイスラー
6 帰国後のベルツ

第七章 その他の外国人医師
1 アンダーソン
2 シモンズ
3 ヘボン
  聖書の翻訳
4 ベリー
5 新島、リチャーズと看護教育
6 エルドリッジ
7 その他の医師

第八章 結語—東と西が出会う時

付録 オランダ国王ウィレム二世と日本国将軍との往復書簡(1988年)
年表 日本における西洋医学の導入と発展
原著者紹介
訳者あとがき

索引


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