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16世紀の活字製作と現代の書体デザインカウンターパンチ

カウンターパンチ 16世紀の活字製作と現代の書体デザイン

A5判 224ページ
価格:4,180円 (消費税:380円)
ISBN978-4-86463-019-1 C3070
奥付の初版発行年月:2014年12月 / 発売日:2014年11月下旬

内容紹介

書体の「セリフやへアラインは、なぜこんなに細いんだ? おかしいじゃないか! 」
エンジニアからの質問に即答できなかったタイポグラファ、スメイヤーズ。
なぜ答えられないんだろう? 過去の文献にも、その解答は見あたらない。

16世紀の活字父型彫刻師の仕事に焦点をあて、
自ら活字製作を体験、貴重な資料を駆使した活字の冒険譚。
忘れられた小さな道具、カウンターパンチが生み出す微細な空間が
過去から現在、未来へと美しい文字の物語をつむぐ。
スメイヤーズの名著、待望の初翻訳!

著者プロフィール

フレット・スメイヤーズ(フレット・スメイヤーズ)

Fred Smeijers
オランダの書体デザイナー、教師、作家。アーネムの美術学校を卒業後、文書複写機を取り扱うオセ社にタイポグラフィ・アドバイザーとして入社、デザイン団体クアドラートの創設メンバーとなり、のちに同名の書体Quadraatをリリース。他に手がけた書体はArnhem、Fresco、Sansa、Custodia、Ludwigで、これらは2002年に自身が設立したOurTypeからリリースされている。2001年にはヘリット・ノールツァイ賞を受賞し、その功績の一部は2003年の著書『Type Now』にまとめられている。ライプツィヒの美術大学(Hochschulefür Grafik und Buchkunst)で書体デザインを教える教授でもある。

山本 太郎(ヤマモト タロウ)

武蔵野美術大学造形学部基礎デザイン学科卒業。株式会社モリサワに入社。1992年アドビシステムズ 株式会社に入社。現在、同社Japan R & D所属、日本語タイポグラフィ、シニアマネージャーとして、日本語フォントの開発及び関連技術の開発に従事。タイポグラフィ学会会長。

大曲 都市(オオマガリ トシ)

書体デザイナー。武蔵野美術大学造形学部視覚伝達デザイン学科を卒業後、英国レディング大学のMA書体デザインコースを修了し、モノタイプ社の書体デザイナーとしてロンドンで活動。欧文以外にもキリル文字、ギリシャ文字、モンゴル文字など多数の文字の書体を設計する。製作書体にレディング修了制作のMarcoやモノタイプのMetro Novaなどがあり、後者は2014年ニューヨークのTDC賞を受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本語訳にあたって   大曲都市
はじめに 謝辞とともに
基本的な事柄
   1 本書のきっかけ
   2 用語
   3 文字を生み出すみっつの方法
   4 活字:白と黒のゲーム
   5 活字書体の比較
活字父型彫刻を取り巻く状況
   6 文字とイタリアの知識人
   7 活字製作における活字父型の位置付け
   8 活字父型彫刻師と歴史家
   9 父型彫刻師はどこから来たのか?
   10 活字父型彫刻師の黎明と衰退
   16世紀の活字父型彫刻
   11 父型法と掘削法
   12 鉄の悦び
   13 フルニエによる活字父型彫刻考察
   14 実際にはどうやっていたのか?
   15 文字の位置調整
   16 デザインと製作の過程
   17 活字父型は1日1個?
   18 カウンター父型は今どこに?
   19 ヘンドリク・ファン・デン・キーレとアウトライン
   20 デザインの線形性
活字父型彫刻と活字の働き
   21 技術は形に影響を与えるか?
   22 無意識な目
未来へ
   23 デジタル時代の活字父型彫刻
   24 書体デザインと言語
   25 ローマン体の限界
   26 可能性と変化
補遺
   ヘンドリク・ファン・デン・キーレ
   ルナール
   オールタン
   参考文献
   図版出典
   索引
小さなカウンターが結びつける過去と未来   山本太郎


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