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中国中古の書学理論

プリミエ・コレクション67
中国中古の書学理論

A5判 280ページ 上製
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-87698-894-5 C3376
奥付の初版発行年月:2016年03月 / 発売日:2016年03月中旬

内容紹介

後漢後期から唐前期にかけての中国中古の時代は、書に対する意識が高められ王羲之ら名手たちの書が登場した。この時代はじめて現れた書学理論から、同時代の文学論や美術論との連関を解明する。

著者プロフィール

成田 健太郎(ナリタ ケンタロウ)

東京大学附属図書館アジア研究図書館上廣倫理財団寄付研究部門特任研究員
1981年 島根県松江市生まれ
京都大学大学院文学研究科中国語学中国文学専修博士後期課程修了
博士(文学)。

主な著作
『唐代の文論』(共著、研文出版、2009年)
『詩僧皎然集注』(共著、汲古書院、2014年)
『芸術理論古典文献アンソロジー東洋篇』(共著、藝術学舎、2014年)。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

    まえがき
    図版出典一覧
序 章
    第一節 書学理論の定義とその研究の意義
    第二節 中古における書学理論の発達
    第三節 本書の取り扱う書学理論著作
    第四節 書学理論研究の方向と本書の達成
第一章 書体を詠う韻文ジャンル「勢」とその周辺
    第一節 「勢」というジャンル
    第二節 「勢」の様式
    第三節 趙壱「非草書」にみる「勢」の胎動
    第四節 「勢」と詠物賦
    第五節 「勢」の形成と展開(東晉まで)
    第六節 劉宋以降の「勢」と散文書論
    第七節 小結
    附録 十家勢輯校
第二章 張懐瓘『書断』の書体論
    第一節 張懐瓘『書断』の品第法と書体論
    第二節 『書断』の十体
    第三節 質と文、古と今
    第四節 静と動
    第五節 篆隷における書体論
    第六節 草隷における書体論
    第七節 『書断』の書体論の成果
    附表
第三章 張懐瓘『書断』の史料利用と通俗書論
    第一節 『書断』の史料利用に関する先行研究
    第二節 『書断』の史料利用の体例
    第三節 正統書論と通俗書論
    第四節 『書断』の通俗書論利用
    第五節 『書断』と通俗書論の接近
    第六節 小結
第四章 初唐以前の書訣について
    第一節 緒論
    第二節 材料の整理
    第三節 問題点の検討
    第四節 餘論・小結
第五章 魏晉南朝の文論・書論にみる風格論と技法論
    第一節 人物評論にみる風格論とその文論への展開
    第二節 魏晉南朝の書論にみる技術と風格
    第三節 文体・書体の別と筆勢の位置
    第四節 風格から技法へ
第六章 〈筆勢〉の生れるところ―魏晉より唐初に至る書論を中心に
    第一節 緒論
    第二節 〈勢〉の構造
    第三節 書論における〈勢〉
    第四節 筆の形象
    第五節 書論における筆と〈筆勢〉
    第六節 書訣における筆法と〈筆勢〉
    第七節 小結

    初出一覧
    参考文献一覧
    あとがき
    索引(人名、事項、書名・書跡名)
    英文要約


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