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デカルト 医学論集

デカルト 医学論集

ルネ・デカルト:著, 山田 弘明:訳・解説, 安西 なつめ:訳・解説, 澤井 直:訳・解説, 坂井 建雄:訳・解説, 香川 知晶:訳・解説, 竹田 扇:訳・解説, アニー・ビトボル=エスペリエス:序
A5判 326ページ 上製
価格:5,280円 (消費税:480円)
ISBN978-4-588-15082-1 C3047
奥付の初版発行年月:2017年03月 / 発売日:2017年03月下旬

内容紹介

近代哲学の父デカルトによる、医学・解剖学関連のテクストを初集成。ヴェサリウス、ファブリキウス、ボアンやハーヴィなど、当時最先端の医学・生理学の知と渡り合い、自ら解剖実践を繰り返しながら執筆した全5編を収録。近代の機械論的自然観・生命観の成立において、哲学史・科学史全般に大きな影響をもたらした第一級の資料。最高の訳者陣による注・解説と、学界の第一人者ビトボル=エスペリエス氏による序を付す。

著者プロフィール

山田 弘明(ヤマダ ヒロアキ)

1945年生。京都大学文学研究科博士課程修了。博士(文学)。名古屋大学名誉教授。専門は哲学。著書:『デカルトと西洋近世の哲学者たち』(知泉書館)、『デカルト『方法序説』』(晃洋書房)、『デカルト哲学の根本問題』(知泉書館)、訳書:『デカルト全書簡集』(共訳、全8巻、知泉書館、2012–16年)、デカルト『省察』『方法序説』(ちくま学芸文庫)ほか。

安西 なつめ(アンザイ ナツメ)

1986年生。順天堂大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。順天堂大学医学部解剖学・生体構造科学講座非常勤助教を経て、日本大学短期大学部食物栄養学科助教。専門は医史学(解剖学史)。論文:「ニコラウス・ステノによる筋の幾何学的記述──17世紀における筋運動の探究」(共著)ほか。

澤井 直(サワイ タダシ)

1975年生。京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学。日本女子大学非常勤講師を経て、順天堂大学医学部医史学研究室助教。専門は医史学、解剖学史。共著:『日本医学教育史』(東北大学出版会)、共訳書:ガレノス『解剖学論集』(京都大学学術出版会)、『プロメテウス 解剖学コアアトラス』(医学書院)ほか。

坂井 建雄(サカイ タツオ)

1953年生。東京大学医学部卒。同学部助教授を経て、順天堂大学医学部教授(解剖学・生体構造科学)。専門は解剖学、医史学。著書:『人体観の歴史』(岩波書店)、『からだの自然誌』(東京大学出版会)、『日本医学教育史』(編著、東北大学出版会)、『標準解剖学』(医学書院)、『カラー図解 人体の正常構造と機能』(総監修、日本医事新報社)、監訳書:『プロメテウス 解剖学アトラス』(医学書院)ほか。

香川 知晶(カガワ チアキ)

1951年生。筑波大学大学院哲学・思想研究科博士課程修了。山梨大学大学院総合研究部教授。専門はフランス哲学、応用倫理学。著書:『死ぬ権利』(勁草書房)、共編著:『生命倫理の源流』(岩波書店)、『メタバイオエシックスの構築へ』(NTT出版)、共著:『エピステモロジーの現在』(慶應義塾大学出版会)、『「いのちの思想」を掘りおこす』(岩波書店)ほか。

竹田 扇(タケダ セン)

1968年生。旭川医科大学医学部卒。博士(医学)。東京大学助教授を経て山梨大学医学部教授(解剖学講座細胞生物学教室)。専門は解剖学・細胞生物学。共編著:Cilia in Development and Disease, Differentiation(Elsevier)、共著:『バイオエシックスの展望』(東信堂)、共訳書:『ムーア臨床解剖学』(メディカルサイエンスインターナショナル)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに 【山田弘明】

序 【アニー・ビトボル‐エスぺリエス】



解剖学摘要 【安西なつめ・澤井 直・坂井建雄 訳】

治療法と薬の効能 【安西なつめ・澤井 直・坂井建雄 訳】

動物の発生についての最初の思索 【香川知晶・竹田 扇 訳】

味覚について 【香川知晶・竹田 扇 訳】

人体の記述 【山田弘明・竹田 扇 訳】



解 説

Ⅰ 『解剖学摘要』『治療法と薬の効能』解題 【安西なつめ】
  はじめに
  出版・翻訳の状況
  両テキストの概要
  『解剖学摘要』読解の留意点
  『解剖学摘要』に見られる松果腺
  おわりに

Ⅱ 『動物の発生についての最初の思索』『味覚について』解題 【香川知晶】
  テキストの問題
  『動物発生論』の執筆時期
  デカルト以前の動物発生論
  ガレノスの生理学説とデカルト
  『動物発生論』の概要
  『味覚論』
  『動物発生論』の意義

Ⅲ 『人体の記述』解題 【山田弘明】
  『人体の記述』の執筆
  その内容
  その特色

Ⅳ 解剖用語の歴史から見たデカルト──襲用と独自性 【澤井 直】
  はじめに──デカルトの観察の独自性への疑問
  観察における解剖用語
  17世紀前半の解剖用語の状況
  デカルトとボアンの解剖用語の比較
  ボアン以外の解剖学者の用語
  デカルトによる用語の襲用と独自の用語

Ⅴ 現代医学から見たデカルトの解剖学とその周辺 【竹田 扇】
  はじめに
  デカルトの解剖学における構造の同定とその解釈
  用語と概念の多義性──Semenceを例に
  おわりに

Ⅵ 西洋医学におけるデカルトと解剖学 【坂井建雄】
  17世紀の西洋医学
  デカルト以後の医学
  西洋医学における解剖学の役割

あとがき 【香川知晶】

人名索引
事項索引


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