大学出版部協会

 

パスカルと身体の生

パスカルと身体の生

A5判 334ページ 上製
価格:6,930円 (消費税:630円)
ISBN978-4-87259-477-5 C3016
奥付の初版発行年月:2014年10月 / 発売日:2014年10月上旬

内容紹介

パスカルの思索の中心にあるのは、人間の思考や知性の卓越性ではなく、つねに身体の影響をこうむる人間の精神、精神のはたらきを妨害する人間の身体である。身体は罪の源泉であり、真理の認識の障害であるが、他方でその身体の存在こそが、人間に罪の自覚を促し、真理への到達を希求させる。そうした希求を信と呼ぶならば、信はまさに身体という桎梏を必要とする。本書は、「愛」「習慣」「直感」「中間」「賭け」など、『パンセ』の中心主題をめぐるテクストの精読を通じて、パスカルのキリスト教弁証の試みにおける人間の身体、および身体をともなう人間の生の両義的な価値を明らかにする。


目次

はじめに

第一章 愛と邪欲
  1.神への愛
  2.邪欲
  3.自己愛
  4.他者への愛

第二章 習慣と信
  1.信仰の起源としての習慣—実践から信心へ
  2.信仰の障害としての習慣
  3.習慣の必要性

第三章 sentiment−直感、感覚、繊細さ
  1.宗教的直感
  2.自然的直感
  3.身体を起源とする「感覚」
  4.繊細の精神

第四章 「中間」の両義性
  1.「中間」の主題とその意味
  2.「人間の不均衡」の断章
  3.中間者のモラル

第五章 病と死
  1.パスカルの病気
  2.病の象徴的意味と身体の神学的価値
  3.死への態度とキリスト者の位置

第六章 人間の尊厳
  1.「思考」と「気晴らし」
  2.「気晴らし」の倒錯性
  3.死を考えること
  4.「賭け」
  5.来世を望むこと

第七章 無知
  1.正義の無知
  2.学問的真理の無知
  3.自己の運命に関する無知

おわりに


一般社団法人 大学出版部協会 Phone 03-3511-2091 〒102-0073 東京都千代田区九段北1丁目14番13号 メゾン萬六403号室
このサイトにはどなたでも自由にリンクできます。掲載さ>れている文章・写真・イラストの著作権は、それぞれの著作者にあります。
当協会 スタッフによるもの、上記以外のものの著作権は一般社団法人大学出版部協会にあります 。