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マルチメディア社会の著作権

Keio UP選書
マルチメディア社会の著作権

四六判 296ページ 並製
定価:2,400円+税
ISBN978-4-7664-0652-8(4-7664-0652-4) C1332
奥付の初版発行年月:1997年01月

内容紹介

今後の高度情報化社会を見据え、著作権の果たすべき役割と課題を指摘し、著作権法の新解釈「アウトプット論」の提唱と検討を行う。紋谷暢男氏を迎えた座談会を併録。著作権問題についての再考を促す一冊。


苗村憲司(なえむら・けんじ)
慶應義塾大学環境情報学部教授兼政策・メディア研究科委員
1940年生まれ。東京大学工学部電子工学科卒業。工学博士。情報通信システム論、計算機システム構成論、技術標準・知的財産権等を研究。著書に『高度並列処理計算機:超高速化へのアーキテクチュア』(共著)、『コンピュータネットワーク技術』(共著)他。

小宮山宏之(こみやま・ひろゆき)
慶應義塾大学総合政策学部教授兼政策・メディア研究科委員
1942年生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業、同大学院法学研究科博士課程修了。商法を研究。著書に『演習ノート・手形法・小切手法』(共著)、『口語 商法』(共著)、『商法Ⅳ(手形法小切手法)』(共著)他。

富澤良成(とみざわ・よししげ)
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業、同大学院政策・メディア研究科修士課程修了。小宮山研究会でPL法等を研究後、同大学院で苗村教授主催の“知的財産権とパブリックドメイン”プロジェクトに所属し、コンピュータと法律の関係を研究。現在、(株)日本総合研究所に勤務。

紋谷暢男(もんや・のぶお)
成蹊大学法学部教授
1936年生まれ。東京大学法学部卒業、同大学院法学政治学研究科博士課程修了。法学博士。無体財産権法、商法を研究。著書に『無体財産権法概論』、『情報社会への道』(共著)、『特許法50講』(編著)、『著作権のノウハウ』(共編)他。

目次

まえがき
第1部 マルチメディア社会における知的財産権………苗村憲司

第1章 情報化社会を迎えて
1 「情報化社会」とは
2 「マルチメディア」とは
3 「インターネット」の意義
4 「知的財産権」とは
第2章 知的財産権制度の歴史と現状
1 知的財産権の意義と種類
  知的財産とその権利
  知的財産権の分類
  知的財産権の効力
2 特許権制度の歴史的展開
  欧米の特許権制度の歴史
  日本の特許権制度の歴史
  日本の現行特許権制度
3 著作権制度の歴史的展開
  欧米の著作権制度の歴史
  日本の著作権制度の歴史
4 知的財産権制度の国際調和への動き
  工業所有権に関するパリ条約
  文学的及び芸術的著作物の保護に関するベルヌ条約
  万国著作権条約
  世界知的所有権機関と世界貿易機関
第3章 著作権法の現状
1 著作権法のねらいと運用
  著作権法のねらい
  著作権法の理念と運用
2 著作物と著作者
  著作物とその種類
  権利保護の対象となる著作物
  著作者
3 著作権
  「著作権」とは
  著作権の支分権
  出版権
4 著作者人格権
5 著作隣接権
  実演家の権利
  レコード製作者の権利
  放送事業者及び有線放送事業者の権利
6 権利の制限
  著作権・著作隣接権の独占の例外に関する規定
  報酬請求権
第4章 マルチメディア時代に向けて解決すべき著作権法の課題
1 広義の複製技術の発展への対処
  本質的な問題
  電子的蓄積は「複製」か
  ネットワークを用いた情報流通
  私的使用のための複製
  電子出版と電子図書館
2 ソフトウェアの保護制度
  プログラムの著作権による保護と特許権による保護の関係
  プログラムのリバースエンジニアリングの問題
  データベースの著作権による保護と産業政策目的の保護の必要性
3 グローバル時代への対処
  知的財産権制度の国際統一の必要性と可能性
  ネットワーク上の著作物の国際流通
  著作権管理の技術と体制
4 国内外の検討状況
  国内の検討状況
  米国のNIIタスクフォースによる検討
  欧州委員会の検討
  WIPOの新条約
第5章 著作権論議への市民参加を

第2部 アウトプット論−著作権法解釈の新たな試み−………小宮山宏之

第1章 科学技術の発展と著作権法
第2章 著作権法の構成と学説
1 著作権法についての従来の学説
  著作権法の背景
  著作権法の構成
  複製についての考え方
2 従来の解釈への疑問
第3章 アウトプット論
1 アウトプット論とは何か
  具体的事例による考察
  事例の整理と検討
2 複製とアウトプ十論
  複製の連鎖と著作者の利益保護
  報告書「デジタル化・ネットワーク化に対応した知的財産権問題について」の検討
3 アウトプットの主体
  アウトプット論における法人
第4章 アウトプット論の具体的適用
1 著作物
  著作物の保護
  「切り取り方」−分節の仕方
2 著作者人格権
  同一性保持権
3 コンピュータプログラムとデータベースの著作権法上の特性
4 コンピュータプログラム
5 コピープロテクト解除装置等に関する法的対応
6 データベース

第3部 ソフトウェアのリバースエンジニアリングと著作権………富澤良成

第1章 特殊な著作物としてのコンピュータソフトウェア
第2章 リバースエンジニアリング問題の背景
1 技術発展とリバースエンジニアリング
  リバースエンジニアリングの一般的意義
  工業所有権法上のリバースエンジニアリングの位置づけ
2 ソフトウェアのリバースエンジニアリング
  ソフトウェアのリバースエンジニアリングとは何か
  ソフトウェアのリバースエンジニアリングの目的
  ソフトウェアのリバースエンジニアリングの手法
3 著作権法上の問題
4 公的な対応の現状
第3章 リバースエンジニアリングに関する従来の議論
1 リバースエンジニアリング適法論
2 リバースエンジニアリング違法論
3 マイクロソフト事件に関する議論
  マイクロソフト事件の概要
  本判決に関する議論
第4章 「アウトプット論」による解決策
1 アウトプット論の基本的な考え
2 リバースエンジニアリングへの適用
3 運用上の問題
第5章 「複製」概念拡大の概念と「アウトプット論」導入の意味

第4部 著作権の課題−今後のマルチメディア社会に向けて−………<座談会>苗村憲司/小宮山宏之/紋谷暢男

著作権のねらいと理念
検証・アウトプット論
著作権を取りまく今後の課題
あとがき
索引


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