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 群論からのアプローチ量子論に基づく無機化学[増補改訂版]

量子論に基づく無機化学[増補改訂版] 群論からのアプローチ

A5判 348ページ 並製
定価:4,500円+税
ISBN978-4-8158-0907-2 C3043
奥付の初版発行年月:2018年04月 / 発売日:2018年04月上旬

内容紹介

分子の構造はいかにして決まるのか?
化学反応が自発的に進むかどうかを、どう判定するのか? 現代化学の理解に不可欠の群論を、基礎から効率よく身につけながら、無機化学を論理的かつ系統だって学びなおす。改訂によりさらなる解説が加わり、有機系を含む化学反応例も充実。

著者プロフィール

高木 秀夫(タカギ ヒデオ)

1954年、三重県生まれ。1978年、東京工業大学理学部化学科卒業。1983年、東京工業大学大学院理工学研究科原子核工学専攻博士課程修了、工学博士。著書に『基礎から学ぶ量子化学』(2012,三共出版)など。

上記内容は本書刊行時のものです。

目次

はじめに

  第Ⅰ部 群論の基礎

第1章 群論入門
  1-1 対称操作と対称要素
  1-2 点群の表記とその例
  1-3 ショーンフリース記号とインターナショナル記号の対応
  1-4 指標表(character table)の構成と読み方
  1-5 既約表現と直積

第2章 指標表の見方と使い方
  2-1 指標表に現れる軌道多重度と群軌道の概念
  2-2 群軌道の作り方
  2-3 数学的演算と指標表
  2-4 既約表現と指標表の性質1
  2-5 既約表現と指標表の性質2: ちょっと数学的な関係

第3章 錯体の対称性によって変化する軌道の帰属
  3-1 Kugel群とその部分群
  3-2 正8面体型錯体よりも低対称な錯体における d 軌道分裂

  第Ⅱ部 構造とスペクトル

第4章 群論と分子の振動
  4-1 基準振動
  4-2 赤外分光法とラマン分光法
  4-3 分子の基準振動モードの解析
  4-4 分子内座標に基づく分析法と基準振動の表記

第5章 遷移金属錯体の d-d 吸収スペクトル
  5-1 多電子系の合成スピン角運動量と合成軌道角運動量
  5-2 遷移金属自由イオンのスペクトル項
  5-3 spin factoring によるスペクトル項の導出法と配位子場によるスペクトル項の
     分裂
  5-4 強配位子場(strong field)における項
  5-5 中間配位子場における各状態のエネルギー
  5-6 低対称場における半定量的取扱い
  5-7 スピン-軌道相互作用

第6章 化学構造を支配する物理学的理論
  6-1 MO 理論による直接的方法: Walshの方法
  6-2 ヤーン-テラー効果と構造変化経路
  6-3 2次のヤーン-テラー効果を用いた安定構造の解析法
  6-4 2次のヤーン-テラー効果を用いた安定構造解析の具体例
  6-5 遷移金属錯体の構造に関する考察

  第Ⅲ部 無機化学反応

第7章 無機化学における溶液論
  7-1 液体の定義
  7-2 溶液に関する理論1: 理想溶液/無熱溶液/正則溶液
  7-3 溶液に関する理論2: 希薄溶液と電解質溶液論
  7-4 イオン会合
  7-5 反応速度定数のイオン強度依存性
  7-6 標準状態の考え方

第8章 溶液内の反応速度論
  8-1 反応速度論に関係する用語
  8-2 反応速度定数の求め方
  8-3 拡散律速反応(diffusion-controlled reaction)
  8-4 遷移状態理論
  8-5 核磁気共鳴法を用いた化学交換速度定数の測定原理

第9章 電子移動反応とその理論
  9-1 外圏型電子移動反応に関するマーカス-ハッシュ理論と外圏活性化自由エネ
     ルギー(ΔG・OS)
  9-2 内圏活性化自由エネルギー(ΔG・IS)
  9-3 二状態理論(two state model)と調和性(harmonicity)
  9-4 マーカスの交差関係
  9-5 半古典論的拡張
  9-6 外圏型電子移動反応に関わる軌道と非断熱性
  9-7 内圏型電子移動反応に関する理論と非断熱性
  9-8 非断熱的電子移動反応とプロトン移動反応の類似性

第10章 化学反応を支配する物理学的理論
  10-1 反応の断熱性とそれを保証する条件
  10-2 2次のヤーン-テラー効果と反応の活性化エネルギー
  10-3 principle of least motion(PLM)
  10-4 単分子解離反応
  10-5 軌道対称性の要請に基づく反応性の判断1: 基礎的な反応
  10-6 軌道対称性の要請に基づく反応性の判断2: 複雑な反応
  10-7 活性化エネルギーと反応座標に関するより深い考察
  10-8 非断熱的反応過程: 軌道対称性禁制反応の抜け穴

第11章 溶媒交換反応と配位子置換反応
  11-1 反応機構に関する一般論
  11-2 理論的なアプローチ
  11-3 低対称錯体の反応

付録A 本文への補足解説
  A-1 プロジェクションオペレーターの役割: 群軌道と基準振動
  A-2 時間に依存する波動方程式の取扱いと遷移双極子モーメント
  A-3 数学的な色々な空間の概念と、線形変換に関わる変換行列の性質
  A-4 パウリの排他原理と電子スピン
  A-5 電子配置に対応する状態/スペクトル項の帰属法
  A-6 摂動理論とヤーン-テラー理論および断熱反応における非交差則
  A-7 光化学反応過程

付録B 周期表に見られる相対論的効果
  B-1 非相対論的量子論
  B-2 相対論的量子論
  B-3 相対論的量子論が記述する化学の世界

付録C 遷移金属錯体に関連する色々な対称性の分子の基準振動モード

付録D 正8面体と正4面体における結晶場分裂エネルギー
  D-1 結晶場の考え方
  D-2 正8面体型結晶場
  D-3 正4面体型結晶場
  D-4 テトラゴナルに歪んだ結晶場

 参考文献
 索 引


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