大学出版部協会

 

 ウミガメの回遊行動と生活史の多型竜宮城は二つあった

フィールドの生物学
竜宮城は二つあった ウミガメの回遊行動と生活史の多型

B6判 248ページ 並製
定価:2,000円+税
ISBN978-4-486-02104-9 C1345
奥付の初版発行年月:2016年09月 / 発売日:2016年09月上旬

内容紹介

日本人には馴染みの深い浦島太郎伝説。砂浜で助けたアカウミガメ産卵個体の背中に乗って太郎が辿り着いた竜宮城は一つではなかった。大きなカメを助けていれば東シナ海へ、小さなカメを助けていれば太平洋へ。東シナ海の竜宮城では貝やカニ等の底生動物の舞い踊りを、太平洋の竜宮城ではクラゲ等の浮遊生物の舞い踊りを堪能したことだろう。太郎がもし同じカメに乗って帰ったのなら、東シナ海からは二年後、太平洋からは四年後だった筈だ。栄養価の高い餌を食べてすぐに帰ってこられる東シナ海のカメは、太平洋のカメよりも二倍多く子ガメを産み出していた。二つの竜宮上の謎を解明かすために、日本の代表的なウミガメ産卵地を渡り歩いた一フィールドワーカーの見聞録。

著者プロフィール

畑瀬 英男(ハタセ ヒデオ)

1973生 兵庫県生まれ。北海道大学農学部畜産科学科卒業。京都大学大学院農学研究科博士後期課程応用生物科学専攻修了。博士(農学)。現在、東京大学大気海洋研究所在籍。「ウミガメ類の回遊生態と生活史に関する研究」で日本水産学会水産学奨励賞受賞・著書―『ウミガメの自然誌』(東京大学出版会)、『海の生物資源』(東海大学出版会)など

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
第1章 アカウミガメの竜宮城を求めて-和歌山県南部町と屋久島
 発端
 ウミガメという生き物
 梅の里、南部
 夜の砂浜を歩く
 「二つの竜宮城」仮説
 水の島、屋久島
 人事を尽くして天命を待つ
 餌生物を求めて北へ南へ
  コラム 国際学会(其之壱):米国でコロウナに酔う
 「二つの竜宮城」実証
 雄の竜宮城
 母浜回帰と遺伝的集団構造
 単なる竜宮城の効果
  コラム 豪州語学研修
第2章 アオウミガメの竜宮城を求めて-小笠原諸島
 一千キロメ-トル南の東京都、小笠原村
 台風襲来
 南国雑居生活
 南国独居生活
 アオウミガメの竜宮城
  コラム すだちの香漂う蒲生田海岸
  コラム 国際学会(其之弐):米国でハンバーガーに胸を焦がす
第3章 アカウミガメの二つの竜宮城-その原因
 餌場での潜水行動
 エネルギー収支と回帰間隔
  コラム 国際学会(其之参):ギリシャで珈琲の上澄みを啜る
 餌場の違いは氏か育ちか
  コラム ウミガメの成育場、八丈島と黒潮続流域
 生体の年齢形質
 「初期成長条件に応じた生息域選択仮説」と初産齢
 二つの竜宮城の原因、迷宮入り
  コラム 国際学会(其之四):豪州でワニを食らう
  コラム 山の中野達彦浦島伝説、寝覚の床
第4章 アカウミガメの二つの竜宮城-その結果
 餌場が繁殖特性に及ぼす影響
 産み出す子ガメの数の数値化
 子供の量と質のトレ-ドオフの探索:卵質
 幼体サイズ
  コラム 国際学会(其之五):トルコでサバサンドを齧る
  コラム 國際學會(其之六):台湾で砂糖きびの汁を吸う
 初期成長と生残
あとがき
引用文献
索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。