大学出版部協会

 

古代文明から持続的な都市社会を考える文明の基層

文明の基層 古代文明から持続的な都市社会を考える

A5判 80ページ
価格:1,320円 (消費税:120円)
ISBN978-4-13-003152-3 C1020
奥付の初版発行年月:2015年07月

内容紹介

古代都市のイメージは大きく変わりつつある.インダス文明の諸都市のゆるやかなネットワーク,中米の古代最大都市テオティワカンでの新しい発見.人はなぜ都市を作ってきたのか,その歴史的基層を中世ヨーロッパのヴェネツィアへとたどりながら,改めて都市の魅力と未来への可能性を探る.大学出版部協会ブックレット第3弾.【発行:大学出版部協会/発売:東京大学出版会】


目次

第一章 インダス文明:ネットワーク都市—中央集権的文明観を覆す(長田俊樹)
「大河文明」は本当か?—広大なインダス文明/インダス印大河から離れて/砂漠の遺跡の謎/「城塞」と「パスポート」—都市ネットワーク論に向けて/墓から見えるもの—格差の不在/砂丘が先か,文明が先か/インダス文明は大河文明ではなかった—農業と水害の視点/古代文明観を見直す—「穀物倉」と「アーリア人侵入説」/文明の衰退について考える/ゆるやかなネットワークの存在/都市社会をどう見るか——中央集権的文明観からの解放

第二章 新世界最大の古代都市テオティワカン:英知の集積としての都市(杉山三郎)
閉ざされた空間の多様性/文明の萌芽/認知能力=知恵こそが,文明の基盤をなす/中規模都市ができ始める/完全計画都市,テオティワカン/多くの人を迎える巡礼地として/暦と数の体系/「太陽のピラミッド」と「月のピラミッド」の二元性/墓は語る/古代人の交流—物を集めるネットワーク/文明の確立から崩壊へ——伝わり,つながる文明の諸要素

第三章 水都ヴェネツィア:交易都市から文化都市へ(陣内秀信)
水と共生する町,ヴェネツィア/逆・中央集権的構造都市—複雑に交差する水と陸のネットワーク/都市を解読する/交易都市から文化都市へ/オリエント志向と柔軟性/分散的都市から統合的都市へ/なぜ都市に人が集まるか/城壁の無い町/都市モデル再考/川が結ぶネットワーク/水車の活用/考古学調査がヴェネツィアのイメージを変える/ヴェネツィアの食と産物のネットワーク/ラグーナは自然・環境・歴史の宝庫——文化都市から環境都市へ


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。