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都市平安京

都市平安京

菊判 384ページ
定価:3,600円+税
ISBN978-4-87698-618-7(4-87698-618-5) C3021
奥付の初版発行年月:2004年03月 / 発売日:2004年07月上旬

内容紹介

平安京の「住人」の住むイエとは何か? それを取り巻く生活環境は? 都市災害や犯罪,貴族と住人の相互関係は?…など,豊かな史料群を再構成することで,従来の常識・通説のイメージを超えた新しい平安京像を描き出す.本書の斬新な歴史像は,日本の歴史文化の全体把握に大きく寄与すると同時に,現代都市との有効な比較材料となる.

著者プロフィール

西山 良平(ニシヤマ リョウヘイ)

京都大学大学院人間・環境学研究科教授。
日本の奈良・平安時代の政治史・文化史専攻。
1951年 大阪府で生まれる。
1979年 京都大学大学院文学研究科博士課程(国史学専攻)単位取得退学。
京都大学文学部助手・京都市立芸術大学美術学部専任講師などを経て、現在に至る。
1980年代、律令制国家の農村支配と平安時代の地域社会の変容過程を検討し注目される。最近では、平安京の都市構造や奈良・平安時代の王権の問題、さらに穢れや祟りの実態に関心を広げている。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第一部 平安京の枠組み

序 章――本書の課題と構成
 1 本書の課題
 2 本書の構成

第一章 平安京の〈空間〉
 はじめに
 1 貴族のイエ――変転する平安京
    一 貴族のイエと寝殿造  / 二 イエの構造  / 三 イエの周辺
    四 空家と荒廃
 2 都市住人のイエ――流動する平安京
    一 条坊制と戸主  / 二 町屋の始発  / 三 住人の家族
    四 イエとホームレス
 3 王権と大内裏――反転する平安京
    一 都市と火事  / 二 内裏の実在と不在  / 三 西寺と西鴻臚館
    四 羅城門と豊楽院― 第一期の廃絶  / 五 第一期と第三期の廃絶の意味
 おわりに

第二部 平安京の〈住人〉

第二章 平安京の〈家〉と住人
 はじめに
 1 〈家〉と穢れ
    一 〈死〉と穢れ  / 二 「産マム所」
 2 〈家〉と家主
 3 保・随近・隣人
    一 保と刀鱈  / 二 随近・近辺  / 三 隣人の社会関係
 おわりに

第三章 平安京の病者と孤児
 はじめに――「路辺」の病者と孤児
 1 病者の遺棄
    一 京中の病者  / 二 説話と記録の病者  / 三 男性と女性の病者
 2 孤児と捨子
    一 多様な捨子  / 二 「異常な」出産  / 三 継子と「貧困」
    四 捨子と孤児と姫君
 3 「門」と路辺
    一 門と病者・孤児  / 二 門と鬼・犬  / 三 危険な路辺
 おわりに――平安京の社会構造
    一 「家族の破片」  / 二 平安京の特質

第四章 平安京のイエと排泄・トイレ
 はじめに
 1 内裏と犬・狐の屎
 2 貴族のイエと人糞
    一 溝・川と排泄  / 二 貴族のイエと樋洗童
 3 都市住人の排泄と糞尿譚
    一 貴族のイエと糞尿譚  / 二 都市住人のイエと〈非日常的な〉排泄
 4 都市の共同排泄と高足駄
    一 小路の〈糞〉  / 二 〈空地〉の共同排泄  / 三 高足駄・足駄と排泄
    四 犬と糞
 おわりに―平安京と排泄

 ■補論 平安京・中世京都のトイレと排泄――とくに都市住人の場合
 1 平安京と古代のトイレ
 2 中世京都の排泄と絵巻
 3 町屋のウラとトイレ

第五章 平安京の動物誌
 はじめに
 1 六畜の穢れ
    一 馬・牛・犬と狐・狼・鹿  / 二 犬の穢れと内裏
 2 平安京と馬・牛・犬
    一 馬・牛の放飼  / 二 犬と都市
 おわりに―― 平安京の都市問題としての動物

第三部 平安京の〈秩序〉

第六章 京中〈群盗〉の歴史構造
 はじめに
 1 京中盗人の社会関係
    一 京中盗人の身分― 流民か兵か  / 二 「案内を知る者に似る」― 盗人の社会関係
    三 嫌疑と無実― 盗人と住人の境界
 2 〈群盗〉集団の歴史関係
    一 「群盗数十人」― 群盗の規模  / 二 従者と同類― 盗人・〈群盗〉の構成原理
    三 「弓矢を奉りて降を請う」― 群盗と合戦

第七章 平安京の火事と〈都市〉住人
 はじめに
 1 平安京と火事
    一 「火かと思へど、さにはあらず」― 〈都市〉災害と火事
    二 「火は或いは放火或いは失火」― 火事の原因
 2 火事と〈都市〉住人
    一 「ちかう火のさわぎす」――出火  / 二 「人々早く見着けて滅す」―― 延焼と鎮火
 3 火事と〈都市〉構造
    一 「一物も取り出ださず」―― 貴族の〈家〉
    二 「西は限る西洞院大路」―― 住人の「町」
 おわりに

第四部 平安京の〈内〉と〈外〉

第八章 平安京の〈門前〉と飛礫
 はじめに――花山院の〈門前〉
 1 石で打つ・石を投げる
 2 馬・車を下りる 門を避ける
 3 〈門前〉の支配と暴力
 おわりに――〈門前〉と〈門前ノ町〉

第九章 平安京と農村の交流
 はじめに――平安時代交通史の視角
 1 居住の論理
    一 本貫から居住へ  / 二 住人の成立  / 三 下手・官人の在所
    四 京中の住人
 2 城外の規律
    一 『大鏡』の城外  / 二 下向の論理  / 三 官人の城外居住
 3 下向と京上
    一 受領の郎等・不善輩  / 二 郎等・不善輩の往反  / 三 受領の親属
    四 国衛官人の京上
 4 事縁の様態
    一 事縁を訪う  / 二 因縁と近親  / 三 相知の社会関係
 おわりに――諸国から、アジアへ

     あとがき
     図版所蔵者・転載一覧
     索  引


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