大学出版部協会

 

 重大損害防止規則と衡平利用規則の関係再考国際水路の非航行的利用に関する基本原則

国際水路の非航行的利用に関する基本原則 重大損害防止規則と衡平利用規則の関係再考

A5判 366ページ 上製
定価:6,100円+税
ISBN978-4-87259-677-9 C3032
奥付の初版発行年月:2019年03月 / 発売日:2019年04月上旬

内容紹介

水需要が増大し、地球温暖化の影響によって水環境の変化も生じるなかで、水資源の国際的な保全と管理は、喫緊の課題となっている。本書は、国際水資源の保全及び管理のあり方を考えるための基礎研究として、国際水路法分野における二大原則である重大損害防止規則と衡平利用規則の関係について、従来の理論を再検討し、新たな理論的枠組みを提示する。

前書きなど

世界各地の国際河川や湖で流域人口の増加して水需要が増大し、地球温暖化の影響による異常気象や自然災害も増加傾向にある21世紀において、国際社会は、淡水資源の利用、管理、保全、配分をめぐる国家間対立や紛争の危機に直面しており、水資源の国際的な保全と管理は、喫緊の課題ともいえる様相を呈している。本書は、国際水資源の保全及び管理のあり方を考えるための基礎研究として、国際水路法分野における二大原則である重大損害防止規則と衡平利用規則の関係について、従来の理論を再検討し、新たな理論的枠組みを提示する。考慮説と不考慮説が対立するための条件を整理し、対立が明白に問題になる場合における解決策を導き出す。

著者プロフィール

鳥谷部 壌(トリヤベ ジョウ)

1984 年 大阪府生まれ
2009 年 亜細亜大学法学部卒業
2011年 大阪大学大学院法学研究科 修士課程了
2018 年 大阪大学大学院法学研究科 博士(法学)の学位取得
現在 大阪大学大学院法学研究科 助教

<主要論文>
「国連水路条約における衡平利用原則と重大危害防止の関係についての再検討――緩和肯定説と緩和否定説の対立解消に向けての一考察――」環境法政策学会編『生物多様性と持続可能性(環境法政策学会誌第 20 号)』(商事法務、207年3月)
「国際河川法における最小流量確保義務の形成と展開」国際公共政策研究(大阪大学)第20巻第1号(2015年9月)
「インダス川水系キシェンガンガ計画事件判決の国際法上の意義(一)(二・完)――水力発電計画の合法性及びダム下流における河川環境の法的保護――」阪大法学、第 64 巻第 6号(2015年3月)、第 65巻第 1号(2015 年 5月)
「国際水路非航行利用条約発効と今後の課題」環境管理、第51巻第1号(2015年1月)
「国際河川委員会における国境水紛争処理制度の意義と課題(一)(二)(三・完)――アメリカ=カナダIJCの実践を手掛かりに――」阪大法学、第63巻第5号(2014年1月)、第63巻第6号(2014年3月)、第64巻第1号(2014年5月)

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 章 重大損害防止規則と衡平利用規則との関係の実相
第1節 問題の所在
第2節 本書の基本的視座及び本書の構成

【第Ⅰ部】国際水路条約の全体像及び同条約起草過程における考慮説と不考慮説の対立

第1章 国連水路条約の全体像
第1節 国連水路条約発効までの経緯
第2節 国連水路条約の特徴
第3節 国連水路条約の主要規定
第4節 紛争解決手続

第2章 国連水路条約起草過程における考慮説と不考慮説の対立
第1節 国連水路条約起草作業開始前後の議論状況
第2節 第一読条文草案採択までの議論
第3節 第一読む条文採択とそれ以降の議論
第4節 国連総会第6委員会における全体作業
第5節 起草過程の評価―国連水路条約第7条の解釈

【第Ⅱ部】考慮説と不考慮説の対立解消のための前提的考察―衡平利用規則及び重大損害防止規則の体系化

第3章 衡平利用規則
第1節 衡平利用規則の特徴
第2節 衡平かつ合理的な利用の決定に当たり考慮すべき要素

第4章 重大損害防止規則
第1節 事後救済の法(国家責任法)と重大損害防止規則との区別
第2節 重大損害防止規則の法的基盤
第3節 重大損害防止規則の違反の認定に当たり検討されるべき要素

【第Ⅲ部】考慮説と不考慮説の対立解消に向けた検討

第5章 取水損害における考慮説の妥当性
第1節 考慮説と不考慮説の対立が生じる場面の特定及び考慮説の支持基盤
第2節 第一類型における考慮説の機能―違法性

終章 重大損害防止規則と衡平利用規則との関係の新展開
第1節 結論
第2節 今後の課題―越境地下水の方分野への示唆

資料
1. 国連水路条約正文(英語)
2. 国連水路条約翻訳

引用文献一覧


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。