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 復興の物語を再創造する新しい人間、新しい社会

災害対応の地域研究5
新しい人間、新しい社会 復興の物語を再創造する

清水 展:編著, 木村 周平:編著
A5判 402ページ 並製
定価:4,000円+税
ISBN978-4-87698-899-0 C1336
奥付の初版発行年月:2015年12月 / 発売日:2015年12月中旬

著者プロフィール

清水 展(シミズ ヒロム)

京都大学東南アジア研究所教授
研究分野:文化人類学、東南アジア研究
主な著作に、『草の根グローバリゼーション―世界遺産棚田村の文化実践と生活戦略』(京都大学学術出版会、2013)、「応答する人類学」(山下晋司編『公共人類学』東京大学出版会、2014)など。

木村 周平(キムラ シュウヘイ)

筑波大学人文社会系助教
研究分野:文化人類学、災害研究、科学技術社会論
主な著作に、『災害フィールドワーク論』(古今書院、2014、共編著)、『震災の公共人類学―揺れとともに生きるトルコの人びと』(世界思想社、2013)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

口絵
「災害対応の地域研究」シリーズの刊行にあたって
凡例

はじめに―災害から新しい人間と社会の想像=創造へ [清水 展・木村周平]
本書のねらい /「復興」を長期で捉える /「創造的」復興へ / 現場の声と小さな物語 / 新しい人間と社会の想像=創造

第一部 紡ぎ出す、読み替える
第1章 先住民アエタの誕生と脱米軍基地の実現―大噴火が生んだ新しい人間、新しい社会 [清水 展]
1 スローワークの人類学から
2 アエタの被災と転生―国民=先住民の誕生
3 新しい人間―文化の意識化と生きる時空間の拡張
4 米軍基地の全面撤退―噴火とナショナリズム
5 フィリピン社会の新たな自画像の模索
6 自然災害が開く創造的復興のアリーナ
第2章 現場で組み上げられる再生のガバナンス―既定復興を乗り越える実践例から [大矢根淳]
1 既定復興とその批判的検討の履歴
2 新しい「復興の物語」に向けて―雲仙・阪神から中越・東日本へ
3 事前復興―減災サイクルと地域防災力の醸成
4 復興の物語を自前で組み上げていくために
第3章 復興の物語を読み替える―スマトラの「標準の復興」に学ぶ [山本博之]
1 災害対応における「余白」―都市再開発と強制排除
2 「既定の復興」―行政による復興事業
3 「標準の復興」―域外者による復興事業
4 「標準の復興」を読み替える
5 創造的復興を豊かにするために―スマトラから学ぶこと
コラム1 居住の権利―住むことは生きること [たけしまさよ]

第二部 忘れる、伝える
第4章 神戸という記憶の〈場〉―公的、集合的、個的記憶の相克とすみわけ [寺田匡宏]
1 記憶・公共性・〈場〉
2 震災“メモリアル博物館”設立の経緯と公の論理
3 個的記憶の心情
4 「メモリアルセンター論争」
5 無名の死者の捏造―被災と復興の演出
6 石として、樹として―震災モニュメント
7 課題と引き継がれるもの
第5章 プーケットにおける原形復旧の一〇年―津波を忘却した楽園観光地 [市野澤潤平]
1 喉元過ぎれば熱さ忘れる?
2 青天の霹靂
3 災害に対する観光地の脆弱性
4 観光業の低迷と焦燥
5 原形復旧型復興
6 記憶の放棄と痕跡の抹消
7 プーケットの視点から考える
コラム2 コミュニティ防災の決め手 [鍵屋 一]
第6章 制度の充実と被災者の主体化―生活再建をめぐるせめぎあいの二〇年 [重川希志依]
1 あらためて生活再建支援を考える
2 阪神・淡路大震災の衝撃―災害エスノグラフィーとの出合い
3 被災者の生活再建とり災証明書
4 普通のルートを通らぬ被災者
5 主体性を持った生活再建と公助のかたち
第7章 トルコ・コジャエリ地震の経験の継承―私の声が聞こえる人はいるか? [木村周平]
1 二〇一四年一〇月二三日
2 「復興」と記憶
3 制度化と忘却のダイナミズムとともに生きる
4 防災住民組織から緊急時のセミプロへ
5 「私の声」から「あなたに」へ

第三部 作り出す、立ち上がる
第8章 小さな浜のレジリエンス―東日本大震災・牡鹿半島小渕浜の経験から [大矢根淳]
1 レジリエンス概念をめぐって
2 牡鹿半島小渕浜「第11班」の底力
3 浜の復興―合併後遺症とArchiAidの試み
4 改正災害対策基本法第八六条の七(在宅被災者対応)
第9章 アートによる創造的復興の企て―保険に支えられた移動/再建 [大谷順子]
1 カンタベリー地震被災地の概況
2 災害保険制度に伴う自助中心主義
3 復興への希望―アート
4 ニュージーランドの事例を読み替える
第10章 復興ツーリズム―震災後の新しい観光スタイル [山下晋司]
1 災害と観光
2 震災後の対応
3 新しい観光スタイルの出現―ボランティア・まなび・絆
4 復興ツーリズム―記憶と忘却の彼方に
5 観光とリスク社会―再帰的ツーリズム
6 公共的課題の解決のために―公共ツーリズム
7 ツーリズムが紡ぎ出す新しい物語
コラム3 被災者と外部者の間から見たボランティアツーリズム [内尾太一]

おわりに―被災とともに [木村周平・清水 展]
コミットしてゆく研究―清水の呼びかけ /「地域」は後からやって来る / 災害対応の協働実践プラットフォーム / 呼びかけ―「あなた」へ / 木村からの応答

「災害対応の地域研究」シリーズの結びにかえて

索引
著者略歴


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