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H8マイコン制御実験

たのしくできる
H8マイコン制御実験

A5判 228ページ 並製
価格:2,750円 (消費税:250円)
ISBN978-4-501-32380-6(4-501-32380-9) C3055
奥付の初版発行年月:2004年04月 / 発売日:2004年04月中旬

内容紹介

動作原理やH8プログラミングを平易に解説

前書きなど

 コンピュータは,今日,私たちの生活に溶け込み、欠かすことのできない道具となりました。コンピュータが発明されてから,まだ一世紀も過ぎていませんが(コンピュータのルーツは,1940年代から始まります),コンピュータは飛躍的に進歩し,それにより社会のあり様も大きく変わりました。
 コンピュータの歴史の中で,マイクロコンピュータの発明はとても重要です。マイクロコンピュータを直訳すると,「とても小さいコンピュータ」となりますが,コンピュータが小型化し,大量生産ができるようになったことで,人々の生活の中に爆発的に普及したのです。
 現在,私たちの生活のいたるところで,マイクロコンピュータが活躍しています。パーソナルコンピュータはその代表選手ですが,エアコン,冷蔵庫,炊飯器,電話器,ファクシミリ,カメラ,ビデオ,玩具,産業用ロボット,自動車など,ありとあらゆる機器の中にマイクロコンピュータは組み込まれています。本書は,このような場所で働いているマイクロコンピュータに焦点をあて,その動作原理や活用方法を理解し,実際に応用できるようになるための技術入門書です。
 本書で扱うH8マイコンは,組込みシステム用に開発されたマイクロコンピュータで,コンピュータの機能を1つのICに収めたワンチップ・マイコンです。H8マイコンは,高性能な16ビット(内部32ビット)CPUを内蔵し,入出力ポート,タイマ,A/D変換器などの周辺機能も充実していて,様々な機器に応用できます。本書では,このH8マイコンを題材に,組込みマイコンシステムの仕組み,開発環境の整備,プログラミングや回路設計の考え方を解説していきます。
 マイクロコンピュータやその周辺技術は,過去の優れた技術を集大成してできているため,とても複雑です。本書では,できるかぎり全体的なイメージが浮かぶように,基本的な事項を選び,その意味や背後の考え方に主眼を置いて説明しました。しかし,それを理解する最長の方法は,実際にロボットなどの制御システムを,自分自身で組み立ててみることだと思います。そこで,最終的にロボットを製作することを目標に,それに必要な要素技術を1つずつ解説していく構成としました。各章ごとに独立したテーマを設定しましたので,興味のあるところから読み進めてもよいと思います。
 終わりに,本書を執筆する機会を与えてくださり,貴重なアドバイスをいただいた監修の浅川毅氏,本書を出版するにあたり多大な尽力をいただいた東京電機大学出版局の植村八潮氏,石沢岳彦氏に,そして何より読者の皆様に心から感謝申し上げます。
 2004年3月
 著者しるす


目次

1. 組込みマイコンとH8
 1.1 マイコンの動作原理
 1.2 マイコンと2進数
 1.3 CPUの機能
 1.4 メモリの機能
 1.5 マイコンシステムの構成
 1.6 H8マイコンについて
2. H8マイコンの基礎
 2.1 ハードウェア構成
 2.2 H8/300 CPU
 2.3 メモリの構成
 2.4 周辺機器
3. H8マイコンの開発環境
 3.1 マイコン開発に使う機器
 3.2 実験ボードのハードウェア
 3.3 実験ボードの製作
 3.4 H8マイコンのプログラム開発
 3.5 コマンドによるパソコンの操作
 3.6 モニタによるプログラムの実行
4. アセンブラプログラミング
 4.1 命令とアドレス指定
 4.2 演算命令
 4.3 アセンブラプログラムのかたち
 4.4 分岐処理のプログラム
 4.5 繰り返し処理のプログラム
 4.6 入出力ポートを操作するプログラム
 4.7 サブルーチン構成のプログラム
5. モータの駆動と制御
 5.1 スイッチ回路とスイッチ素子
 5.2 トランジスタによるスイッチ回路の設計
 5.3 DCモータ
 5.4 ステッピングモータ
6. センサからの入力
 6.1 センサとは
 6.2 接触センサ
 6.3 光電スイッチ
7. H8マイコンロボットの製作
 7.1 ライントレースロボットとは
 7.2 ロボットの設計と製作
 7.3 動作テスト
 7.4 ライントレースロボットのプログラム
 7.5 プログラムのROM化


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