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東アジア社会における儒教の変容

専修大学社会科学研究所 社会科学研究叢書 10
東アジア社会における儒教の変容

A5判 288ページ 上製
定価:3,800円+税
ISBN978-4-88125-198-0 C3330
奥付の初版発行年月:2007年10月

内容紹介

東アジアが一つの歴史世界と目されるのは、中国に起源をもつ漢字、儒教、律令制度といった共通文化要素のためである。本書は人類学、文学、思想史等の観点から当該文化の変容を考察し、文化・社会の共通性と多様性を問い直そうとしたものである。

著者プロフィール

土屋 昌明(ツチヤ マサアキ)

[現職]専修大学経済学部教授。[専門]中国思想・文学史。
[著書等]『神仙幻想一道教的生活』春秋社,2002。「平田篤胤の幽冥観と道教・神仙思想」『専修大学人文科学年報』34号,2004。The Confession of Sins and Awareness of Self in the Taipingjing, Kohn and Roth ed. Taoist Identity, Hawaii U. P. 2002.

網野 房子(アミノ フサコ)

[現職]専修大学法学部准教授。[専門]社会人類学。
[著書・論文]宮田登・森謙二・網野房子編『老熟の力―豊かな〈老い〉を求めて』早稲田大学出版部,2000。「『もの』に宿る神―済州島の巫具をめぐって」朝倉敏夫編『「もの」から見た朝鮮民俗文化』新幹社,2003。「巫女と死霊・あの世の使者・クィヤン―韓国済州島の死霊儀礼の調査から」赤坂憲雄編『東北学』9号,東北文化研究センター,2003。「巫女とケガレ―韓国済州島と珍島の調査から」阿部年晴・綾部真雄・新屋重彦編『辺縁のアジア―〈ケガレ〉が問いかけるもの』明石書店,2007。

仲川 裕里(ナカガワ ユリ)

[現職]専修大学経済学部准教授。[専門]社会人類学。
[著書等]「祖先祭祀の規範と実践―韓国慶尚南道の事例から」宮家準編『民俗宗教の地平』春秋社,1999。「レヴィ=ストロースの〈イエ〉(maison/house)概念普遍化の有効性について」『哲学』慶應義塾大学三田哲学会,第107集,2002。「韓国の出生動向―少子化と出生性比不均衡について」『専修経済学論集』39巻2号,2005。

厳 基珠(オム キジュ)

[現職]専修大学ネットワーク情報学部准教授。[専門]韓国文学。
[著書等]「近世の韓・日儒教教訓書」『比較文学研究』70号,1997。「『三綱行実図』類の変化に表れた17世紀朝鮮の社会相」『専修大学人文科学年報』30号,2000。「新羅の遣唐留学生」専修大学・西北大学共同プロジェクト編『遣唐使の見た中国と日本』朝日新聞社,2005。「日本における朝鮮語辞典の現況」『専修大学外国語教育論集』34号,2006。

前川 亨(マエカワ トオル)

[現職]専修大学法学部准教授。[専門]東アジアの思想史。
[論文]「中国宗教の原質としての「宇宙神教」―中国宗教の全体構造に関するモデル」『東洋文化研究所紀要』136冊,1998年。「中国における『血盆経』類の諸相―中国・日本の『血盆経』信仰に関する比較研究のために」『東洋文化研究所紀要』142冊,2003。「文化接触の諸類型―「東アジア」地域を想定した理論的枠組みとして」『専修大学社会科学年報』39号,2005。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はしがき

第1章 豚と天神
―朝鮮半島の巫俗と儒教の習合をめぐる一考察― 網野 房子
1.はじめに―「二重構造論」再考
2.済州島の酺祭
3.豚と天神と儀礼
(1)儒教と犠牲
(2)村落儀礼・雨乞い儀礼と豚
(3)豚の供犠儀礼の起源をめぐって
4.一地域社会の豚と天神
5.豚・天神と巫俗・儒教
6.おわりに

第2章 「両班化」の諸相と儒教
―イデオロギーの社会的上昇機能と限界―  仲川 裕里
1.はじめに
2.「両班」とは何か
(1)「両班」の多義性
(2)朝鮮時代の「両班」
(3)韓国社会と「両班」
3.儒教の受容と変容
(1)朝鮮王朝以前の儒教
(2)朝鮮時代の儒教
(3)近現代の儒教
4.「両班化」の諸相と儒教
(1)「両班化」の多義性
(2)現代韓国社会の「両班化」
(3)「両班化」における儒教の役割
5.結びにかえて

第3章 東アジア三国における『剪燈新話』の存在様相 厳基珠
1.はじめに
2.中国における『剪燈新話』の位置づけ
3.朝鮮における『剪燈新話』の伝播のありさま
(1)『金鰲新話』
(2)『剪燈新話句解』
4.日本における『剪燈新話』の伝播のありさま
(1)『奇異雑談集』
(2)『伽婢子』と『雨月物語』
5.おわりに

第4章 身体感覚としての孝
―二十四孝と宝巻にみる孝の実践形態― 前川 亨
1.序論―孝は性的倒錯か―
2.孝の身体性―孝と不孝の弁証法―
3.二十四孝の分析
4.宝巻にみえる孝
5.身体感覚なき孝の世界
6.結語

第5章 「理性の国」と文化大革命
―梁漱溟における儒教の変容― 土屋 昌明
1.はじめに
2.『理性之国』の概要
3.『理性之国』における儒教
(1)イデオロギーとしての儒教の否定・宋明儒教の軽視
(2)孔子の理性に対する集中的な尊重
(3)孔子本人の態度・倫理的実践の重視
(4)儒教による倫理本位社会の正と負
(5)新たな礼楽の建設の必要性
4.儒教と社会主義
(1)中国革命と儒教
(2)レーニン・毛沢東と儒教の接続―自覚性
(3)社会主義の出自と儒教
(4)社会主義と儒教の目標「大同」
5.梁漱溟と文革
6.『理性之国』の狙いと毛沢東
7.結語




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