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フランスのチュニジア・モロッコ政策植民地独立の起源

植民地独立の起源 フランスのチュニジア・モロッコ政策

A5判 418ページ 上製
価格:6,160円 (消費税:560円)
ISBN978-4-588-62523-7 C3031
奥付の初版発行年月:2013年02月 / 発売日:2013年02月上旬

内容紹介

1960年は次々にアフリカ諸国が独立を果たし,「アフリカの年」と呼ばれた。その引き金を引いたのが、1956年に独立したチュニジアとモロッコである。フランスはなぜどこよりも早く独立を承認するという政治的選択をし、ヨーロッパ帝国の解体を導いたのか。旧植民地の支配層と英米や国連、世界各国を巻き込んだ駆け引きの一部始終を、膨大な資料から浮かび上がらせる。

著者プロフィール

池田 亮(イケダ リョウ)

1970年生まれ。1997年、一橋大学大学院法学研究科修士課程修了。2006年、ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)国際関係学部博士課程修了。Ph.D. 関西外国語大学英語キャリア学部准教授。専門は国際関係論、国際関係史。主要業績として、‘The Paradox of Independence: The Maintenance of Influence and the French Decision to Transfer Power in Morocco,’ The Journal of Imperial and Commonwealth History, vol. 35, issue 4, 2007;「帝国かヨーロッパか──チュニジア国内自治とフランスの対ヨーロッパ統合政策」山内進編『フロンティアのヨーロッパ』(国際書院、2008年);「スエズ危機と1950年代中葉のイギリスの対中東政策」『一橋法学』第7巻第2号(2008年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 脱植民地化と独立
 第一節 問題の所在
 第二節 本書の分析視角
 第三節 本書の構成と用語説明

第1章 英仏の植民地政策と独立前史
 第一節 第二次大戦後の英仏の植民地政策
 第二節 一九四九年までのフランスのチュニジア・モロッコ政策

第2章 ブルギバの七原則とフランス・チュニジア交渉 1950年-1951年
 第一節 フランスとチュニジアの対立
 第二節 フランス案の発表
 第三節 共同主権の覚書

第3章 スルタンによる独立の要求 1950年10月-1951年12月
 第一節 スルタンの覚書
 第二節 アラブ諸国の動きと仏米交渉
 第三節 国連での討議

第4章 チュニジア問題の国連討議 1952年1月-12月
 第一節 ブルギバの帰国
 第二節 安保理における討議
 第三節 総会の特別会期
 第四節 総会における討議

第5章 スルタンの廃位 1952年1月-1953年8月
 第一節 国連の討議とカサブランカ虐殺事件
 第二節 伝統主義者の反発
 第三節 フランスによる廃位

第6章 チュニジアの国内自治 1953年1月-1955年6月
 第一節 フランスの緊張緩和政策
 第二節 一九五四年三月改革
 第三節 カルタゴ宣言
 第四節 二国間交渉とフェラガ問題
 第五節 フランス・チュニジア規約

第7章 モハメド五世の復位 1953年8月-1955年10月
 第一節 テロリズムと停滞
 第二節 ラコスト計画
 第三節 グランヴァル計画とエクス・レ・バン会議
 第四節 アラファの退位
 第五節 王位評議会

第8章 モロッコの独立 1955年10月-1956年5月
 第一節 モハメド五世の復位と組閣
 第二節 仏モロッコ議定書
 第三節 外交関係の樹立

第9章 チュニジアの独立 1955年6月-1956年6月
 第一節 ブルギバとサラ・ベン・ユーセフの対立
 第二節 ネオ・ドゥストゥール党全国大会
 第三節 フランス・チュニジア議定書
 第四節 外交関係の樹立

終 章 チュニジア・モロッコの独立とその後
 第一節 フランスの政策転換と「実効的な協力者」
 第二節 国内自治と国際的要因
 第三節 独立と「実効的な協力者」
 第四節 第三世界諸国の独立

あとがき
略年表
索引

関連書

松沼美穂著『植民地の〈フランス人〉』
A.メンミ著/菊地昌実・白井成雄訳『脱植民地国家の現在』


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