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生物という文化

北大文学研究科ライブラリ
生物という文化

四六判 322ページ 並製
定価:2,800円+税
ISBN978-4-8329-3384-2 C1039
奥付の初版発行年月:2013年03月 / 発売日:2013年04月中旬

内容紹介

古来、人と生物は様々な関わりを保ちながら生活してきました。生態系の中のつながりだけでなく、思想・歴史・文化の側面でも生物は人間の社会に多様な影響を与えてきました。本書では人と動物の関係、外来生物、生態系、生命倫理、縄文時代、テーマパークと鹿、身近な動物と怪物、動物実験、生物学者アリストテレスとダーウィン、現代思想における動物の孤独などの話題をとりあげ、人と生物の関わりを見わたし、生物という文化の諸相を探究します。

著者プロフィール

池田 透(イケダ トオル)

一九五八年生、北海道大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(地域システム科学講座)。共編著書に、『日本の外来哺乳類』(東京大学出版会、二〇一一年)、監修書に、『外来生物が日本を襲う!』(青春出版社、二〇〇八年)、共著書に、「外来種問題││アライグマ問題を中心に」(高槻成紀・山極寿一編『日本の哺乳類学 第2巻 中大型哺乳類・霊長類』(東京大学出版会、二〇〇八年、三六九―四〇〇頁)。

小杉 康(コスギ ヤスシ)

一九五九年生、明治大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(北方文化論講座)。著書に、『縄文のマツリと暮らし』(岩波書店、二〇〇三年)、編著書に、『心と形の考古学││認知考古学の冒険』(同成社、二〇〇六年)、共著書に、『はじめて学ぶ考古学』(有斐閣、二〇一一年)。

立澤 史郎(タツザワ シロウ)

 一九五九年生、京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学。理学博士。現在、北海道大学大学院文学研究科助教(地域システム科学講座)。著書に、『世界遺産 春日山原始林』(ナカニシヤ出版、分担執筆)、『環境倫理学』(東京大学出版会、二〇〇九年、分担執筆)、Sika Deer-Biology and Management of Native and Introduced Population,(Springer, 2009, 分担執筆)など。

橋本 雄(ハシモト ユウ)

一九七二年生、東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、北海道大学大学院文学研究科准教授(日本史学講座)。著書に、『中世日本の国際関係││東アジア通交圏と偽使問題』(吉川弘文館、二〇〇五年)、『中華幻想││唐物と外交の室町時代史』(勉誠出版、二〇一一年)、『偽りの外交使節││室町時代の日朝関係』(歴史文化ライブラリー、吉川弘文館、二〇一二年)。

武田 雅哉(タケダ マサヤ)

一九五八年生、北海道大学大学院文学研究科博士課程(中国文学専攻)中途退学。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(中国文化論講座)。著書に、『よいこの文化大革命││紅小兵の世界』(広済堂出版、二〇〇三年)、『楊貴妃になりたかった男たち││〈衣服の妖怪〉の文化誌』(講談社(選書メチエ)、二〇〇七年)、『万里の長城は月から見えるの?』(講談社、二〇一一年)。

藏田 伸雄(クラタ ノブオ)

一九六三年生、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定退学。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(倫理学講座)。共著書に、『応用哲学を学ぶ人のために』(戸田山和久・出口康夫編、世界思想社、二〇一一年)、『科学技術倫理学の展開』(石原孝二・河野哲也編、玉川大学出版部、二〇〇九年)、『環境倫理学』(鬼頭秀一・福永真弓編、東京大学出版会、二〇〇九年)。

佐藤 淳二(サトウ ジュンジ)

一九五八年生、東京大学大学院人文・社会系研究科博士課程修了。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(映像・表現文化論講座)。主な論文に、「「終わりある啓蒙」と「終わりなき啓蒙」」富永茂樹編『啓蒙の運命』(名古屋大学出版会、二〇一一年)所収、「ルソーの思想圏」『現代思想』(青土社、二〇一二年)。

千葉 惠(チバ ケイ)

一九五五年生、Oxford大学哲学科博士課程修了(D. Phil)。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(哲学講座)。著書に、『アリストテレスと形而上学の可能性││弁証術と自然哲学の相補的展開』(勁草書房、二〇〇二年)、Aristotle on Essence and Defining-phrase in his Dialectic, Definition in Greek Philospohy, ed. David Charles (Oxford University Press, 2010, pp.203-251), Aristotle on Heuristic Inquiry and Demonstration of What It Is, The Oxford Handbook of Aristotle, ed. Christopher Shields (Oxford University Press, 2012, pp.171-201).

和田 博美(ワダ ヒロミ)

一九五七年生、北海道大学大学院環境科学研究科修了。学術博士(環境科学)。現在、北海道大学大学院文学研究科教授(心理システム科学講座)。共著書に、『行動心理学』(勁草書房、二〇〇六年)、A study of healthy being: From interdisciplinary perspectives (Azusa Syuppan, 2010).

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに
第I部 歴史・文学の中の人と生物
第一章 縄文土器造形に見る`ヒト-動物関係'の始まり……小杉 康
一 生き物が生きるために生き物を食べる
二 エピソードI――ヒトは狩猟者か、それとも獲物か
三 エピソードII――猟犬の誕生
四 思考実験装置としての「縄文土器型式編年」
五 縄文土器文様発達史(抄)・四つの顔をもつ土器の登場まで
六 4-2=2の土器
七 人体文の出現から人獣土器の成立まで
八 人獣土器の展開
九 縄文中期の神話的思考
一〇 宮沢賢治の世界へ、ようこそ
第二章 日本最古のテーマパーク?――奈良公園に見る人とシカの関係史……立澤史郎
一 奈良のシカと奈良公園
二 「春日野のシカ」から「春日神鹿」へ
三 保護から管理へ
第三章 生きた唐物……橋本 雄――室町日本に持ち込まれ、朝鮮に再輸出された象と水牛
一 日本に初めてやってきた象
二 政治的象徴物としての象
三 黒象、朝鮮へ贈られる
四 象はなぜ贈られたのか
五 贈った水牛を取り戻す
六 水牛の政治的・文化的寓意
第四章 ありふれた〈動物〉は、いかにしてただならぬ〈怪物〉になるか ……武田雅哉
一 〈ありふれた羊〉は〈ただならぬ植物羊〉となる
二 〈ありふれたサイ〉は〈ただならぬ一角獣(ユニコーン)〉となる
三 〈ありふれたゾウ〉は〈ただならぬ……〉に 第II部 哲学・思想における人と生物
第五章 木は法廷に立てるか――生物を尊重するとはどういうことか……蔵田伸雄
一 動物の解放
二 すべての動物は平等なのか
三 自然の権利訴訟
四 動物解放論
五 非-人間中心主義と生物の内在的価値
第六章 動物たちの孤独……佐藤淳二
一 魔術師とその馬たち
二 声を追放すること
三 吃音者の孤独あるいはイソップのイチジク
四 動物、我らの内なるよそ者
五 自然と文明の差異、オオカミ男はもういない
六 「咳をしてもひとり」、動物のような孤独
七 大いなる分割を越えて
第七章 博物学者アリストテレスとダーウィン……千葉 惠 ――目的論的自然論と進化論は両立可能か
一 ナチュラリスト
二 三種類の説明の理論とアリストテレス的可能性
三 ネオダーウィニズム
四 共約性と優越性
五 目的因の存在証明
六 端的必然性と条件的必然性の両立
第III部 現代社会における人と生物
第八章 人間の幸福と動物の幸福――動物実験者の立場から……和田博美
一 動物実験に対する考え方
二 科学的合理性
三 法規制と自主管理
四 3Rの原則
五 苦痛カテゴリー
六 人道的エンドポイント
七 安楽死処置
八 利用目的による動物の愛護と福祉
九 北海道大学における動物実験
一〇 適正な動物実験のために
第九章 外来生物のはなし――人間がもたらした生態系への新たな脅威……池田 透
一 多様な問題を包含する外来生物問題
二 外来生物とは?――外来生物の定義
三 日本に外来生物はどれくらい存在するのか?
四 外来生物の導入経路
五 外来生物によって引き起こされる諸問題
六 生物多様性条約と外来生物
七 世界で猛威を奮う外来生物
八 外来生物による間接的影響
九 外来アライグマによる影響と対策のあり方
一〇 外来生物対策の本来の目的
おわりに
図表一覧
執筆者紹介

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