大学出版部協会

 

日本と琉球の歴史景観と地理思想

東西学術研究所研究叢刊42
日本と琉球の歴史景観と地理思想

B5判 368ページ
価格:6,050円 (消費税:550円)
ISBN978-4-87354-549-3 C3025
奥付の初版発行年月:2012年10月 / 発売日:2012年04月上旬

内容紹介

琉球は、古代以来、日本文化の影響下におかれてきたというのが一般的な理解である。しかし、歴史景観に潜んでいる地理思想を分析すれば、これはある意味では作為的なミスリードであったことがわかる。本書では、集落形態、道路網、龍の存在、魔除けの標識、天妃信仰などのフィールド調査を通じて、相互の多面的な交流を検討する。


目次


総論 日本と琉球の歴史景観と地理思想
 1 はじめに―方と円の歴史景観
 2 都市・村落と風水思想
 3 都市と村落を囲むもの
 4 龍の存在
 5 直線道路と曲線道路
 6 石敢當と遠見遮断からの展望―むすびにかえて
第1章 東アジア世界としての古代飛鳥と広域的都市計画
 1 はじめに―東アジアにおける文化交渉の舞台としての古代飛鳥
 2 飛鳥・藤原における広域的都市計画
 3 渡来人の飛鳥地理観と「石の文化」
 4 飛鳥の要塞化と文化交渉―むすびにかえて
第2章 風水都市としての紫香楽宮と方格地割
 1 史跡紫香楽宮と宮町遺跡
 2 宮町地区における方格地割
 3 信楽盆地における方格地割
 4 紫香楽宮と恭仁宮の立地と風水思想
第3章 長崎唐人屋敷の景観と構造―中国風囲郭街区への改造―
 1 はじめに
 2 長崎唐人屋敷の変容
 3 長崎唐人屋敷の景観復原
 4 復原図からみた後期唐人屋敷のプラン
 5 おわりに
第4章 琉球における石敢當―那覇市首里地区を事例として―
 1 琉球の街角―石敢當のある光景
 2 石敢當に関する既往の研究
 3 那覇市首里地区の石敢當
第5章 那覇市壺屋地区の曲線道路と石敢當
 1 はじめに―陶業集落としての那覇市壺屋地区
 2 「迷宮」的な壺屋地区と石敢當
 3 琉球における古い集落形態としての壺屋
 4 おわりに―壺屋地区の景観保全
第6章 石敢當の伝播と拡散にみる琉球と日本―奄美諸島を中心として―
 1 日本列島の石敢當
 2 奄美諸島における石敢當
 3 石敢當の伝播・拡散と文化交渉
第7章 今帰仁城近接地からの集落移動と格子状集落今泊の形成―土地所有からみた分析―
 1 今帰仁城周辺の旧集落地と集落移動に関する既往の研究
 2 今帰仁城周辺の集落移動に関する再検討の意義と経緯
 3 土地所有状況から見た今帰仁城近接地区と今泊集落
 4 むすびにかえて―土地所有状況から見える集落移動の実態
第8章 琉球の歴史的集落今泊の景観と保全
 1 歴史的集落としての今帰仁村今泊
 2 今泊集落の家屋と屋敷囲い
 3 今泊集落の石敢當
 4 今泊集落の福木景観
 5 今泊景観の保全
第9章 奄美大島龍郷町の集落と石敢當
 1 日本における石敢當と奄美諸島
 2 龍郷町の集落と石敢當
 3 龍郷町の石敢當の特色―むすびにかえて
第10章 神の島・古宇利島の集落と伝統的地理思想―琉球としての再認識と強調―
 1 神の島・古宇利島
 2 古宇利島における石敢當
 3 古宇利島における民俗信仰と琉球であることの再認識
 4 民俗信仰の活性化と琉球であることの強調―石敢當ブームの語るもの
第11章 日本における天妃信仰の展開とその歴史地理学的側面
 1 日本における媽祖信仰に関する研究
 2 天妃宮の分布と立地
 3 天妃・天后の舞台とその変貌―むすびにかえて
あとがき
初出一覧
図版・写真・表一覧
索引


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。