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無神論

叢書・ウニベルシタス1028
無神論

四六判 310ページ 上製
定価:3,600円+税
ISBN978-4-588-01028-6 C1310
奥付の初版発行年月:2015年06月 / 発売日:2015年06月下旬

内容紹介

若き亡命ロシア人哲学者が、戦間期パリのヘーゲル講義で名を轟かせる以前の1931年にロシア語で書きつけた、神と人間、世界と無をめぐる根源的な思索のノート。公表を禁じられていた本テクストは、のちのコジェーヴの知られざる理論的出発点であり、ヘーゲルやハイデガーとの対決であるとともに、20世紀知識人の実存の記録でもある。思想史の欠落を埋める一冊、ロラン・ビバールによる解題付。

著者プロフィール

A.コジェーヴ(コジェーヴ アレクサンドル)

(Alexandre Kojève)
1902-1968。ロシア(モスクワ)生まれの著名なヘーゲル研究家・哲学者。ロシア革命の際にロシアを離れ、ドイツに亡命する。K.ヤスパースの指導の下で、ロシアの神学者ソロヴィヨフに関する学位論文を書く。1926年にフランスに移住。同じロシア出身の思想家A.コイレと交流し、彼のヘーゲル研究に大いに影響される。1933年から39年まで、コイレの後継者として、パリの高等研究院でヘーゲル『精神現象学』講義を行う。この講義には、M.メルロ=ポンティ、J.ラカン、R.アロン、G.バタイユ、P.クロソウスキー、R.クノーなど、第二次大戦後のフランスを代表する大知識人が多数出席し、彼らの思想形成に絶大な影響を与えた。この講義はR.クノーにより整理され、1947年に『ヘーゲル読解入門』のタイトルで公刊される(邦訳、国文社)。戦後はフランス政府の高級官吏として、フランスの対外経済政策に影響を与え、ヨーロッパ統合のために外交的手腕を発揮する。1968年ブリュッセルで死去。彼は生前著作を公刊しなかったが、その死後、残された原稿のいくつかが編集・出版された。『法の現象学』『概念・時間・言説』『権威の概念』(邦訳、法政大学出版局)と同様、本書もその一つである。その他に、『異教哲学史試論(三巻)』『カント』などがある。

今村 真介(イマムラ シンスケ)

1971年生。上智大学法学部法律学科卒業。一橋大学大学院言語社会研究科博士課程満期退学。現在、早稲田大学法学部非常勤講師。専攻は社会思想史、フランス史。著書に『王権の修辞学』(講談社)、共著に『儀礼のオントロギー』(同)、訳書にコジェーヴ『権威の概念』、共訳書にフュレ『マルクスとフランス革命』(以上、法政大学出版局)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

「解題」(ロラン・ビバール)

無神論
 草稿の形状
 草稿の内容
 『無神論』の人間学
 無神論以降
「知の体系」
 〈承認をめぐる闘争〉
 「〈知の体系〉 の 〈改訂〉」
 〈歴史の終わり〉と〈客観的実在〉
 「〈知の体系〉」の人間学
結論 アレクサンドル・コジェーヴの作品における『無神論』

* * *

『無神論』(アレクサンドル・コジェーヴ)

[問題設定]
 [無神論的宗教の観念。有神論と無神論]
 [存在神学の問題──有神論、無神論、神の属性]
 [世界外人間へ──三つの困難]

[世界内人間と世界外人間]
 [「世界内人間」に固有の同質的な相互作用]
 [有神論と無神論の諸事例]
 [人間と神、または二重化された人間]
 [「世界内人間」への「世界外人間」の与えられ]
 [有神論、無神論、死のパラドックス]
 [無神論者と有神論者の可死性について──自己意識へ]
 [揺るぎない確信のトーヌスと不安を与える未知のもののトーヌス]
 [なじみ深い親密性への揺るぎない確信と、不安を与える疎遠なものへの絶望からくる恐怖──内部と外部]
 [不安の与えられについて……]
 [恐怖の与えられに対して……]
 [与えられの外部性について……]
 [……人間の自由としての自殺の可能性について]
 [境界線としての死と差異としての意識──無神論者と自殺]
 [潜在的自殺者としての無神論者──個体性、自由、そして有限性]
 [有神論あるいは境界線としての死──神への道へ]
 [非──無神論者の魂と死、無神論者の自由と有限性]
 [有神論的直観についての有神論的解釈──神の問い]

[有神論、無神論、そして神への道]
 [神への道の観念]
 [有神論と無神論──定義]
 [有神論]
 [無神論]

[無神論の問いへの回帰]
 [無神論、有神論、哲学──導入部]
 [有神論と無神論との論争]
 [無神論的直観に関する有神論的解釈]
 [有神論的直観に関する無神論的解釈について]
 [有神論と無神論との論争の存在論的意味──有限と無限、哲学の場所・意味・役割]
 [有神論と無神論──無と向き合う神]
 [無神論者の無と有限]
 [無限としての有神論の神]
 [有限と無限]
 [無神論的宗教の観念への回帰──哲学の場所、意味、役割。哲学と知の体系]


訳者あとがき
注(『無神論』)
注(解題)


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