大学出版部協会

 

科学史・科学哲学研究 〈新装版〉

叢書・ウニベルシタス340
科学史・科学哲学研究 〈新装版〉

四六判 674ページ 上製
価格:7,480円 (消費税:680円)
ISBN978-4-588-09953-3 C1310
奥付の初版発行年月:2012年07月 / 発売日:2012年07月中旬

内容紹介

コントの生命論、ベルナールの内部環境論や実験医学論、バシュラールのエピステモロジーを論じ、生理学・甲状腺病理学・反射概念・心理学・治療学などの形成史を、生命科学の認識論の角度から考察する。〈科学史とは何か〉を問い続けたカンギレムの仕事の総体を示す重要著作。

著者プロフィール

G.カンギレム(カンギレム ジョルジュ)

(Georges Canguilhem)
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。95年9月死去。邦訳書に、『正常と病理』(1943、66)、『生命の認識』(52、65)、『反射概念の形成』(55、77)、本書『科学史・科学哲学研究』(68)、『生命科学の歴史』(77)〔以上、法政大学出版局刊〕などがある。

金森 修(カナモリ オサム)

1954年生まれ。1985年パリ第一大学哲学博士。86年東京大学比較文学比較文化博士課程満期退学。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。

上記内容は本書刊行時のものです。

[訳者]

松浦 俊輔(マツウラ シュンスケ)
1956年生まれ。1987年東京大学比較文学比較文化博士課程満期退学。現在、フリーの翻訳家。

古賀 祥二郎(コガ ショウジロウ)
1950年生まれ。1986年一橋大学社会学研究科博士課程満期退学。現在、足利工業大学准教授。

兵藤 宗吉(ヒョウドウ ムネヨシ)
1951年生まれ。パリ第八大学心理学部博士課程修了。心理学博士。現在、中央大学文学部教授。

森脇 靖子(モリワキ ヤスコ)
1943年生まれ。東京都立大学理学部生物学科卒業。大阪府立大学修士課程修了。現在、大阪大学非常勤講師。

平松 希伊子(ヒラマツ キイコ)
1954年生まれ。1982年京都大学哲学科博士課程修了。パリ第四大学博士課程中退。現在、島根大学・他非常勤講師。

目次

 緒言
 第五版のための覚え書

A 序論──科学史の対象

I 追憶

B コペルニクスの世界の中のヴェサリウスの人間
C ガリレイ──業績の意味と人間としての教訓
D フォントネル──哲学者にして科学史家

II 解釈

オーギュスト・コント
E オーギュスト・コントの生命哲学と十九世紀フランスにおけるその影響
F オーギュスト・コントからみたモンペリエ学派
G オーギュスト・コントのフェティシズム論における宗教史と科学史
チャールズ・ダーウィン
H 一九五八年における「生存闘争」と「自然淘汰」の概念
I 心理学の観点からみたチャールズ・ダーウィンによる人間と動物
クロード・ベルナール
J クロード・ベルナールにおける実験医学の概念
K クロード・ベルナールにおける実験の理解と技術
L クロード・ベルナールとビシャ
M クロード・ベルナールからガストン・バシュラールに至る方法概念の進展
ガストン・バシュラール
N ガストン・バシュラールのエピステモロジーにおける科学史
O ガストン・バシュラールと哲学者
P ガストン・バシュラールにおける弁証法と否定の哲学

III 探求

生物学
Q 生物学のエピステモロジーにおける特異なものと特異性について
R 科学としての生理学の形成
S 十九世紀における甲状腺の病理学と生理学
T 十九世紀における反射概念
U 生物学の発見におけるモデルとアナロジー
V 生物学的思考における全体と部分
生物の新しい認識
W 概念と生命
心理学
X 心理学とは何か
医学
Y 治療学、実験、責任
Z 医学における合理性の権能と限界

 原注
 訳注
 解説 カンギレムの主要業績 (金森 修)
 あとがき


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。