大学出版部協会

 

豆

ものと人間の文化史174

四六判 372ページ 上製
価格:3,960円 (消費税:360円)
ISBN978-4-588-21741-8 C0320
奥付の初版発行年月:2015年11月 / 発売日:2015年11月下旬

内容紹介

ダイズ、アズキ、リョクトウ、エンドウなど主要な食用マメ類について、その栽培化と作物としての歩みを世界史的視野で捉え直し、食文化に果たしてきた重要な役割を浮き彫りにする。また、「豆撒き」の習俗や「ジャックと豆の木」の物語の意外な由来、「ツタンカーメンのエンドウ」の虚構、タブーとされたマメなど、豊富な話題を通じてマメと人間の深いかかわりの歴史を描く。

著者プロフィール

前田 和美(マエダ カズミ)

1931年京都市生まれ。三重農林専門学校農学科卒業。農学博士(京都大学)。高知大学名誉教授。
著書に『マメと人間─―その1万年の歴史』(古今書院、1987年)、『熱帯の主要マメ類』(国際農林業協力協会、1991年)、『落花生』(法政大学出版局、2011年)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一章 「マメ」──野生から栽培へ
マメ科植物とその進化/植物の栽培は「ゴミの山」から始まった?/マメの高い考古学的遺存率/「栽培化」でマメの性質はどう変わったか?/マメをどのように栽培してきたか

第二章 近東──西南アジアにおけるマメの文化
マメのふるさと/野生種の栽培化と「創始者作物」/マメの祖先種の生育環境

第三章 インドにおけるマメの文化
古代インドのマメ/マメ類の考古植物学記録の検証/サンスクリット名をもつマメ

第四章 アフリカにおけるマメの文化
自然環境と作物/アフリカのマメ

第五章 東アジアにおけるマメの文化
ダイズ/アズキ/「緑豆」/「隠元豆」の由来と『隠元冠字考』

第六章 東南アジアにおける豆の文化
東南アジア/ダイズとラッカセイ

第七章 新大陸におけるマメの文化
メソアメリカと南アメリカ大陸/新大陸の栽培植物/「コロンブス以前」の栽培植物伝播論/マメの「コスモポリタン」

第八章 精神生活のなかのマメ
「神話」のマメ/「信仰」と「禁忌」のマメ/民話とマメ/身体装飾とマメ

第九章 虚構の主役になったマメ
「虚構」/日本版「ツタンカーメンのエンドウ」

第十章 マメをどのように食べてきたか
「マメ」食のルーツ/インドに見るマメの食文化/マメ子実を野菜に/マメ食品

引用文献
あとがき


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。