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アニメーターの社会学―職業規範と労働問題―

アニメーターの社会学―職業規範と労働問題―

A5判 249ページ 並製
定価:2,400円+税
ISBN978-4-903866-41-3 C3079
奥付の初版発行年月:2017年08月 / 発売日:2017年08月上旬

出版部から一言

 日本のアニメ産業を支えるアニメーターの労働実態は低賃金・長時間労働であることが知られるが、なぜ彼らはそうした労働を受容するのか。
 本書では現役で働くアニメーターへのインタビューデータのエスノメソドロジー的分析からそうした受容を可能にしている職業規範のあり方に迫った。
 そこからは、彼らがふさわしいと見なすあり方は既存の独創性を発揮する「クリエーター」ではなく工程を遵守する「職人」であり、その「職人」としての実力を第一に重視する職業規範によって一見過酷な労働の受容が可能になっていることを明らかにした。
 さらに、アニメーターの職業規範は彼らにとって何が不合理な事態なのかについての理解ももたらした。彼らにとって不合理な事態は、入職後長期にわたって低賃金状態が続くこと、そして一律単価制度によって作画への労力が適切に評価されないことであった。
 こうした一連の分析を通して、労働問題を社会学的に扱う一つの仕方を示した。

前書きなど

 日本のアニメ産業を支えるアニメーターの労働実態は過酷であることが知られるが、なぜ彼らはそうした労働を受容するのか。アニメーターへのインタビューの社会学的分析から彼らがふさわしいと見なすあり方は既存の独創性を発揮する「クリエーター」ではなく、工程を遵守する 「職人」であり、その「職人」としての実力観から一見過酷な労働の受容が可能になっていること、それでもなお不合理とみなされる事態があることを明らかにした。

著者プロフィール

松永 伸太朗(マツナガ シンタロウ)

一橋大学大学院社会学研究科博士課程

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 本書の問題設定と構成
第1章 アニメーターという対象
第2章 働きすぎという現象の捉え方
第3章 データと方法 ―規範の記述とエスノメソドロジー
第4章 アニメーターの仕事についてのエスノグラフィックな前提
第5章 アニメーターの仕事を形作る二つの職業規範
第6章 規範の利用と独創性の発揮
第7章 規範の利用と労働条件の受容
第8章 アニメーターにとっての労働問題
終 章 本研究の意義と課題


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