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カリスマなき指導者の時代政党支配の終焉

サピエンティア24
政党支配の終焉 カリスマなき指導者の時代

四六判 270ページ 上製
価格:3,300円 (消費税:300円)
ISBN978-4-588-60324-2 C1331
奥付の初版発行年月:2012年06月 / 発売日:2012年06月上旬

内容紹介

莫大な資産を武器に、突如イタリアの首相になったベルルスコーニ。伝統ある既成政党に属さない彼が、なぜ政治の頂点にたどりつき、長期政権を維持できたのか。マスメディアの巨大な力を背景に、イタリアの政治は政党型から劇場型へ転換し、指導者のパフォーマンスが重視されるようになった。日本はいま、同じ道を歩んでいるのではないだろうか。

著者プロフィール

マウロ・カリーゼ(カリーゼ,M.)

(Mauro Calise)
1951年ナポリに生まれる。現在、ナポリ・フェデリーコ二世大学・社会学部・教授(政治学)。国際政治学会副会長(2002-2003年)、イタリア政治学会会長(2008-2010年)、コーネル大学客員教授、パリ政治学院客員教授、ハーヴァード大学客員研究員等を歴任。ナポリの日刊紙『マッティーナ』に政治評論を定期的に寄稿。e-learningシステムにも造詣が深く、ナポリ大学ではFedericaを開発し、コーネル大学のセオドア・ローウィ教授とともにインターネットを利用したインターラクティヴな政治学概念の辞書『ハイパーポリティックス』を2010年に刊行、現在は国際政治学会Web Portal for Electronic Sources部会長を務めている。www.maurocalise.it

村上 信一郎(ムラカミ シンイチロウ)

1948年神戸に生まれる。現在、神戸市外国語大学・外国語学部・国際関係学科・教授(国際政治史)。神戸大学大学院法学研究科博士課程修了(法学博士)。コーネル大学客員研究員、フィレンツェ大学客員研究員を歴任。主著『権威と服従―カトリック政党とファシズム』(名古屋大学出版会、1989年)。共著には『戦士の革命・生産者の国家―イタリア・ファシズム』(太陽出版、1985年)、『1848―国家装置と民衆』(ミネルヴァ書房、1985年)、『比較政治の分析枠組』(ミネルヴァ書房、1986年)、『現代政治学入門』(ミネルヴァ書房、1992年)、『ヨーロッパ統合と文化・民族問題』(人文書院、1995年)、『政党派閥』(ミネルヴァ書房、1996年)、『イタリアの政治』(早稲田大学出版部、1999年)、『三つのデモクラシー』(岩波書店、2002年)、『EUのなかの国民国家』(早稲田大学出版部、2003年)、『日本社会党』(日本経済評論社、2003年)、『幻影のローマ』(青木書店、2006年)、『民主党政権は何をなすべきか』(岩波書店、2010年)。訳書にはR. デ・フェリーチェ『ファシズムを語る』(ミネルヴァ書房、1979年)、A. パーネビアンコ『政党』(ミネルヴァ書房、2005年)、S. コラリーツィ『イタリア20世紀史』(名古屋大学出版会、2010年)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

緒言
序論 10年後
第I部 もはや政党は存在しない
 第1章 沈黙のスパイラル
 第2章 恐竜の没落
 第3章 ルソーの亡霊
 第4章 アメリカのフロンティア
 第5章 イギリス労働党の雪辱
第II部 指導者の復活
 第6章 パーソナル・パーティ
 第7章 民主主義の時代の「君主」
 第8章 怖いもの知らずの「騎士」
 第9章 傭兵隊長
 第10章 首相党
第III部 指導者の二つの身体
 第11章 政治的身体
 第12章 失われた根拠
 第13章 理性・利益・情念
 結論 ウェーバーのもう一つの顔

解題──政治の人格化をめぐって

関連書

E.カネッティ著『群衆と権力(上・下)』、吉田徹著『ミッテラン社会党の転換』


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